相談概要 | [氏名] KM [相談内容] リフォームの瑕疵 [居住住所] 東京都北区 [職業] 会社員 [年齢] 38 [女性] on [構造] 鉄骨鉄筋コンクリート造 [引渡し年月日] 西暦2009年 7月 日 [何階建て] 6 [延べ面積m2] 46 [延べ面積坪] [工事請負金額] 約800 [設計監理料] 不明 [様態] 賃貸マンション [施工者] 大工(工務店) [設計図面は何枚もらいましたか?] 4 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 5-6 [施工者名] NK |
相談内容 | 現 象: 築40年のマンションを4年前に、所有している義母に全面リフォームして頂きました。東北側の角部屋です。冬になると壁とガラスから滝のように結露が発生し、黒カビが大発生しました。塩素で拭いたり、換気を24時間にしたり、家具を離したりしましたが、4年経過し、寝室・リビングの床から約40cmはクロスが一部カビで浮いたり剥がれており、床と壁を仕切る木枠も剥がれています。床も変色しています。1ヶ月半後には子供が生まれるのでどうにかしたいのですが、リフォームした工務店に連絡しても音沙汰ありません。4年前に工務店に「結露が心配で2重サッシなど工夫できないか」と相談しましたが、できないの一点張りでした。今になって「できる」との返答だったそうですが、何も連絡がありません。夫は「そんなに心配いらない」と言いますが、 カビが原因で過敏性肺炎になる事もあるようで、新生児では重症化すると聞いてとても心配です。 相手の意見: 窓を二重にする。換気口を増やす。 風通しよくするような生活をしてください。 まだ直接見に来ていない。 相談内容 : @一度大量発生した黒かびは除去できるのか。 全部取りきれないにしても、住んでも安全なレベルまで除去してほしい。具体的な方法を知りたい。 これから梅雨の時期にできるのか。避けたほうがいいのか。 A結露とカビが生えている部屋半分のカビの除去やクロスの交換をしたら、 どれくらいの金額が必要か知りたい。 B結露を防止するために、自分達でどうしたらよいか。 Cクロスを張り替えるだけで、結露・黒かびを防ぐ事はできるのか。 D共働きなので日中は24時間換気以外は締め切っている状態で、結露防止にも限界があるように感じる。 また高額なリフォーム代がかかるなら、思い切って部屋を変えた方が良いのか悩んでいる。 壁の黒カビ 床まで発生 天井と壁の入隅の黒カビ |
yorozuの感想 | どうしたらよいのか分からなかったので、相談することができて助かりました。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | 説委員の山口です。 まずは一般的な話しからですが、築40年とのことですので、新築当時には外壁側コンクリート壁には、今のような十分な断熱仕様が行なわれてなかったかもしれません。リフォームを行なってくれた工務店もそこまでの知識があって仕事を受けたのかどうか、オーナーの義母さんもそこまでご存知で工事をお願いされたのでしょうか。契約上の瑕疵が存在するのかは判断が難しいところです。 又、分譲マンションであればサッシは共用部になりますので二重サッシにできるかどうか、ペアガラスに変更できるかどうかを確認する必要があります。ペアガラスに変更できなくても内窓の追加は内装の一部として可能かもしれませんね。 相談に対する助言を項目毎にいたします。 1)室内掃除の専門店へ依頼してカビ取り工事を行なえばそこそこ大丈夫だとは思います。 2)カビの除去や壁紙の張替は面積等がわかればおよその金額は把握できます。誰かに見積りをしてもらう必要があります。部屋の図面があれば推測はできます。施工店であれば無償見積りですが、設計監理者に依頼するとなると有償になります。 3)自分たちでできる結露対策は、室内外の温度差、湿度差をできるだけなくすことですから十分な換気を行なうしかありません。家具の裏や収納部の中など。 4)壁紙の張替だけでは結露を抑えることはできません。原因が他にあるからです。僅かですが結露に効果のある壁紙がない訳ではありませんが、所詮壁紙だと思ってください。 5)24時間施錠しておくのは理解できますが、換気は24時間可能ですよ。ベランダ側の窓の上部換気のための小窓、壁に丸い換気口があると思います。トイレの換気扇等を運転してみましょう。 東北の角部屋はもっとも結露しやすい部屋ですからそれなりの対策が必要となります。マンションの設計等に詳しい建築士に図面や現状を見てもらうのがいいでしょう。 小さいお子さんが歩き出すと、こどもの手の高さにカビが発生しやすくなる現象もありますので用心してくださいね。 |
