相談概要 | [氏名] S・T [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 東京都品川区 [職業] 会社員 [年齢] 40 [男性] on [構造] 木造(その他) [引渡し年月日] 西暦 2009年11月30日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 3 [延べ面積m2] 211.02 [工事請負金額] 62,400,000 [設計監理料] 0 [様態] アパート [施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 7 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10-20 [施工者名] N・H [販売会社名] H [設計者名] M・T |
相談内容 | 現 象: 今年に入ってから、集合住宅を建築中です。 先週、建築確認の完了検査を行いました。現在結果待ちです。 問題は、確認図面上の半分は事務所扱いであるということです。 当初から賃貸住宅のプランであったため、完了審査合格後、2次工事が入り、全ての部屋にユニットバスを入れることになりました。 その結果、完成図面が確認図面と異なった形となりました。 自分たちの認識は、知識不足からこのようなステップが違法であることを最終段階になってから気がつきました。 1億超えの投資をしているため、戻ることもできず、2次工事をお願いすることにしました。 今月末引き渡しの予定になっています。 相手の意見: 違法建築についての見解は、 不動産業者⇒納戸を部屋にして住むのと同じレベル、たいしたことはない。よくある話。 施工会社⇒利回りをとろうとして、このような設計にして、自分たちも被害者だ、あなたたちは知識不足なのだ、と顧客の我々に毎回苦情を言ってくる。 また、今後行われる固定資産評価については、あなた方はどうなっても知りませんよ、と脅し口調で言ってくる。 相談内容 @違法建築ということですが、入居が何人か決まっているので、戻れませんが、今後どのような対処をしたらよいのでしょうか? A固定資産税の評価の際に、調査員が確認する際、どの図面を提出すればいいのでしょうか?確認図面を提出した場合、中に入って調査すると場合、どう説明すればよいのでしょうか? |
yorozuの感想 | 悩みに悩んでこのサイトにたどり着きました。 多くの建築業者に騙され、何を信じればいいのかわからなくなっています。 多くの相談をアップされているのを見て、わらをもすがる気持ちで相談させていただいています。 |
アドバイザー | |
清水 煬二 | これは、設計施工なのでしょうか?どういう形態になっているのか良く分かりませんが。 まず、最初になぜ違反しなければなかったのでしょうか?そして、どの部分がどういう違反になってしまうのでしょうか? 納戸を部屋として使う違反は、都心での狭小地では、同じように窓を付けても隣地からの距離で有効な採光窓として認められない場合が有ります。その場合の違反と、集合住宅での今回のような違反では、内容によっては火災時などに問題になるケースがありますから、単純に同等扱いにはならないでしょう。 まず、施主であるSさんが、違反内容と本来どうあるべきであったかを良く知っておかなくてはいけません。それが、避難通路の幅や確保、消防設備に関することなどの場合、火災時にそのことで住民が被害にあったのであれば、責任を問われることになります。 設計施工であれば、工事業者は知っていたのでしょうし、指南した不動産屋さんに、ご質問の対応をどうすれば良いのかをお聞きになってはいかがでしょうか? 固定資産税の確認は、年内完成で表示登記をすれば、今の時期はすぐに来ると思います。そこでは、請負契約書と建築確認書の提示と内部の確認を求められます。建築基準法上の違反に関しての指摘はおそらくないと思いますが、固定資産に響する点は指摘を受けて、その税金に対する支払いを求められます。この点での問題は、工事業者が言っているような心配は何もないと思います。現状にあった支払いをすれば良いからです。 むしろ問題は、最初に申し上げたどういう違反をしていて、それらが住まい手にどのような不利益を与える可能性があるか、ではないでしょうか? オーナーであり貸主でもあるSさんが、知らなかったでは済まされない問題になる場合もあるのですから、正確に把握して必要な対策は可能な限りしておく方が良いかと思います。 ここまでは業者や不動産屋さんの言いなりで素人だからわからなかったで済んだかもしれませんが、現状ではすべてSさんの責任になるということを知っておいて下さい。 単に利回りの問題など、問題にならない違反であればそれはそれで安心できるでしょう。 確認申請を作成して設計したことになっている建築士に聞けば、建築上の問題は正確にわかると思います。 |
