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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.1316 裏の家に通じるガス管が敷地内に

 相談概要 [氏名] IH
[居住住所] 東京都荒川区
[相談建物予定地] 東京都北区
[職業] 会社員
[年齢] 43
[女性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦2012年1月31日
[公庫使用] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 3
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 28
[工事請負金額] 2200
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 28
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 30
[施工者名] S不動産
 相談内容 現  象:

相手の意見:

相談内容:
40年前に父が買った建て売り住宅を相続し、老朽化した家屋を取り壊し、新築しようと考えています。解体するにあたり、東京ガスへ供給の一時停止、ガス管撤去の依頼連絡をした際、「お宅には裏のお宅に通じるガス管がありますね」と言われ、解体し、更地にしましたところ、確かに裏のお宅のガス管が敷地内を横断していました。

40年前の契約書を見てみましても、裏のお宅のガス管についての記載などありません。当然、裏のお宅から敷地内使用料などもいただいていません。

このガス管があるため、新築の基礎杭が建てられず、大変困っています。裏のお宅の方は3年ほど前に購入されました。(ローンなども組まず即金購入だったようです)「購入の際に、ガス管が越境しているなどとは聞いていない!お金は1円も出せない。息子からの小遣いでぎりぎり生活している。」との言い方で、なかなかお話が進みません。60代後半の女性がおひとりで住んでいます。息子さんと話しができると良いと促しても、息子は忙しいとのこと。

多少の費用負担も考えていますが、なかなか話が進みません。解体のブルドーザーの音で気が狂う寸前なのだそうです。我が家も40年を経過している建物なので、かなり老朽化が進み、3月の地震でぼろぼろな木造でしたが、同時期に建てられたお宅なので、確かに相当揺れなどもあるかとは推測できますが。ご自分は我が家の門扉の前に日当たりが良いからと植木鉢を置いたりと勝手と思われる行動をなさいます。

また、裏のお宅の方の立場に立てば、お買い得だと言われて、買ってまもないお家に住んでみたら、雨漏りはするし、前に建っている家(当方)が新築することになったら、自分のガス管が越境していると言われ、撤去引きなおしを求められ、費用がかかる状況になるので、お怒りになるのもわかるとは思いますが、当方としてはライフラインを勝手に撤去できないとはいえ、このまま工事遅延状態が続くのは避けたいと思います。

本当に工事遅延となったら損害は裏のお宅に求めたいとは思っています。なんとかそのような状況を回避し、穏便に進めたいと思います。何か良いお知恵はないでしょうか?

裏のお宅の方は現況有姿で購入されたようですが、「隠れた瑕疵」で売主に損害などを請求するなどして、撤去・引きなおしに応じていただく方法などもないのでしょうか?

よろしくお願いします。
 yorozuの感想 本日初めてHPを見させていただきましたが、色々な問題を抱えている方がいらっしゃることを知りました。また親切に返答されているので、質問させていただきました。
アドバイザー 
 氏原 毅士 お困りだとは思いますが、40年も前のことをいまさら詮索しても意味がないと思います。

法律的にはどのような判断になるかはわかりませんが、隣地へ移設できない事情があるのなら、計画建物の周囲へ迂回した配管を設置されたらいかがでしょうか。費用は10万もかからないと思いますし、全額負担か折半を話し合われたらと思います。電柱を個人敷地に立てるケースでも電力会社が支払う借地料は年間で2000円までです。

仮に、こんなので決着したとしても、図面にルートや深さ、材質を記し、ココにお宅のガス管を通しましたよと言うことが将来まで約束した覚書を両者記名押印した書面を残すことが大事です。この配管のメンテナンスは誰が責任を持つかも重要なことです。いきなり閉栓し、隣家とトラブルを抱え続けるより、感謝されたほうが得ではないでしょうか。
 木津田 秀雄 ガスの配管ですが、東京ガスには相談されましたでしょうか。

オール電化が増えてきている昨今、ガスの引き込みに関する問題については、ある程度の負担をガス会社で行って解決するケースもあるようです。隣家の方から、東京ガスに連絡してもらい、一度現地確認をしてもらった方が良いと思います。

