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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.1287 断熱材が入っていないが、こんなものでしょうか?

 相談概要 [氏名] NN
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 大阪府交野市
[職業] 主婦
[年齢] 35
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 平成17 年 6月 7日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 3
[延べ面積m2] 115.94
[工事請負金額] 3280
[設計監理料] 0
[様態] 建売り住宅
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[施工者名] A
[販売会社名] A
[設計者名] AA
[監理者名] AA
 相談内容 現  象:
1階に浴室・トイレ・和室・洋室があります。どの場所もとても寒く、洋室や廊下や階段は特に冷たいです。床下を覗いてみたら断熱材が剥がれ落ちていたり元々入ってなかったりする場所があります。浴槽から天井裏を覗いてみても断熱材が入っていません。

2階はリビングとトイレですが1階ほどではありませんが暖房を入れていても床が冷たいです。
3階は洋室が2部屋です。ここも床が冷たいです。天井裏を見ましたが、こんなものでしょうか?わかりません。

2階と3階の床はビー玉を転がすとその音が各下の階で聞こえます。話し声も聞こえます。
これは断熱材が入っていないからでしょうか?
3階の床で2階のリビングのライトがあるあたりは暖かいです。

相手の意見:

相談内容 :
建物自体が出来上がったのは平成17年6月です。
駅から近いのですが値段が購入した金額よりも800万円ほど高く販売されていたようです。なかなか買い手が付かなかったようです。

断熱材は落ちていたり入っていない場所がありますが、直してもらえるのでしょうか。
以前、枠が曲がっているせいで勝手口の扉や部屋の扉がきちんと閉まらないので直して欲しいと言ったら、適当に直しているところを見て不信感が一杯です。勝手口の扉は扉自体を曲げて無理にはめていました。部屋の扉は光が漏れるほどの隙間ができていますが一応締まるようになりました。

秋から春にかけて寒くなると苦痛です。

床下

天井裏
 yorozuの感想 こういうサイトがあってよかったです。

不信感を持っているので、業者の言う事を素直に聞き入れられないので、ここでワンクッション置けるのがとてもいいです。
アドバイザー 
 堀住 勝雄 断熱の問題は総合的に考えなくてはいけませんので、写真で拝見した範囲で回答させていただきます。

一般的に熱損失の大きいところはガラスなどの開口部、次に屋根裏、外壁、1階床下になります。1〜2階の間(天井と床の間)などは通常断熱材は入れないことが多いと思います。いずれにしても断熱の基本は家全体を隙間無く包み込むようにしなければなりません。

断熱材が落ちている床下は修理をしてもらうことを交渉してみて下さい。写真にあるダウンライト部分は3階天井裏でしょうか、埋込照明器具が断熱仕様でない場合はグラスウールで包むことはできません。照明器具を交換してでも隙間が生じない断熱が望まれます。

建売の場合は出来上がった現況を売買したことになりますので全て無償ということは難しいかもしれませんが、困難でも1階床下全てと3階天井の完全な断熱工事を行うことで住環境は改善されると思います。

断熱の仕様は法では定められていませんでしたので、住む人の顔の見えない建売住宅の心のこもらない工事の典型のような気がします。
 武田 直行 建売り住宅のこのような不具合を、どこまで売主の責任で補修させることが可能かどうかを、この文面だけで判断することは困難です。購入までの様々な経緯や価格にともなう約定などが存在するからです。

設計・技術的な見地から気付いた点を申し上げます。

断熱材の入れ方等は堀住委員が解説していただいていますのでそれで十分だと思います。

1階がとくに寒いということですね。図面を見ていないので断定はできませんが、階段室の処理が悪いため、寒さを増大させているのではと推測されます。階段室はうまく利用できれば採光や自然換気などに有用ですが使い方を間違えばコールドドラフトといって冷たい空気の運び道になります。とくに階段室に採光窓を設ける場合、冬期は、窓で冷やされた空気が暖房の空気で押し出されて1階に集中して下降してきます。

これを防ぐには階段室に断熱のための建具を入れて居室と遮断するか、暖房の方式を考えて階段室最下部に暖房機を1台おいて、下降してくるコールドドラフトを暖めながら押し上げ、家全体を暖める方法もあります。

住宅の断熱性能が悪いと熱的なロスが多くなり暖房費がかさみますが費用と、快適さとを比べて合理的な線を探ってください。

補修の話しも含めて費用が必要ですが、建築士など専門家の力を借りることをおすすめします。
 コメンテーター 
長谷川 明弘 写真を見た限り、かなりずさんな工事のように思えます。ですが、建売としてそのものを購入したので、無料で修理、改善してもらうのは難しいとは思いますが、一度、頑張ってみて無料でお願いしてみても良いのではないでしょうか。ダメ元で頑張ってみて下さい。

断熱は外気に面する部分(床下も含めて)にしっかり隙間なく入ってなければ効果を発揮しにくくなりますので、冷暖房費が通常より多くかかる可能性が高いです。ですので、しっかりした修理をしてください。

武田解説員もおっしゃてますが、建築士など専門家の力を借りることを私もお薦めします。
 事務局から 
  荻原 幸雄 断熱材が抜けている部分は通常は瑕疵なので1階床下、屋根裏は再度、やり直してもらいましょう。大した金額ではありませんが、大きなことですので、話し合いは不調に終わったら、一先ずは自分で、お金を出して、工事をした方が実質的に、よいかもしれません。

仕事が雑であることはわかりますが、建売住宅のこころのこもらない売り切り住宅の宿命です。建売にはよくあることです。

建売を購入する時は必ず、第三者の建築士に購入前に同行調査を依頼することです。今回の場合などは、契約する前に指摘し、改善されていたでしょう。

このような業者は同じものを何百棟も建てているのでしょうから、苦情になれているので反応が鈍いかもしれません。その場合は自力で対処することも視野に入れて温かい暮らしを目指して下さいね。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  
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