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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.1257 契約のときに「これ以上かかることはない」という話でしたが

 相談概要 [氏名] M.H
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 北海道苫小牧市
[職業] パート
[年齢] 32
[女性] on
[構造] わからない
[引渡し年月日] 西暦2009年4月14日
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 126
[工事請負金額] 2079
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10〜15
[施工者名] KH
[販売会社名] YT
[設計者名] S
 相談内容 現  象:
年明けからの着工で4月末の完工の予定が3月末でほぼ完工となっています。
引越しの日にちも決まり3月27日に仮清算書が出たのですが、、、予算オーバーをしています。

契約のときに「これ以上かかることはない」という話でしたが(話のみで書類などはありません)追加工事などもあり(その点は了承済みです)10万円ほど足りない、不足分を支払ってくださいということです。

話が少し、ややこしいのですが何度目かの打ち合わせで担当者のTさんが「頭金として払っていただいた100万円をお戻しするのとローンの額を100万円分減らすのとどちらがいいですか?」と聞いてきました。
戻るのならそっちがいいと主人が答えたのですが、その100万円を「杭工事」「銀行の補償料」にあてて残った分で、カーテン、物置、カップボードなど、、、
買う予定でいたのですが、それが戻らないどころかオーバーが10万円あると、3月末に言われました。

納得が出来ないので説明をしてもらったところ、担当のTさんは「僕の説明不足というか説明の仕方が悪くて誤解を与えました」と認めたのですが、、、
「戻る」とか言ったのが悪かった。ということらしいのです。そもそもそれは「戻る」お金ではなかったようで、、担当のTさんも、うちの主人も、、(私もですが)両方の思い込み?というのでしょうか。

担当者側は「100万円は頭金」こちら側は「杭工事代などを引いた30万ほどは戻ってくる」とずっと思っていたため今まで気がつかなかったようです。
なぜ、「戻る」という説明をしたのかはよく分からないのですが。
頭金というか、「あなたの会社にお願いしますよ」という意味合いでの100万円をまずは頂たいということで振り込んだものだったので、こちらとしては杭工事などをやった残りでカーテンなど、、と考えていたため今になって「不足分」があること「戻らない」ことに納得できないでいます。

説明がまずかった。と認めたのに「仮清算書」は変わることはないようで「すいませんでした」で済むことなのだろうかと困惑しています。
お金に余裕があるのなら不足分も払いますし戻らないものは仕方がないとカーテンなど買えるのですが、、、
その余裕がないため困っています。

契約書に書いてある金額以上は払うことがないです。という言葉があったのにそのことを言っても「最初の打ち合わせで予算が3000万とおっしゃったので、、、」とまるで帳尻合わせをしたようなことを言ってみたり納得が出来ません。
銀行からの融資額は3000万ではありません。
今の段階では不足分が10万ほどですがそれを払うと当初予定にはなかったため予算として取っていないカーテン、物置など買うことが出来ないということになります。
最後の最後でこんなトラブルになって、引越しまで日にちもないため困っています。
建築紛争審査会に入ってもらうなど、したほうがいいのでしょうか。
よろしくお願いします。

相手の意見:
話し合いは1度しました。

僕の説明がまずかった。と認めたのですが、、上司の方にも相談するということで帰りました。

家のローンにプラスして、他ローンに,とプラン案などをファックスにて送ってきました。

相談内容 :
言われたとおり、支払うしかないのかということです。
「すいませんでした」で納得するしかないのでしょうか。
 yorozuの感想 相談できる場があってよかったです。泣き寝入りなのかと思っていました。
アドバイザー 
 清水 煬二 頂いたお話だけでは、よくわかりませんので、整理してみます。

二者択一で100万円を戻してもらわなかったのであれば、当然ローンも100万円減額にならなかったのですね。また、10万円オーバーとのことですが、認めていらっしゃる実際の追加金額はいくらになったのでしょうか。

これ以上掛からないということでスタートしても、変更を行って追加を認めているようですから、追加は当然発生します。これは了解されているのですね。

不信に思われているのは、追加が掛からないと言われたことではなく、100万円が戻ってくると言われていたことで良いのでしょうか。

もし、杭工事と追加工事の合計が110万円になっていたなら、今回の計算は合うということで良いのでしょうか?

