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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.1286 中古物件について 購入を悩んでいる。

 相談概要 [氏名] Y.U
[相談建物所在地] 兵庫県川西市
[職業] 主婦
[年齢] 45
[女性] on
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 179・9
[工事請負金額] 4200
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?]
 相談内容 現  象:

相手の意見:
まだ、本格的な調査をしておりません。

相談内容 :
昭和61年築の中古物件について購入を悩んでおり、ご相談をお願いいたします。

物件は、大手ハウスメーカーの2×4工法で建築された、平地にある、2階建ての家です。阪神大震災を経ている為、耐震がとても気になります。

間取り、利便性、環境等は、気に入っており、できれば、リフォームをして、30年くらいは住みたいと願っておりますが、地震による影響なのか、地面からすぐ上の基礎部分のモルタルの剥げと、細いクラックが、2本入っており、気になっております。震災の際、この辺りは被害も大きく、地盤がずれているかもしれないという意見も聞きました。かなり古いので、経年のものなのかもしれませんが、住み続ける上で、どんどん、クラックが増えたりして怖い影響が出たりするのでしょうか? 

ここのハウスメーカーに詳しい検査を依頼しようかとも思っておりますが、はっきりした見解が出るのか心配ですし、費用も気になるところです。検査の結果、今後、絶対大丈夫ですという保証は、たぶん頂けないでしょうから、グレーな意見を自己判断となりますと、どういう基準できめればよいのでしょうか?

ご意見を どうぞよろしくお聞かせ願います。
 yorozuの感想 私たちのような、全くの素人にとって、たくさんの相談内容とその解決策がHPで見れるのは、大変助かります。

自分の周りに、なかなか、信頼のおける建築士の方などが思い当たらず、今回は、藁にもすがる思いでご相談させていただきました。

また、一つの相談に対して、複数の方々の意見が提示されるのも、大変参考になり良いシステムだと思います。
アドバイザー 
 橋本 頼幸 建物の購入は、ほとんどの人にとって一生に一度のこと。悩まれるのは当然だと思います。

ご相談の内容は、昭和61年築(築24年)の建物が安全かどうか、ということですが、YUさんが建物を購入するにあたって、だれのどんな意見を信用するかということにかかっているのではないでしょうか?

たとえば、一つの病気に対する医者の見解も10人いれば10人とも意見が異なるものです。素人にはその違いもわからなければ、経験もないので判断もできません。どの医者の言っていることが信用できるかを考えると思います。

建物も同じです。ハウスメーカー、不動産業者、知り合いの工務店、隣のおっちゃん、設計事務所。いろいろな立場でいろいろな人がいます。おそらくみんな同じ意見になるということはないと思います。どの見解がもっとも信用できるかは、YUさんが判断することになります。

さて、その時に気をつけることがあります。それは、YUさんの「見方」で見てくれるか、ということです。

ある人(業者)はYUさんの見方ではなく、自分や自分の会社が儲かる方法を考えて言うかもしれません。ある業者は面倒だから、適当にあしらっておこうとするかも知れません。ある業者は買ってもらおうとして悪いことは言わないかもしれません。もちろんそんな業者ばかりではありませんが、YUさんのことを最優先してコメントするのか、自己の利益を優先しているのか、その立場の違いは明確にあると考えてください。その上で、YUさんがもっとも信用できる方法はどれになるのか、を考えて決めていただければよいと思います。

設計事務所に調査を依頼すると、費用がかかります。ハウスメーカーや不動産業者は費用を取らないことが多いか、非常に安くで見てくれるかも知れません。なぜ同じ仕事で費用が異なるのか。それは立場を変えると、だれからお金をもらって、だれのために仕事をしているのか、という立場の違いだと考えてください。

そのように考え方を整理していくと、自ずとYUさんにとってもっとも良い方法が見つかるのではないでしょうか?人を信用する、自分を信じるのは難しいことですが、きっと信用できる人や方法があると思います。
 木津田 秀雄 中古住宅の購入についてのご相談ですが、専門家に見てもらうことが一番かと思います。

品確法にも中古住宅版がありますが、それを利用するのも方法です。
2×4とのことですが、2×4での問題の出やすい場所として、吹き抜け廻りの外壁面など見るポイントもあるかと思います。

基礎のひび割れは、お書きになっている程度であればそれほど心配する必要はないかと思います。

あと30年住むためには、水廻りの更新、屋根の葺き替えもしくは塗装などのメンテナンス、外壁の塗装等が必要になるかと思います。特に水廻りについては、建物が大丈夫でも設備は大分くたびれていると思いますので、今は使えても次々と壊れるものと思っておいてください。
 武田 直行 中古物件の購入は判断材料が乏しく誰しも悩むものです。

2×4工法の歴史は古く1906年のサンフランシスコ地震が原因の大火による大被害を踏まえて、産学協同で火災に強い木造建築として開発されました。結果的には地震にも強かった。

日本には大正13年(1924年)に芦屋川に近い深江海岸の深江文化村に2×4工法の洋館が13棟建てられました。阪神大震災のときには阪神高速道路の高架が倒壊した場所のわずか250メートル南の激震地でしたがガラスが割れた程度で瓦も落ちなかったといわれています。現在も3棟が残っているのでまだ見学されていないなら一度見に行かれてはいかがでしょうか。

きちんと施工されていれば耐震的にはあと30年ぐらいは問題なさそうです。阪神大震災を無事経過しているので、当初の施工には問題はなかったこと、地盤も悪くはないと判断できます。地震による劣化や経年による劣化がどの程度あるかは調査してみる必要があります。

ハウスメーカーの2×4工法はメーカー独自の計算方法に基いているのでハウスメーカーに依頼して耐震診断をしてもらうことも一案です。

自己判断となると先に述べた歴史的な事実をご自分でどう判断されるかにかかってくると思います。 
 コメンテーター 
長谷川 明弘 私、個人的意見になりますが、やはり少しぐらいお金がかかっても、中立的な第3者の立場である建築士に一度、診断してもらった方がよろしいのではないでしょうか?

もし、誰も頼める建築士がいないと言う事であれば、この、よろず相談にもメンバーはいますので、一度お考え下さい。

YUさんとって安心して家が購入できることを願ってます。
 事務局から 
  荻原 幸雄 2×4は一般的には耐震性は頗るよいです。

注意点は意外なところにあります。30年住むとなると、大幅なリフォームができない。多少できても、もともとのハウスメーカーに頼むことになる。(構造を熟知しているのと、新しい方法を挿入できる能力をもっている)

結論からすると、大幅な改造はできない。施工が特定されるので、費用も他社と比較検討ができない。などがありますので、あまり、お勧めはできません。

家は高い買い物なので、第三者の建築士に中古建物現地調査を依頼して見てください。
そして、リフォームできることと、できない部位を理解してから購入することとしてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  この度は私の相談にとてもご丁寧に返答をしていただきまして、どうもありがとうございました。

皆様方の貴重なアドバイスが、私に大きなエネルギーを与えていただいたようで、とても感謝いたしております。

その後、大変信頼のおける方の紹介を受け、丁寧に物件をみていただきました。
もちろん、営利目的などはなく、私の立場に立って判断していただき、その結果、良い物件であり、まだまだ十分住める との事でした。

もちろん、水廻り等のリフォームはしなくてはいけませんが、私にとっては、それも楽しみの一つになりました!

今回、あんなに、悶々と悩んでおりました私が、相談員の方々のお陰で非常に晴ればれとした気持ちになれた事に、とても感謝いたします。

ほんとうに、皆様方、ありがとうございました。
 その後  
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