相談概要 | [氏名] M.T [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 東京都東久留米市 [職業] 地方公務員 [年齢] 51 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦1994年8月29日 [公庫使用] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 89.02 [工事請負金額] 地代込み6443 [設計監理料] 0 [様態] 建売り住宅 [施工者]地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 1 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0 [施工者名] K建物 [販売会社名] K株式会社 [設計者名] K建設 [監理者名] K建設 |
相談内容 | 現 象: 2009年7月31日 2階屋根の軒の側面(モルタル 横27センチ 縦7センチ 厚さ2〜4センチ 内側に紙がついている)が崩落 南側庭に落下 約750グラムのかたまり そのほかにも外壁のいたるところにひび。 基礎部分にも亀裂。 屋内の壁天井ひび割れ、ふすまが開かなくなったり、玄関のドアが開きにくい、基礎が下がり土台との間にひび割れ等が見られます。 風呂のタイルもたてにひびわれ、風呂の排水が浴槽の下のコンクリートに直接放流しているようで住んでみて不具合がありました。 今まで我慢してすんでいましたが、外壁が二階の屋根付近から落ちてきて、もし庭にいるとき人の頭に当たったらと思うと恐ろしいので今回相談させていただきました。 相手の意見: 8月2日見に来て写真を撮っていった 今まで外壁の亀裂、風呂のタイルのひび割れ等で相談しても「古くなればしょうがない」で10年以内でも対応なしだったので、今回もどうなるか心配です。 相談内容 : 保障期間を過ぎているが モルタルの下にラス網も入っていないようなので手抜き工事ではないかと思うが無償修理を依頼できるか。 無償だとしても家を建てた業者に修理依頼をしてもよいか、他の業者を探して直してもらったほうが良いか。 外壁の他の場所にもひびがたくさんあるので、その部分が崩落してしまうのではと心配です。 建物の危険性の調査や修理など、どのような手順で、どのような手を打ったらよいのか教えていただきたい。 落下したかたまり |
yorozuの感想 | ふつうの人にとって家を買うことは人生で一番の買い物だと思います。 そして素人であるがゆえに建物の構造等わからないことが多く、勤めているので工事の様子を平日にたびたび見るのは無理です。 だからこそ建築会社は信頼の置ける仕事をしてほしいと思います。 でも残念なことにわが家は引き渡されたときから、乾燥機の穴が変なところについていて使えなくて再度外壁に穴を開けるなど、あまり良い仕事をしていると思えない不動産会社に当たりました。 このたびこの家に住むことに身の危険を感じこのホームページを見つけうれしく思いました。 |
アドバイザー | |
橋本 頼幸 | 外壁や基礎に亀裂が入り、外壁の一部が落下してきた、とのことですが、外壁や基礎に亀裂が入るには様々な要因があります。 外壁に水が回って浮いてきたり、外壁の下地への付着不足なども考えられますし、構造耐力が不足しており揺れなどの建物の挙動が蓄積された場合なども考えられます。単純にモルタルの乾燥による収縮亀裂かもしれません。亀裂の発生場所や形状、幅などである程度の推測は可能です。 MTさんからのメールでは、モルタルの下にラス網が入っていない、と書かれていますが、その部分の写真が無かったのでわかりませんが、ラスボードというラス網を使わずにモルタルを塗るための下地材もあります。 無償で新築時の業者に直してもらえるかは、亀裂の原因によります。 その亀裂の原因を特定するにはプロに調査を依頼することがもっとも手っ取り早いと考えます。 現存する他の亀裂が壁の崩落につながるのか、どうかについてもプロの診断が必要でしょう。もちろん、修理方法などについても同様です。 また、新築時の業者が無償で対応するとなったとしても、信用できないから他の業者に工事を依頼するというのは原則無理だと思ってください。 新築時の業者が工事をする業者の費用を負担するのは裁判や調停などで法的に話し合いを進めない限り難しく、業者がいやがります。 