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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No.1309 カーブミラー移転の可能性について

 相談概要 [氏名] T.K.
[相談建物予定地] 埼玉県鴻巣市
[職業] 会社員
[年齢] 51
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦2011年7月  日
[公庫は使わない] on
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 33.5
[工事請負金額] 1512
[設計監理料] 0
[様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅)
[施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[施工者名]   Fホーム
 相談内容 現  象:
建築条件付き分譲予定の土地を申込み、現在は営業の方と建物の間取り概略を打ち合せ中です。

土地の売買契約は3月の予定です。

現地(現況畑)を確認したところ、ゴミ捨て場が設置され、反対側から敷地に接する前面道路に侵入する際利用するカーブミラーも敷地内に設置されていました。

営業の方に確認したところ、ゴミ置き場については分譲に際し市に歳納する土地に移転させることが決定済みで自治会も了解している旨説明がありましたが、カーブミラーについては想定外の様子で本社に確認してみますとの回答でした。

その後の打ち合わせで営業の方より、カーブミラー移転については土購入後、私が市と交渉したほうが移転が実現しやすいとの話を頂戴しましたが、契約締結前に業者(土地の売主)において市と交渉して欲しい旨申入れを行いました。

その後業者本社より市に相談を行っているとのことですが、敷地外への移設案の他、敷地内での移動案も併せて相談しているとのことです。

相手の意見:

相談内容:
(1)市が管理するカーブミラーを私有地に設置する場合の取扱についてお教えください。
改めて回りをみると、公道上に設置されている場合と私有地内に設置されている場合があります。

(2)土地の所有者の了解なくカーブミラーの設置が可能なのでしょうか。
私の場合のように、設置された土地の所有者が変わった場合はどう考えればよいのでしょうか。
(3)市より業者への回答が敷地内の移動であった場合、それに従うほかないのでしょうか。
私が土地取得後、改めて市と相談することは可能でしょうか。
 yorozuの感想 自宅を建築することになり分からないことが多く、書店で「家づくりの問答集」を立ち読みしました。その具体的な事例とご専門の先生方の素人とは異なった視点での回答が驚きで即購入、家に帰ってきてすぐHPも拝見しました。

当人にしてみれば、不安・不満な事象も、実務経験に裏付された“施主・業者間の客観的、公平な調整・対応を意図した意見”をお示しいただくと自分なりに解決への筋道をづけることが可能と感じます。
アドバイザー 
古賀 保彦  「家づくりの問答集」のご購入ありがとうございました。

開発許認可を受けて行う事業の場合、ゴミ集積所やカーブミラーについては行政と事前協議しながら進めて行くのが一般的な手続き順序です。現状の申請内容や変更内容については開発申請図面・変更図面等で確認し、誤解が生じないようご注意ください。

また、売却対象となる土地上に所有権行使の妨げとなるカーブミラーが存在する場合や、ゴミ集積所など周辺に影響のある施設が存在する場合は、土地売買の重要事項説明の対象になります。個人では移設の手続きを行うのがかなわない事もありますから、それらの位置や移転の可否については重要事項説明書に記載してもらった方が良いでしょう。

ご相談内容について、

(1)行政によっては開発行為に伴って設置する道路上にカーブミラーを設置できない場合もあり、その場合は敷地内に設置せざるを得ない事もあります。保守など取り扱いについてはカーブミラーの所有権の帰属先に確認された方が良いと思いますが、事業主を飛び越えて直接相談する事でトラブルが生じる事もありますので、事業主経由で確認なさった方が良いと思います。

(2)開発事業主がカーブミラーを設置して工事完了後に管轄者に移管する方法、管轄者が事業主との協議に従って設置する方法、がありますが、いずれにしても事業主との協議に従って設置される事になります。土地の売買迄は、土地所有者は事業主ですので、T.Kさんの了解というより、事業主の了解の元に進められる事になります。

法的な手続きによって敷地内に設置されたものは、所有者が変わっても次の所有者が勝手に処分したり移設したりする事はできず、先に書きました重要事項説明書により、その義務が次の所有者に承継される事になります。T.Kさんが次に売却なさる場合も同じです。

