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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.1322 擁壁の基礎部分に疑問

 相談概要 [氏名] T.S
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 福岡県北九州市
[職業] 造園業
[年齢] 34
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦2012年 4月30日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 40
[工事請負金額] 1500
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 15
[施工者名] SK
[販売会社名] SK
[設計者名] SK
[監理者名] SK
 相談内容 現  象:
擁壁の基礎部分に疑問があり質問させていただきました。

現在新築中の土地にCP型枠ブロック擁壁を新設したのですが、その基礎の厚みに疑問があります。業社に質問したところ、基礎厚は150mmで、その下に砕石が敷いてあるとのことでしたが、実際は基礎下に砕石は敷いておらず、地盤に直接基礎が打ってあり、基礎の厚みも100mmしかありませんでした。

擁壁自体の高さは高い部分で9段で1.8m程です。製品は、福岡シンセイのもので、ブロック自体の厚みは240mmあるのですが、標準の施工図面では高さ1.4mからは基礎厚200mmが標準となっています。このような施工で大丈夫なのでしょうか。

相手の意見:
基礎部分について質問したところ、基礎厚は150mmで、その下に砕石が敷いてあるとのことでしたが、問いただしたところ、基礎下に砕石は敷いておらず、基礎厚も100mmで施工したと認めた上で、住宅部分の地盤調査の結果が十分堅い地盤だったので、砕石も不要で基礎の厚みも100mmで大丈夫だということで、保証も付けるとのことでした。

相談内容 :
擁壁の強度自体がこれで大丈夫なのかということと、地盤が堅ければ、こういった施工が普通なのかということ、あと、保証を付けるとのことで、書面にして頂く約束をしたので、その内容について注意点などがあればアドバイス頂きたいと思います。


 yorozuの感想 在、新築中で、他にも色々とトラブルはあったのですが、そういった場合にも、過去の相談等を大変参考になりました。
よろしくお願いします。
アドバイザー 
大内 彰  地盤がいいから基礎コンクリートを薄くした、というのは通常ではありません。NGの判断になると思われますが、「CP型枠協議会」 に直接問合せその施工で安全かどうか確認してください。もし、協会で判断してくれない場合は業者に計算書を提出してもらい、それを確認してください(ご自分では難しいと思いますので構造計算のできる建築士に依頼してください)。

擁壁の安全性が確認できなければ全体の工事も中断すべきと思います「保証書」では安全性は確保できません。事故が起きた後に、その会社があれば保証書に従って補償してくれますが、全てを補償してはくれないないでしょう。

擁壁が壊れて第3者に及ぼす損害は全て所有者の責任になります。現状を受け入れるべきではないように思います。
 山口 雅克 擁壁の高さが 1.8mとありますが、擁壁が完成した時の擁壁の手前と向こう側の地面の高低差はどの位になるのでしょうか。高低差が少ないのであればブロックの捨てコンクリートと考えられない訳ではありません。高低差が大きい(1mを超える)のであればよう壁の基礎の下が硬い岩盤であったとしてもそのような厚さは考えにくいですね。基礎の厚みは、少なくともブロックの中に充填するコンクリートの厚み以上である事が一般的です。

基礎には鉄筋も入れてあると思いますが、厚さが100mmでは被り厚さ(コンクリートの外側から鉄筋までの距離)も不足している筈ですから耐久性にも問題有りです。

業者が言う保証は、全く役に立たない言い逃れとしか思えません。自信を持って保証するというのであれば、設計者に計算書を提出してもらい、メーカーに安全性の確認をしてもらうのもいいでしょう。
 木津田 秀雄 御相談のCP型枠ブロック擁壁ですが、以前に使用した際には、認定の取れているブロック積みの擁壁でも、個別にメーカーの設計と認定が必要だと指摘されたことがあります。

宅地造成等規制法の規制区域内であれば、宅造申請が必要になりますが、おそらく区域外なのでしょうね。区域外だとすると2mまでは工作物申請が不要ですので、1.8m程度であれば申請がいりません。ただ上記の私の経験では1m未満の擁壁でしたが、個別に認定が必要と指導されています。

問題のある擁壁だと考えられますので、一度市役所の建築指導課に聞いてみてはどうでしょうか。

他の相談員からも指摘がありますが、地盤が強固であることと、底盤を薄くすることは意味が違います。 
 コメンテーター 
関口 啓介 各解説員の解説を参考になさって下さい。

建築士及び所轄の行政(市役所等)の建築指導課にご相談下さい。
第三者への責任を考えた場合、きちんとした対応を求めることをおすすめします。
 事務局から 
  荻原 幸雄 9段×200=1800mmだとダブル配筋になると思います。すると当然基礎もダブルとなりますので、厚みは200から250mmはいるでしょう。ですので、厚さ100mmは論外です。また、砕石がないのも論外です。

こんな状況で保証されても意味がありません。保証は隠れた瑕疵を補うものであり、表に出た瑕疵を補うものではありません。早急に対処してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  
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