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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.1315 契約なしに解体作業を始めることに疑問

 相談概要 [氏名] NK
[居住住所] 岩手県
[相談建物予定地] 岩手県
[年齢] 40
[女性] on
[構造] 木造(その他)
[公庫は使わない] on
[何階建て] 1
[延べ面積坪] 約6
[工事請負金額] 354
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 1
[設計者名] A 担当:T
 相談内容 現  象:

相手の意見:

相談内容 :
はじめまして。

現在、自宅敷地内にある2坪ほどの物置小屋(コンクリートブロック壁・トタン屋根)を取り壊しそこに6坪ほどのパン工房を作る計画です。

7月下旬に設計士さんに初めてお会いし話を進めてきました。お盆直前に図面と見積もりをいただきましたがその内容でもっと詰めて話を進めていただきたいとお願いしたところ建築確認申請を提出するために正確に測りたいとのことで来週小屋を壊してもいいですか?という話を20日土曜日にいただきました。

解体後、更地の状態で測り直しきちんとした図面を作り提出、2週間くらいで許可が下り着工。という話なのですが契約はまだしておらず、平面・外観ともにまだ確定ではありません。

契約なしに解体、解体後建てられません。や解体作業中の万が一の事故というようなことは?と聞くと大丈夫です。とのことです。

契約なしに解体作業を始めることに疑問を感じていますが設計士さんを疑うようなことは関係を崩す行為なのかと思ったりしているところなのです。

明後日、25日朝一に解体作業と言われているのですがやはり契約するべきなのでしょうか。

よろしくお願いいたします。
 yorozuの感想 もっといろいろな例があってもよいと感じました。
アドバイザー 
 氏原 毅士 契約がまだと言うことは金額も確定していないと言うことですね。

解体しなくても正確な測量は出来ると思いますのでなぜ急ぐかを確認したほうがよいと思われます。

相談には無いのですが、住宅敷地内にパン工房は用途上可分ですから建築確認はそのままでは不可能となります。申請上敷地分割して建築する事になりますが既存住宅が敷地を減じても合法でなるよう改築も必要となるかもわかりません。給排水も既存から分岐するのではなく単独で設置となるはず。担当の建築士と良く打ち合わせする必要があります。また、確認申請する前に保健所と食品衛生安全基準について事前申請も必要となります。

「測量とは」
 現状を有るがままに器具を用いて境界や工作物などの位置、距離を数値化し図化することです。倉庫の有る無しは全く関係が有りません。

「用途上可分とは」
 建築物は一敷地に一用途が大原則です。いくら余裕があっても住宅敷地に住宅以外の用途をもつ建物の建築は出来ません。申請上、敷地を分割とは、分筆までの必要はありませんが、敷地内に境界を設定して、2つにわけ、住宅用地と多用途の建物の敷地を建築基準法上分けることです。

両方の建物は、敷地形状の如何に問わず道路に規定以上の幅で接すること。境界から一定の距離には、地域指定の基準により防火対策などの必要性が生じること。建蔽率や容積率をそれぞれ満足させること。開口部(窓など)は設定した境界線以内で採光基準を満たすこと。などです。敷地内に離れを増築する場合、台所などの設置は認められません。

「給排水など」
給水・排水・電気・その他設備は既存住宅宅からの分岐は出来ません。引き込みのため道路掘削や市への負担金が必要となります。

「食品衛生法について」
パン工房では自己消費であれば関係有りませんが、販売目的なら食衛法の衛生管理者資格もしくは栄養士資格が必要です。施設は、区画・手洗い・流し台・機器配置・床壁の仕上げ材などの審査があってかなり時間がかかります。建築確認の後では通りません。

余談ですが、建築確認と保健所審査を考えると2週間ではとても無理で、最低60日は必要だと思います。
 
 コメンテーター 
橋本 頼幸 まずどれだけ信用していても、どんな些細な工事であっても、原則として契約をせずに着工することはトラブルの元になります。NKさんが危惧されておられるような事故があったり、途中で予定と違う工事が発生したり、何が起こるかわかりません。やはり工事範囲や解体方法などをきちんと決めて工事をすることが前提となります。

次に、「設計士さんを疑うようなことは関係を崩す行為なのか」と言うことですが、疑うのではなく、納得するまで話し合って下さい。設計者はプロだからこそ依頼者にわかってもらうまで説明する義務があります。依頼者は素人だからといってわからないままにせずに、わからないことをきちんと聞いて下さい。そういったことの積み重ねで信頼関係ができていくものと考えます。

納得ができてない工事については、その旨をきちんと伝えて、何が納得できないのか、どうすればいいのかについて話し合うべきです。あとでこうしておけばよかった、と思わないためにも大切です。

氏原さんも書かれているように、一般的には小屋を解体せずに正確に測量することは可能だと思います。

「疑う」のではなく「話し合える」関係を作って下さい。
 事務局から 
  荻原 幸雄 どのような形で知り合ったかわかりませんが、契約することなく解体してしまうのは危険なことです。世の中、それで、問題ないこともありますし、問題になることもあります。いろいろな人間がいるわけです。犯罪予備軍も入れば、単にひとのいい人であるかもしれません。しかし、わからない以上、予備軍の対処も必要です。

契約は通常の業務です。遠慮なく伝えましょう。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  お返事ありがとうございました。
話し合える関係をつくり素敵な工房をつくっていきたいと思います。
 その後  
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