武田 直行 | 解説委員の武田です。 リフォームされた工務店の担当者は結露やカビの対処法を熟知していなかったようですね。カビの内代表的なものに今回発生している黒カビと赤カビと青カビがあります。青カビは抗生物質の「ペニシリン」で有名ですね。また赤カビは病原菌でもあり、菌に感染した食品を食べることにより食中毒を起こします。黒カビはカビのボスといわれ空気中に飛散する胞子が肺や気管支などの呼吸器に入りアレルギー疾患の原因になりやすく、エアコンや加湿機から検出されやすい。 私が全面リフォームしたマンションの住戸も東西に開口はあるものの北向きの物件でした。住まわれていた小さなお子さんがよくせき込んでいたとききなるほどと思いました。新生児への影響については専門の医師などに相談してください。 相談内容の項目ごとに解説します。 1)専門のクリーニング業者に依頼するか、カビ除去の方法や薬剤は ネットで紹介されていますので参考にしてください。私の場合は カビに汚染された材料はすべて撤去し十分な換気期間をとった後 工事にかかりました。 2)図面等があればある程度の概算は出ます。ただ断熱の仕様を決める 必要がありますね。建築士など専門家に依頼することを勧めます。カビの繁殖期については梅雨期に限らず結露の発生する冬はもちろん夏にも場合によっては結露すること、秋の長雨期や台風期なども繁殖 します。工法にもよりますが緊急性も併せて専門家と打ち合わせて時期 をお決めになることをお勧めします。 3)結露防止のためには生活スタイルに注意が必要です。冬には部屋を閉め 切ったまま暖房機を使いますがガスや石油など開放型の暖房機は大量の水蒸気が発生するので換気には十分注意してください。また調理にも大量の水蒸気が出ますのでまめに換気扇を回して換気することが大切です。窓ガラスに付着した結露水はまめに拭いてとり除くことも大事です。外壁面には断熱材を十分いれたり、窓は二重窓として内側の窓の気密性を高くすることも大切です。 4)クロスを張り替えるだけでは結露や黒カビは防げません。外壁の断熱をよくすること、換気を十分とることなどが必要です。 5)同じようなマンション住戸は数多くあり、同じように共働きの家庭も多いと思いますがすべて同じ症状で困っているとの情報はありません。 私の手がけたリフォームも古いもので4〜5年たちますが黒カビは発生していません。まずは建築士など専門家に相談・調査してもらうことを お勧めします。 |
コメンテーター | |
堀住 勝雄 | コメンテーターの堀住です お子様の健康被害を気にされていらっしゃるようで、ご心労のことお察しします。 一般論として、コンクリートの建物の生活上の注意を挙げておきます。 ・しばらくは湿度計を見つつ、部屋環境を調整することを覚えてください。 ・窓だけを断熱すると壁の結露は増加します。断熱は壁を優先してください。 (ガラス面が除湿器のような機能をしているのです。) ・暖房はエアコン暖房として、調節機能付きの加湿器を併用してください。 ・浴槽の湯は入浴時以外は抜いておくことを標準としてください。 ・浴室かトイレの換気扇は24時間回し続けておきましょう。 (低消費電力の換気扇に取り替えることをお勧めします。) ・結露対策を施した後でも過加湿に注意が必要です。特に冬季には就寝時に暖房を切 ると温度低下とともに湿度が上昇して結露を起こします。 ・同じように暖房をしていない隣の(続きの)部屋も結露します。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | カビの除去はボード撤去し、下地の断熱材の有無を確認し、なければ施してください。加湿器を冬場使うことが多いですが断熱材がない壁面ではテキメンに結露します。カビは湿度と養分で発生しますが、クロスの糊が養分になってしまいます。 また、結露でなくても外壁や屋根からの漏水でも発生してしまいます。 私の経験でカビの発生の多かった社宅の子供が激しい喘息になったとの話も聞いたことがあります。人のよって反応が違うようですが、抵抗力の弱い幼児には良くないことは勿論ですね。 早急な対処が必要です。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 分かりやすくご回答頂きましてありがとうございます。 先が見えてきたように思います。 今日、主人が帰ってきたらこの回答を参考にして、今後の対応を話し合いたいと思います。 来週は4年前にリフォームした工務店、自分で調べて無料見積もりしてくれる工務店が来てくれるので、現状をみてもらい、どこまで直したらよいのか、いくらかかるのか具体的に見積もっていただこうと思います。 |
その後 |
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