まとまる話もまとまらなくなる可能性が高いです。 そのような場合は、業者が補修工事をする際にMTさんに代わってきちんとチェックしてくれる専門家を依頼することが確実な工事をする近道です。 一方で、築15年という年数を考えると、外壁の塗り替えなどの補修が必要な時期でもあります。建物は経年劣化する部分も多くありますので、建物の適正な維持管理のためにも専門家による建物診断を受けて補修計画を立てる時期にきているとも考えられます。 新築時の不具合があるか無いかを確認するためにも、専門家による建物診断を検討されてもよいでしょう。 いずれにしても、MTさんが信頼でき、かつMTさんの目線で考えてくれる専門家を探すことから始める必要があります。 この建築よろず相談でもよいでしょうし、最近は様々な相談機関があります。 時間の経過とともに、不安感・不信感が募ると思います。なるべく早めに、まずはそういったところに相談されることをおすすめします。 |
コメンテーター | |
古賀 保彦 | 写真からでは全体の状況が良く分かりませんが、ひび割れが多いとの事ですから、解説にもありますように、ひび割れの原因をつきとめる事が先決のように思います。 耐力壁の強度や配置バランス、地盤の性状と基礎形式の組み合わせなどによって、揺れやすい建物なのかどうかや基礎の不同沈下の可能性などを検証する事ができます。 また、本体に支障が無い場合はひび割れが出やすい下地構成なのかもしれません。 ただ、原因が推定できたとしても、施工時点での建築関連法令や一般的な技術水準を満たしている、漏水や生活上の大きな支障はない、となれば瑕疵とまでは言い切れませんし、築年数から売買契約の保証期間も過ぎているのではないかと思われますので、無償で修理を依頼できるかどうかは相手方の対応によるところも大かと思います。 工事を他の会社で行って、その費用を負担させるというのでは、相手方の態度も硬化するでしょうからお勧めできません。 今回の事象のように、危険度の高い部分は何とか無償での対応をお願いし、その他の不具合は建物の経年劣化による維持管理の範疇で対処する、という方向も念頭に今後の方針をおたてになられた方が良いように思いますが、まずは原因が何かという事を第三者の専門家を交えてお調べになってください。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 不同沈下の可能性が高いと考えますが、この現象は初期の頃から始まりますので、初期の段階で、第三者の建築士に調査を依頼すべきでした。 しかし、今からでも、第三者の建築士に建物の瑕疵調査を依頼して、現象と原因を確認し、今後の対処方法を知ることから、次の補修工事につながる流れとなります。 補修工事の工事監理もしてもらうことも、よい方法です。 今からでも状況を把握することとしてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | お忙しい中、わが家のためにお力添えいただきありがとうございました。 橋本様の解説の中で外壁の下地にラスボードが使われると初めて知りました。我が家はモルタルの上からアルニコ磁石で試したところ、つく部分が多かったので、ラス網と思いましたが、2階部分手の届かない部分については試せんでしたので其の点については確認します。 コメンテーターの古賀様のご指摘の通り私どもも不同沈下の恐れを感じています。 其の根拠は、2階のふすまが開かなくなって取り替えたことが1回あり、また1階部分のふすまはゆがみが出て敷居の削りなおしを2回したのに、今上がついている状態で下が16ミリ開いているところと、下がついている状態で上が7ミリ開いているところがあります。 また雨漏りも1度ありました。 そして基礎と床の間にすきまができ指が入ってしまうところもあるので多分不同沈下だと思います。 これについては私どもも、もう少し学習をしたいと思います。 荻原様のおっしゃるとおりいずれにしても、きちんとした検査が必要と思われます。 つい数日前に施工業者から連絡があり、9月早々来てくれると言うので、其の対応を見たいと思います。 木造住宅でもローンは20年25年とあるのが普通だと思いますが、それ以前に安全に住めなくなる住宅は情けないと思います。 建築については素人なので、このような形で相談させていただけたこと感謝しております。 ありがとうございました。 |
その後 |
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