(3)開発申請内容の変更という形で協議しても、道路上への移設が認められなくて他に適当な設置場所が無ければ敷地内に設置せざるを得ない、という事になるかもしれません。事業主は行政との折り合いをつけなければならない立場もありますので、無理矢理進める事もできません。個人からの苦情、という形の要請であれば、行政の方も多少は柔軟に対応してくれるのでは、という思いもあるかもしれませんが、現段階では不確実なものとしてお考えになった方が良いと思います。

開発で設けられる新たな道路には安全上カーブミラーが必要で、それを道路上に設置すると人や車の通行上支障がある、という事で敷地内に設置する事になっているのかもしれません。それを他の私有地内やその前面に移設する場合はその所有者の了解が必要になりますのでこれも難しい話になりそうです。

気に入られた土地であれば方位や立地などに長所があるのでしょうね。移設がどうにもならない場合は、カーブミラーを建築計画の方でうまく避ける事で短所を和らげる事ができれば良いですね。邪魔だけれど、街の役割の一旦を担っている、と思えば少し気分も和らぐかもしれませんが、さて、いかがでしょうか・・。
 コメンテーター 
津村 泰夫 古賀解説員が完璧な回答をしていただいていますので、何もコメントはございません。

私の住んでいた家でも町内会から要請があり敷地内にカーブミラーを設置したことがあります。敷地に対してT字型に道路が造られ、道路幅も狭いことから敷地内に設置することを快諾したわけです。敷地内だとミラー以外を植栽などでカモフラージュすることも可能です。長年住む町ですから、地域の安全と調和も大切だと感じます。
 事務局から 
  荻原 幸雄 土地を開発し、建築する場合は開発許可を得なければできません。それを取得する為には各担当部署を協議し、全てをクリアーして許可がおります。通常は不動産業者が事業主として開発申請します。行政は業者が相手ですので、規定以外のことも要望することもありますが、業者は事業を推進したいので、割りと受け入れることになります。

このミラーも、当然行政の要望があり、そのプロセスで事業主が同意している筈です。ですので、一度、提示したものを移設する場合は他に適当な場所があればいいですが、無い場合は移設の許可が下りないでしょう。また、取得後に交渉する場合、簡単には応じないと思います。その為の開発指導要綱を作成しているので、厳しいところです。

ミラー撤去は事業者に依頼し、できなければ契約しないという腹積もりが必要でしょう。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  ご回答を頂き有難うございました。
頂戴したご意見を参考にし、業者にカーブミラー移設場所の確認、重要事項説明書への記載をお願いしました。

業者からの回答は以下のようなものです。

1.現状の位置から1〜2M程度移動し、既存の前面道路と側面道路の交差するところに設ける隅切りに移設する方向で工事を進める。役所は中間検査のときに問題がなければ・・・と曖昧な回答しかしてくれない状況だが進めて問題はないと考えている(担当者からの説明)

2.一方、移設により周辺の人々への影響もでる恐れも考えなければならない(支店責任者)

3.結果、重要事項説明書への記載はできない?私には論点がよく理解できない状況です。

また、別途、北側の分譲地との高低差が10センチあることがわかり、フェンスを北側の土地に入れて欲しいと依頼しました。しかし、問題となる土圧ではない、(北側で)境界沿いに駐車場を儲けた場合、北側の方が低くなる場合もあるとの話で、フェンスは境界線上で共有との説明を受けました。

いずれも違和感を感じながらも、何が妥当なのか判断できずにいます。これからの打ち合わせで素人に理解できるよう平易な説明をお願いしていくつもりです。 土地と家を取得し、納得(安心)して生活するには事前にたくさんのことを学ぶ必要があることを実感しています。

ご助言をいただき有難うございました。

(追伸)
以下の本を購入させていただきました。今後の参考にします。
・いい家づくりのQ&A100
・家づくりの履歴アルバム
 その後  
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