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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.1265 浴槽下の亀裂から水分がにじみ出ている

 相談概要 [氏名] U.T
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 福井県福井市
[職業] 自営業
[年齢] 37
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦 1998   年 11 月  日
[公庫使用] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 30
[工事請負金額] 2200
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 解らない。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 10
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 5
[施工者名] M
[販売会社名] M
[設計者名] M
 相談内容 現  象:
基礎に亀裂があり、気になっていたところ、浴槽下の亀裂から水分がにじみ出ており、化粧モルタルを削ったら水が溢れ出てきた。浴槽で水を、使ってないときでも一日中にじみ出ている。
他の所にも亀裂があり、同じように内部にまで亀裂があります。
浴槽隣りの、ベランダのサッシが何度も調整するが、また締りが悪くなり閉めても隙間が出来る。部屋の壁にも何箇所も亀裂があります。

相手の意見:
基礎の見解は、基礎が交わったりしてる所は、力が加わり割れる。
浴槽排水の詰まり。浴槽周りのタイルの、目地、コーキングの補修、配水管の高圧洗浄。水が止まったらエポキシ樹脂を入れる。

サッシは原因わからず。少しづつ家が傾いてきたのでは無いのか聞いたところ、10年経って地盤が下がる事は無いと言われた。

家の中の壁に何箇所も亀裂があるのですが、普通のことなのですか?
業者に言うと、うちもなってますよ、って軽く言われます。

相談内容 :
基礎に亀裂の原因と対処法。

前にもエポキシで補修したが割れてきた原因は?
浴槽の目地補修は終わったが、水は止まっていません。
サッシは対角が合って無いのですが、原因は何だと思われますか?
家の中の壁に何箇所も亀裂があるのですが、普通のことなのですか?
基礎の割れは、補修すれば、問題ないのですか?地震が心配です。

回答よろしくおねがいします。
 yorozuの感想 建築に関する知識の無い者には、すごく心強いみかたです。
これからも、建築弱者を助けるために、がんばって活動を続けて行ってください。
アドバイザー 
 山口 雅克 写真がありませんので文面から推察しますと、業者が言うような10年経って地盤が下がったのではなく、少しずつ下がってきて、建具などにその症状が出て、今回の浴槽廻りの亀裂などの現象が出てきたと思ってしまいます。

家の傾きで心配をされていますが、それより使い難さが現実におこっているのではないでしょうか。歩いていて何となく傾いているような気はしませんか。

以前、ある相談者の壁の変色の調査に伺ったところ、家が傾いているような気がしますと言われて、簡単な調査を行なったら傾いていることが数字にも現れたことがあります。

若干の費用はかかりますが、第三者の専門家(構造がわかる人)に診てもらうのがよいですね。
 津村 泰夫 山口解説員が述べられたように地盤沈下の疑いがあります。

基礎が交わった箇所で力が加わり割れるというような言い訳は通用しません。力がかかっても割れるような基礎を作ってはいけません。

浴槽がどのような構造かわかりませんが、水がしみ出てくるというのは異常ですね。給水からの漏水なのか、排水からか、他に外部からの湧水なのか原因を追及すべきです。

もし、地盤沈下であれば給水からの漏水も考えられます。すべての蛇口などを閉めて水道メターが動いていませんか?、わずかな漏水であれば専門家でないと判定はつきませんが。

家の中の壁にキレツが多いということは異常ですし、エポキシ樹脂で補修したところがまた開いてくる、エポキシ樹脂は固まっているがその横で開いてくると思いますが、これも沈下が進行しているか、建物が揺れを受けて開いたのではないかと判断します。ですから揺れを受けやすい構造なのかも知れません。

基礎の割れの補修は、地盤がどのような状態で、基礎がどのように建物の重みを地盤に伝えているか見てみないと、見かけの補修で良いとは言えません。

サッシの変形の原因も地盤沈下が怪しいと思います。簡単な測定で沈下や傾斜はわかりますので、専門家に見ていただくことをおすすめします。
大内 彰   他の解説員が指摘しているように、地盤沈下が進んである限界点を超えたために問題が表面化したのだと思われます。2階の壁のひび割れは梁が撓んだために生じた可能性もあります。
どちらの場合も壁にひび割れが多く発生しているというのは地震時に期待している力の何割かを既に使っているということにもなります。

このままの状態で仕上げをやり直してきれいになったとしても耐力の余裕は減ってしまっています。
これを是正するためには基礎のレベルを正規の状態に戻したり、合板を使った耐力壁であれば釘の頭が見えなくなっていたりしないかなどの確認・補強する必要があります。

これは大掛かりな工事になってしまうかもしれませんから業者とお一人で交渉するのは難しいでしょうから木造の構造に詳しい方に相談されることをお薦めします。
 武田 直行 資料が乏しいので具体的な判断は差し控えます。

造成地では地盤が固まるのは数年後です。丘陵地の斜面を造成した地盤では高台から水と土が流れ年月をかけて盛土部分がさらに軟弱化する場合も考えられます。

基礎の亀裂も0.3ミリ以上開いていればコンクリートの乾燥収縮による「ヘアークラック」ではなく、たとえば沈下が原因となっている構造クラックの可能性があります。

業者の補修工事で隠れてしまう前に現状の記録たとえば写真などで残しておく必要があります。
修復工事でどこまで直ったかのチェックにも役立ちます。
数ヶ月ごとに記録をつけていれば症状が進行しているのかあるいは終息に向かっているのかの判断材料にもなります。

たとえば不同沈下が原因で基礎を持ち上げる工事などもいろいろなやり方がありますが数百万円の費用を要するものも多いので業者の対応も消極的になるのは当然です。

具体的な資料を残しておくことと、建築士などの専門家に調査してもらうこと、補修に関しての覚書を業者と交わすことなどが大切です。 
 コメンテーター 
笠原 歩 敷地が造成地など脆弱な場所であれば、十年余りかけて建物が徐々に不同沈下をおこし、基礎のヒビやサッシの締まりが悪くなるなどが発現したもの。敷地が良好な場合なら、基礎の設計あるいは施工に問題があったものと思われます。

どちらにしても、文面だけでは判断がつきかねます。
また、ヒビや漏水を補修したりサッシを調整するという、対症療法的な工事を繰り返しても根本的な解決にはなりません。

各解説員の回答にあるように、第三者の建築士に一度現場を調査してもらい、その見解を元に業者と交渉したほうがよいでしょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 相談内容からすると建物の変形が考えられますが、その原因は写真がないので、推測は難しいところです。

変形には地盤変形に伴うもの、建物そのものの施工不良。などが考えられます。

施工会社の説明は逃げているような発言ですが、第三者の建築士の調査を依頼し、客観的事実をもって、対処してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  
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