津村 泰夫 | 清水さんの回答でよいのではと思います。 木造3階建ての賃貸住宅ですね、実態がよくわからないのですが、1階などで採光の得られない住戸を事務所として申請したのではないでしょうか。納戸を部屋にするのとはレベルが違います。 建築主はSさんですから、何かあればすべて責任がかかってきます。 対応については設計者が一番よく知っていますので設計者に相談をおすすめします。特に防火上の問題など解決されることが大事でしょう。 それとそれらの部屋は事務所として貸された方がよいのではないでしょうか。 あと、木造の場合、界壁の遮音性能などが問題になることがありますので確認した方がよいでしょう。 |
コメンテーター | |
今井 優子 | 解説にあるとおり、違法建築にしなければならなかった理由が大事です。 決して違法を推奨することは出来ませんが、現実には法律を遵守していてはどうにも不条理で不合理で受け容れ難い場面に出くわすことは多々あります。それが軽微で、所有者以外の第三者や地域社会になんらの悪影響を及ぼすことが無く、建物の安全性(構造、防火、耐火)に関わることでなければ、ある程度は目を瞑ってくれているというだけのことです。 施工会社の言わんとしていることが今ひとつピンと来ませんが、「利回り」という言葉が気になります。もし、安全や環境に掛かるコストを削減しようとしているのならば、それは決してやってはならないことです。そうであるならば、津村解説員の言うとおり、事務所として貸すことを強く勧めます。 建物を所有し、賃貸事業をしようとしているのですから、素人であるとか知識不足であったなどという言い訳は通用しません。 事業主である以上社会的責任は発生します。 建築物は個人の持ち物ではあっても、同時に社会資産でもあることを認識して欲しいと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 建築よろず相談では「建築確認申請は建築主の名前で出すものです。」としつこいくらいに伝えているのですが、残念ながらいまだに浸透していないのは、この手の業者が多く存在し、社会的倫理感の欠如した設計者や施工会社、不動産業者が蔓延っているから、安心安全な建物でなく、不信不全な建物ができてしまいます。 再度、注意事項を記載します。 1)確認申請は建築主の名前で出すものです。・・・・・通常は専門知識が必要なので、建築士に委任して申請の代理をしてもらいます。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] してない。 というところから、白紙委任状を出したか?押印した記憶がありますか?なければ、委任状を勝手に作成したことになりますので、違法性が高くなります。 2)竣工後変更する場合はまた、用途変更の確認申請が必要です。事務所から住居にするからです。その場合は最初からするべきことなのに不都合があるから、後に変更しようということですが、違法性が高いということでしょう。 先ほど、ご説明したように用途変更申請も建築主の責務なので、届け出をしなければ建築主が違法建築にしたことの責任を負うことになります。もし、火災などの災害等で死亡事故等が発生した場合は建築主の違法性を問われることになる可能性もあります。 3)違法を承知した設計者・工事監理者・施工者・不動産業者は必ず、心ある建築は造れません。なぜならば、違法建築物は早く手を切って、知らん顔をしたいから、工事は正規な工事になろうはずがありません。工事監理は先ずはちゃんとされていません。結局は安普請の建築物になるという結果になるでしょう。(不具合がいろいろ出ると思います。メンテナンス費用やトラブルは必ず発生するでしょう) 結論: 素人で知らなかったの論理は法治国家には通じません。 建築物を建築するには各種法律がありますが、最低限建築確認申請は建築主の責任で行うもので、賃貸建築を建てるということは街並みや賃貸人の生命と財産を守る義務があなたにはあります。 それを自覚し行政に届け出て「知識不足であった」としてどうすべきか指導を仰いでください。 実際に実行しなくても、「違法を誘導しただけでも」建築士は処罰の対象に成りますので、違法建築の手助けをするすべはありませんので、今だから、間に合うこともありますので、建築指導課の指導を確認ください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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