隣家の方も中古住宅で購入されたのであれば、仲介業者の調査不足として仲介業者の責任を問う事もできなくはないでしょうが、既に3年経過していますので、瑕疵担保期間があったとしても、期間切れで実際には難しいと思います(そもそも隣家の方に問題解決の意志がなければ進みませんが)。
 コメンテーター 
武田 直行 双方とも把握していなかったトラブルですので現実的な考えに立って解決するのが望ましいと思います。相手側からするとライフラインにかかわる問題ですし、IHさんからすると他人の家のガス管が40年も埋設されしかも新築工事の計画に影響する位置にあるのは納得いかないはなしだと思います。ガス管の老朽に伴う更新工事も将来考えられますので木津田解説委員のいうように東京ガスを間に入れて解決を図るのが一番だと思います。

また氏原解説委員のいわれるように迂回するにしても工事費は双方が負担できない額にはならないと思います。それより近隣関係をこじらせないようにすることが大切です。IHさんの解体工事や新築工事に伴う振動などでお隣さんの家に実害を与える場合も考えられます。

これから始まる新築工事がスムーズに運ぶためにも多少の負担は 覚悟する必要があるかも知れません。 
 事務局から 
  荻原 幸雄 隣地の方も知らずに購入したのですし、被害者でもあります。

建築は接道義務がありますので、道路から新たに敷き込むことは可能ですので、ガス会社にご相談してください。将来、隣地の方も老朽化したガス菅のやり変えが必要になってくる時期も必ずきます。
その時は隣地も困りますし、ガス会社も困るでしょう。両者がガスを利用して貰っているので、ガス会社が会社負担で対応してくれる可能性もあります。ご確認してください。

このような敷地はよくあります。昔は借地で大家がその都度、敷地を通して、その内に道路や分筆、売買などで、道路からでなく隣地から配管や排水がある場合もあります。本来は不動産業者の重要説明事項の一つですが、いい加減な業者だったのか?聞き漏らしたのか?書面を貰っていたが今更・・なのか?不明ですが、先ずは現状が急いでいるので、ガス会社にお願いするのが一番です。対応してくれると信じます。(地域差はあるようですが)
相談者お礼状 
 相談者お礼状   『建築よろず相談』の皆さま
お返事をいただき、ありがとうございました。

ガス会社を呼び、見てもらうと引きなおしの見積もり等費用発生が考えられるので、1円も出したくないから、一切嫌だ!とおっしゃるお隣の方を相手に1ケ月間が過ぎました。そのまま手をこまねき、工事遅延というわけにもいきませんので、アドバイスにもありましたが、東京ガスへも問いあわせ、建築業者も出向き、話し合いをしました。

お隣の方には引きなおし可能な土地がありますので、そちらに引きなおしが一番ということでした。40年も前のことなので、東京ガスには当時の契約書類はなく、推測としては東京ガスと建売建築の工務店とがガス管設置の契約をしたのではないか。しかしながら既に書類もなく、時効も成立しているので、その工務店が存在していたとしても責任を問うことはできないとのことであり、私有地内のガス管については所有者同士で話し合いくださいとのことでしたが、粘り強く交渉しましたところ、方法を変えるなどの提案や、東京ガスの供給管が埋まっている部分のアスファルト引きなおし費用などは東京ガスの負担にしていただくことになり、少し工事金額が下がりました。

お隣の1円も払いたくないというお気持ちは強いのですが、仲介業者の説明責任はないのかを検討し、仲介業者が所属する協会へ相談に行くなどの提案を提示し、ガス管撤去・引きなおしの承諾をいただきましたので、ようやく、1ケ月遅れで着工できることになりました。

お隣は購入の際、かなりずさんに短期間に売買を取り交わし、説明もないままのようでしたので、今後仲介業者がどのような対応をされるかというところです。

今回のガス管越境に関して双方ともに知らなかったことであり、隣の方も被害者と思っておりましたが、協会へ相談に行った際、お隣の方が持参された書類を見させていただきましたところ、参考図として、我が家の敷地内にガス管が通っていることを示す図が入っておりました。ただ、その書類は購入して、住んでから送付されてきたものであり、説明を受けていない、知らなかったということのようです。

まだ、費用の支払いを誰が行うことになるのか決まっていませんが、前進はしています。色々な方のお知恵を借り、調べたり、足を運んだりと大変な1ケ月で、工事遅延による損害も事実ありますが、なんとか着工の目途が立ったことに感謝し、進めていきたいと思っております。

アドバイスいただき、ありがとうございました。
 その後  
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