民法の専門家ではなく、建築士の立場ですから、あくまで個人的なコメントですが、契約書や追加工事金に矛盾がなければ、勘違いは、ご自身の過失もあります。詐欺まがいや意図的なもの、その勘違いがなければ契約はしなかったという明らかな前提があれば、相手にすべての責任を負わせることも可能でしょうが、それ以外では話し合いでお互いに譲歩しなければ解決できないでしょう。

100万円を戻していても、支払い総額は結局同じになっていたと推定します。
お話からは、この部分で担当者の説明不足による勘違いが生じたのでしょう。
当事者同士の話し合いをいくら行っても合意せず、どうしても納得できない場合ですが、建築紛争審査会は、主に業者間の支払いの問題を扱いますので、調停などを利用して間に入ってもらった方が良いでしょう。
 今井 優子 ご相談の文章からは、今ひとつ状況が理解しがたいのですが。
まず、「契約のとき」とありますが、「注文建築」ですので、工事請負契約になっていると思います。
工事請負金額については、打ち合わせを重ね、図面、仕様書等を作成しそれに基づいて、算出されたもののはずです。

「これ以上かかることはない」と言ったとしても、その図面もしくは仕様書に無い工事については、必ず追加工事として費用は発生します。
杭工事もそのうちの一つだったのであろうと思います。杭工事とその他の追加工事の金額をあわせて100万円が足りるのか、足りないのか。明細を出してもらい、事実に即した合理的な説明を受けて話し合うべきだと思います。

「言った、言わない。」「言い方が誤解を与えた」ということは、よほど悪質でない限り、支払うべきものを支払わない理由にはなりません。

「頭金」「手付金」「申込金」・・・言い方は色々あり慣習として行われていますが、本来、建築主と施工者の工事請負契約において発生する支払いの目的とは成り得ないので、工事請負代金が確定した時点で、100万円を請負代金に充当するか、一旦、現金を返還して(プールして)発生するであろう追加工事代金に当てるか・・・。そのような方法をとったのだろうと思います。

いずれにしても、工事請負代金+追加工事代金以外の支払いは発生しないはずですので、その点を明快にして、納得いく説明を受けてください。ただし、住宅ローンや火災保険の手続き、登記などもやってもらっているならば、それらの諸費用も支払いが発生すると思われます。
 コメンテーター 
畔上 廣司 一般的に、注文建築の工事請負契約では今井委員の解説の様に進められますが、本件の契約がどのような内容であったかが問題と考えられます。
説明がまずかったと担当者が認めたことと、当初予算の3000万円という数字の意味も気になるのですが、M.Hさんと折衝している担当者は販売・施工どちらの会社の方でしょうか。相談データからの推察ですが、監理者は不在ですし、契約先が販売会社なのか施工会社なのかはっきりしません。工事費の見積取極め時点で何か困難があったようにも感じますが、主張のし合いでは先に進みません。

清水委員の解説にもありますように、話し合いでお互いに譲歩しなければ解決できない問題かもしれません。
 事務局から 
  荻原 幸雄 要するに契約書と図面、見積明細書がどのようになっているかです。
口頭でも契約は成立するのですが、いつたいわないで紛争になるので、避けるべきですが、今回はその基本が両者ともにできていなかったところですが、本来は販売会社が経験者として、ちゃんとした説明をすべきですが、新入りの営業マンなのか?説明があいまいでした。

100万円をローンに上乗せするか?しないか?の話だったことが、別途追加工事を勝手に処理して最終が10万円足らないということだろうと思います。

そもそも、杭工事も含めてローンを組めるので、別途にしている理由を聞きましょう。ローンの組みなおしを費用が掛かるので、現実的ではありませんし、紛争審査会では時間がかかりますがすぐにと考えると(月に1度程度の審査)結論までには3から6ヶ月かかります。

書類が明確ならば解決も早いのですが、営業マンの言った言わないでは解決には時間がかかりますが、口頭よりも文章で質問し、文章で回答をいただきましょう。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  お礼状が遅くなり大変申し訳ないです。体調が悪く寝込んでいました。

その後ですが、上司の方と担当者2名で家に来たのですが結果は同じことになりました。 契約書で見る限り、工事の進め方、費用等、不正や間違いはないのでこの額を払っていただく。というものです。

新入りの人なのか?と言われれば、まだ2,3年の経験しかない、若い方だと思います。

説明不足、説明の仕方が誤解を与えた申し訳ない。上司と来ても同じようなことを言うばかりでした。「言った、言わない」「聞いた、聞いてない」と話が進まないし、引越しは迫ってるし。

契約上、おかしなところはない。といわれればこちらも返す言葉がないので・・・
仕方ない、納得はしないが!という形でローンにローンを重ねることで話はつきました。

ガッカリ、、、という感想しかないまま引越しも済ませ入居しました。
相談できたことはよかったと思っています。もう少し時間があれば、、と思うところはありますが「仕方ない」と思うことにしています。夢のマイホーム、、ではない、最後の最後にケチがついた形で残念です。ホームメーカーの担当者はかなり落ち込んで帰って行ったのでこれからの営業に生かしてもらえるといいのですが。

ありがとうございました。遅くなり大変申し訳ないです。
 その後  
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