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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.1295 擁壁ブロックのはらみはどちらの責任?

 相談概要 [氏名] N.K.
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[居住住所] 愛知県稲沢市
[相談建物所在地] 愛知県稲沢市
[職業] 会社員
[年齢] 37
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦    2010年 9月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 31.89
[工事請負金額] 150
[設計監理料] 0
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 0
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 5
[施工者名] 株式会社H工務店
[販売会社名] 株式会社K
[設計者名] 株式会社H工務店
 相談内容 現  象:
K不動産から田んぼを購入し(農転許可済み)造成改良を依頼しました。(造成工事はCB厚150 7段積み)

その後、H(ハウスメーカー)による柱状改良の施工したのですが、工事終了時にブロック土留めに膨らみがあると報告を受けました。柱状改良前に4cm近くの膨らみが認められ写真も撮ってあります。写真はH側にあり当方は持っておりません。現場で確認したところ全体に下から2段目のブロックから徐々に傾いており特に柱状改良をした場所近くに膨らみが見られました。

K不動産にこの旨を伝えたところ工事完了時に膨らみはなかったと言ってますが工事途中・終了時の写真など一切ありません。

造成工事の契約書はなく見積もりのみでの取引で工事費は家の完成引渡し後になってます。

以下の様にずさんな工事内容だったためK不動産の言い分が信用できない状態です。
ブロック天端にクラック・カケもあり、ブロックの目地がなかったり、土の量やブロックの高さ等が、最初に指示した内容と違っていた。当方でレベル測定し、高さを確認したため確認することができたが、先方は工事完了後レベル測定をしていなかった。ブロックの高さ並びに目地については、当方で確認できたものについては、先方に伝え修復。トイレの設置をしていなかったので土地で用を足していた。

相手の意見:
2者間で話し合いを持った結果K側はブロックのクラックと膨らみは、柱状改良の時にブロックが傾かないように支えなしでやった事によるもので、H側の写真については撮り方で膨らんだように見えるだけ。今までに何度も同じような造成工事をしており問題はない。

H側は、写真にあるように当初から膨らみを確認している。改良しただけで膨らむような塀は考えられない。ただ膨らみを確認した時点で工事の中止をしなかった点については非を認める。

話し合いが平行線なので当方でなんとかしてほしい。

相談内容 :
どちらに責任の所在があるのか当方では判断つかずただ柱状改良の近辺が特に膨らみがあるのは確かなので、一概に造成工事の不備とも言えないように思えますが・・・

お互いに責任はないの1点張りでこちらは相談できるものもいないのでこちらに投稿しました。駄文ですがどうぞよろしくお願いします。







 yorozuの感想 このようなHPがあるのは心強く、参考になります。
相談内容をカテゴリ別になっていると見やすいかと思いました。
アドバイザー 
藤井 修  ブロックの種類、鉄筋の径、間隔など何か分かる資料があれば良いのですが、拝見した写真だけの推測でお答えします。

ブロック7段積ということは高さ1,400の土留です、写真をみると普通コンクリートブロックのように見えます。このようなブロックでの土留では十分な強度は得られません。また地盤改良工事で傾くようではいけません。

内容のない金額だけの見積もり書が契約書というのもいただけません。

工事写真など無いようですがK不動産に使用したコンクリートブロックの仕様、鉄筋の径や間隔などを書いたものなどをもらい工事が妥当なものかを判断することが必要です。
 山口 雅克 1枚目の写真から、全体にたわんでいるように見えるのですが、柱状改良一本毎の曲りでなく家の建つ部分が大きく曲がっているようにみえます。

また擁壁と柱状改良の感覚が狭いようですが、擁壁の基礎と地盤改良が何らかで干渉していることはかんがえられませんか。おまけに道路側は水路のようにみえますが、その水路の底あたりからコンクリートブロックの擁壁なのでしょうか。水路の護岸を建築用コンクリートブロックで施工することはないと思いますが、どうなのでしょう。

2枚目の写真のヒビは製造時に空洞部を埋めたモルタルの収縮によるものと思われます。たまに見かけますが心配するようなものではありません。

3枚目の写真から、使用しているコンクリートブロックは建築用のようですが、縦目地なしで施工するタイプのものなのでしょうか。

建築用コンクリートブロックには4種類ありますが、C種を使っていますか。一般に、間仕切壁などに使われるB種は擁壁には使いません。擁壁(土留め)に建築用コンクリートブロックを使う場合は高さの差が1m以内であることや控壁を3.4m以下ごとに設けるなど行政によって指導がありますが、その辺りは遵守されているのでしょうか。

柱状改良を施工する機械が大きくて擁壁の近くまで寄りすぎるとこのようなことも考えられない訳ではありませんが、住宅用の柱状改良機械程度でしたらこのようなことはないと思われます。

4枚の写真だけでは全体像がみえませんのでこの程度の解説になりますが、第三者の専門家に現場を見てもらうのがいいと思います。

なお、CBの塀や土留めは20年ほどで内部の鉄筋に錆が出てくるようになりますので注意が必要です。
 コメンテーター 
木津田 秀雄 写真だけでは傾きがよく分かりません。

高さが低ければ大きな問題はないかもしれませんが、1.4mもあれば、建築用ブロックでは危ないと思います。地盤改良で傾くくらいなら基礎もきちんとできていないと思われます。

最悪、地盤改良がしっかりできれいてば、ブロック部分のみきちんとした擁壁に直すこともできるかと思います。支えなしで地盤改良をしたからというのは理由になりません。そもそも構造耐力の無いブロック擁壁をきちんとさせることが必要かと思います。

どちらが悪いかと聞かれれば、不安定なブロック擁壁を設置したほうが悪いと私は思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 擁壁もどきの壁は土圧で傾斜してたと思われますが、正規な擁壁か否かは構造専門の建築士に現地調査してもらい、確認してもらいましょう。

すぐに、問題の所在が解かると思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  
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