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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.1280 隣のマンション工事で家が壊れるのが心配

 相談概要 [氏名] F・S
[相談建物予定地] 東京都杉並区
[職業] 主婦
[年齢] 51
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[何階建て] 2
 相談内容 現  象:

相手の意見:

相談内容 :
隣のマンション工事で家が壊れるのが心配です。

一種住専地域、昭和20年からの借地、築45年の木造一戸建てに住んでいます。
隣の150坪ほどの敷地に地主さんがマンションを建設します。軽量鉄骨2階建になるそうです。

すでに三階建て鉄筋コンクリートのマンションが2棟建っていますが、20年ほど前にそれが建った時の工事では振動が酷く、風呂の浴槽が下がり、浴槽と壁のタイルの間に7mmほどの隙間ができました。
ガラス戸も開きにくくなった場所や、柱とガラス戸の間に隙間が出来たところもあります。

当時 私は若く、そういう時にどうすればいいのかわからず、地主さんにクレームを出したりはしませんでした。

昨年5月、今回マンションを建てる予定の敷地にあった古屋の解体工事がありました。

業者が、壊した建物の土台のコンクリートやブロック塀を、先がぎざぎざに尖ったシャベルカーのシャベルで一週間以上にわたって、がんがん砕き壊していて、その振動が酷く、当方の外壁の亀裂が拡大したり瓦が落ちたりしました。

その旨、解体工事屋さんに申しましたところ、保険会社の方が見にこられ写真を撮って帰られましたが、工事前の証拠写真がないので、今回の工事との関連が証明できないと言われ、そのままになりました。

当方は築45年なので、屋根の一部が壊れブルーシートをかけてある所もあります。
が、景気も悪いですし、今、リフォームや立替はできません。

今回の工事は鉄筋コンクリートではなく、軽量鉄骨の二階建てなので、たいした振動も騒音もでないはずだと言う友達もあるのですが、やはり心配です。
万一、また 瓦が落ちたり、扉が開かなくなったりした場合に、建築業者や地主さんに修理してもらう事はできないでしょうか。

解体工事の時に、「工事前の証拠写真がない」と言われた事が頭に残っています。
どのようなことをしておけば、被害が出たときに役にたつのでしょうか。

お教えいただけましたらありがたいです。
 yorozuの感想 とても丁寧にご返答なさっておられ、頼もしい存在だと感じました。

自分の家を建てる前の相談でなくてもうしわけないのですが、他にこのような相談ができるところをみつけられず、是非頼らせていただきたいとおもいました。
どうぞよろしくお願い致します。
アドバイザー 
 武田 直行 隣にマンション工事が始まるということでご心配だと思います。

前回の古家の解体のときも被害をお受けになり、解体業者にお申し出になり、保険会社が調査にきたということですね。

ただ工事前の写真等がないことで被害が工事によるものかを判断できないことを理由に保険金が支払われずに逃げられたという教訓を今回は生かすことが大切です。

お隣の家主さんは当然このことはご存知だと思います。
今回は工事開始の前にご自宅の現兄の記録を残しておくことがポイントです。
それも工事業者(家主さん)立会いで現況の状態を確認し、記録写真を残しておくことが大切になります。立会いの際に工事の内容を確認し、工事が原因で被害を受けた場合の対応を確認しておくことです。立会いや記録がない場合は築45年を理由にうまく逃げ切られることも考えられます。

今回の工事期間中や工事後に工事によると思われる被害が出た場合にはそれらの資料を元に相手と交渉することになります。

一般人が専門業者相手に交渉するのはしんどいことですので、場合によっては建築士など専門家に入ってもらうこともお考えになってはいかがでしょうか。

業者との立会いのさいから、専門家に入ってもらえればなおいいと思います。
 畔上 廣司 お友達の「軽量鉄骨の二階建てなので心配ない」との話しに根拠はありません。

隣接地の建設工事では、特に基礎工事で発生する音や振動をはじめ、重機作業や工事関係車両の出入りなどの影響によるトラブルは絶えません。

F・Sさんお住まいの住宅は築45年間様々な自然現象に耐え、20年前及びさらに昨年の5月と、過去に工事の影響を受け、さらに昭和56年以前の新耐震法以前の建物である点も気になります。

先ずは、F・Sさんのご懸念されている内容をお隣の建築主或いは施工業者さんに丁寧にお話しされ、工事着手前に建物現況調査を実施して頂くことが一番でしょう。その調査結果記録や報告内容が工事完了時まで保存されることをお勧めします。

ゼネコンやハウスメーカー、地元の工務店さんなど、業者さんも安全・安心対策の現場管理に?がるわけで、随時対応してくれるはずです。

 建設地周辺の諸条件やマンションの全体規模・工事業者などの詳細が分からないため断言できませんが、もし、先方の対応が難しいときは、区の建築指導課や住宅課、確認検査機関やその他苦情相談窓口等に問い合わせてください。建築工事着手時の注意事項や義務についてなどの指導をしているはずです。

小規模の工事とはいえ、F・Sさんご心配の内容からして災難の及ぶ可能性大でしょう。
「転ばぬ先の杖」
マンション工事着手前のF・Sさん敷地内と建物とに関わる現況調査記録が必要です。
 コメンテーター 
今井 優子 解体工事の時のことは残念でした。
本来であれば近隣家屋の工事による損傷は建築主及び業者の責任ですので事前の調査も業者側がやっておくべきものだったと思います。

F・Sさんももっと強く出ても良かったのではとも思いますが、民民の話し合いなので、公のルールが存在するわけでも無く、過ぎてしまった事をいまさら蒸し返しても拗れるだけでしょう。

公共工事などでは近隣に古い家屋があった場合、家屋の現況調査は建築主側が行っています。その事も踏まえて、F・Sさんのご自宅の現況調査をマンションの建築主に申し入れましょう。もちろん、調査時の立会いや調査記録についての説明と確認はF・Sさん自身が行わなければなりません。

頑張って下さい。
 事務局から 
  荻原 幸雄 私はこのような建築主、施工会社に憤慨します。

建築主は少なくとも建築する上で、建物が合法でも近隣には配慮するように施工会社や解体業者に伝えるべきです。

建築主が配慮が足らない場合でも施工会社は見積時には近隣の調査費用を計上するなりして近隣の現況調査をすべきだと思います。

新築よりも解体に振動が大きく、近隣に影響を与えることが多いですが、一部の業者は一時の対応でごまかすような対応しかしない場合もあります。終わってみたら、前からあった亀裂であると主張し、後の祭りにすることはよくあります。

この場合は第三者の建築士にアドバイスをもらって、現況を確認してもらう方法もあります。少なくとも、ご自分でも日付入りの写真を撮影し、証拠収集することが大切です。

流れとしては
1)第三者の調査会社が入ることを要求する。勿論、建築主の負担。
2)それが無理ならば、第三者の建築士に現況をみてもらう。
3)それも無理ならばご自分でデジカメで多くの写真を撮影する。
撮影にはできればメジャーを映す。そして、できれば床のレベルを図りたいがこれは調査会社か建築士でないとできないので、この部分は目をつぶるしかないかもしれません。
写真は同じ場所で事後と事前を撮影すること、そして、比較できるようにまとめてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  
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