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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.1261 共有部分、解体に伴う念書は必要か?

 相談概要 [氏名]I.S
[相談建物予定地] 京都市右京区
[職業] 会社員
[年齢] 50
[男性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦    2009年  12月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積坪] 30
[工事請負金額] 2000
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 建設会社
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 10
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 30
[施工者名] H
 相談内容 現  象:

相手の意見:

相談内容 :
建物の一部が共用になっている物件を購入し切り離しの確認を隣家にしに行ったところ、解体新築工事終了後最低一年の家屋の補修についての保障を文書で欲しいとのことでした。

通常建築主においてそのような念書のような物を書くものなのでしょうか?
築数十年はたっていると思われ解体業者では目に見える部分になにかあった場合は修理するとのことですが念書までは描けないとのことでした。
当然のことながら切り離し後の壁面の補修は考えております。
 yorozuの感想 どうしても詳しいところまで知りたくなりますが色々参考になります。
アドバイザー 
 武田 直行 これから工事が始まり工事中の騒音、振動、ほこりなどご近所に少なからず迷惑をかけることになります。また竣工してからもご近所の付き合いは大切にしていかねばなりません。

今回建物の一部を解体して新築なされるようですのでいままでつながっていた構造体も一部切断したりすることになるので構造的にも未知数な部分がどうしても残ります。
建設会社の方もプロとしてその辺のことも加味して請け負っていると思います。

お隣さんの立場に立って考えてみられるといかがでしょうか。解体工事に限らず建築工事によって自分の家が傾いたり、鴨居が上下して建具が動かなくなったりしないか等当然不安に思われているはずです。

解体業者は内装の補修等は不得手なところが多いので建設会社も入れて瑕疵があれば補修する前向きな姿勢(連名で念書を作成して渡す)で対応することはできないでしょうか。

補修期間も竣工後1年と限られておられるので悪意のある隣人とは考えにくいです。
 津村 泰夫 通常、切り取り家屋に対する補償ですが、切り取り前に事前調査を行い、切り取り後に中間確認、建物建設完了時に事後確認をおこない、変状が出ておれば補修を行います。

築後1年までの補償を覚え書き又は念書というような形で交わす例はあまりないと思います。しかし、切り取り外壁面の工事などは新築工事に準ずるため1年の瑕疵担保としても良いと思いますし、その他でも「切り取り工事が原因」と判断される変状であれば補修しなければなりませんので、「切り取り工事が原因と判断される場合は」という一言を入れ、念書を交わされて良いと考えます。

経年劣化か工事によることが原因かは判断が難しいですが、このような鑑定は何度もやってきましたので、もしトラブルが発生した時点でご相談いただければ何らかの解決は出来るものと考えます。
 コメンテーター 
笠原 歩 念書というと、どうしてもかたく考えてしまい二の足を踏むというのはよく分かります。
築年数が経っていることから補修の範囲や費用が明確にならないという不安もあるでしょう。
相談者と、隣人の方双方が納得できる範囲で「あらかじめ文書を取り交しておく」という感覚で望んではいかがでしょう。工事をするのは相談者側ですから、誠意を持って事に当たるという気持ちは大事です。
もちろん、隣人の無茶な要求を受け入れる必要はまったくありません。
何かトラブルが起こってから交渉するよりは、事前に話合いの機会があった方が、先々対応しやすいと思います。

取り交す文書の内容については、両解説委員の解説を参考にして下さい。
 事務局から 
  荻原 幸雄 例えばようかんを包丁で切って、切り口だけ整えれば問題はないはずなので、保証の必要はないのではないか?ということだと思いますが、これはその通りでようかんの中身が均質であることが分かるから可能なのですが、建築の場合は少し違います。

構造的に地震や台風の水平力に対して、筋交いがバランスよく配置されています。
今回のは共有部分が構造的につながっているか?いないか?によって、違います。つながっている場合は残った建物もそれ自体で構造的な完結が必要であり、それをなさなければ、隣家が地震で倒壊する可能性があります。構造的に別になっているのであれば、壊した部位の補修、保証が必要になります。

この場合は建築士に建物を調査させて、分離した場合の既存の構造的な問題まで調査させて、その補強方法も提示してもらってください。その上で、その費用と負担、保証の問題を話し合うことが手順です。

本来はこれを受ける建築士が介在しなければいけない状況であることに注意ください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  ご意見や弁護士さんのお話も参考にしお隣様へお話しに行き文書を作成して渡しました。
当方と致しましても、お隣と揉めるつもりなどありませんがどこまで保証したらよいのかもわかりません。仲介にあたった大手不動産会社も単なる切り離しでまったく問題無いとの事なので契約をしたのですが契約が済んでしまえば立ち入った話までは助けてはくれませんでした。

これから永く暮らしていくところで最初から気の重い事になってしまいましたが解体も始り、工事が無事に進むことを今は祈るだけです。

相談に行った先々で皆さん心配して下さいまして本当に有難かったです。結局は自分たちで解決していかなければならないのですが相談に答えて頂ける皆様がおられるだけでも大変ありがたかったです。どうも有り難うございました。
 その後  
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