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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.1254 気密シートの必要性についてお伺いいたします。

 相談概要 [氏名] T.Y.
[相談建物予定地] 大阪府豊中市
[職業] 医師
[年齢] 57
[男性] on
[構造] 鉄骨造(ラーメン構造)
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 270
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 18
[施工者名] T建設
 相談内容 現  象:
お世話になります。
大阪府の郊外、住宅地で、自宅建替え予定の者です。以前より、リフォーム等依頼している建設会社に、設計、施工を依頼して、確認申請を出す前の段階です。

一戸建てで、鉄骨ラーメン構造で、2階建てで、外断熱でお願いしています。
高気密、高断熱の家を建てたいと思っていますが、設計者は鉄骨造りの経験は豊富ですが、高気密住宅の経験は少ないようです。
断熱材は高性能フェノールフォーム保温板を使用予定です。

相手の意見:

相談内容 :
さて、質問ですが、気密シートの必要性についてお伺いいたします。
外壁は、サイディングで、その内側に通気層を設け、断熱材の外側に透湿防水シートを張り、断熱材を施行する予定です。

出来るだけ高気密にして欲しいので、断熱材の室内側、躯体の外側に気密シートを張って欲しいと思っていますが、設計者はあまり乗り気でないようです。
断熱材と断熱材の間には気密テープ処理するようですが、テープだけでは、気密の程度と長年の経年変化が心配です。

断熱材メーカーは外側に張る透湿防水シートだけで気密性保たれると言っているそうですが、気密シートは不要なのでしょうか?

全館空調システムを導入予定です。気密試験もお願いしていますが、会社には資格者は、いないようです。

それと、もうひとつ、基礎断熱ですが、このメーカーのものは、コンクリート基礎の内側に断熱材を張るようですが、基礎断熱だけフェノール系以外の断熱材、ポリスチレンやウレタンフォームをコンクリート基礎の外側に張るのは、メリットがあるでしょうか?

よろしくご教授お願い申し上げます。
 yorozuの感想 大変参考にしていただいています。
アドバイザー 
 清水 煬二 気密シートは、躯体の外側に張るのではなく躯体の内側に床と天井に少し被せるようにして工事をするのが一般的です。

気密試験は、内部の空気圧力に対しての測定だからということもありますし、この方が壁の内部結露にも効果的だというメリットもあります。

断熱材の外側に、透湿防水シートを張るだけ、または、躯体の外側だけに気密シートでは、気密にこだわって測定をするのであれば、良い数値には、なりにくいでしょう。

単純に数値を上げることだけ本当に良いかどうかは様々な意見が出ているようです。

基礎断熱についての質問の意味がよくわかりませんが、基礎の外側に張る方が、本来の外断熱の意義としてはメリットがありますが、基礎の内側に張る方が、完成後の経年トラブルが少ないというメリットがあります。

フェノール系以外の断熱材を使うのは価格が安いからです。外壁にフェノール系使っているのは、断熱性能の良いフェノール系を使用して、できるだけ厚みを薄くして外壁がズレ落ちにくいようにするためです。
 コメンテーター 
大内 彰 高気密、高断熱住宅など気密シートを張る場合に生じる危険性を理解し、かつ確実に気密性を確保できる技術とノウハウがある場合には有効なことだと思いますが、それらが揃っていない場合には事故が起きる確立が高く容易には補修できないだろうと思っています。その設計者もそうなのではないでしょうか。

また、基礎での断熱についてですが上部構造では外断熱で基礎だけ内断熱にするというのはその切り替えのところでヒートブリッジを作り易い状況になるのではないかと思います。木材は断熱材に比べると断熱性が劣るのでその部分がヒートブリッジになりやすのではないかと思います。ただ、基礎で内断熱にする方が室内側での総熱容量が小さくなるので気温を調整しやすいだろうと思います。

土台部分での熱抵抗の小ささによる危険もありますが、基礎は内断熱の方が良いのではないかと思っています。(以上、専門外に関する個人的な意見ですのでご注意願います)
 事務局から 
  荻原 幸雄 高気密、高断熱の家を設計する場合はそれなりの知識がいりますが、設計施工で経験が少ない場合は要注意です。

また、気密だけを気にしていますが、それだけでは大変なことになります。
日射の制御も大切な設計要素です。多分、そんな話もでていないでしょうね。

過去に多くの高気密、高断熱の家を推奨していた設計者の中でも、この視点が無知の為に、夏暑い家が完成してしまったなんてもことも実際にあります。
その弁解が「窓を開けないから行けないのよ」という説明だったようです。
高性能を求めるには設計者能力も高性能でなければなりません。

ご注意ください。

ご質問の壁の構成の詳細がわかりませんので、詳細説明は難しいところですが、清水、大内解説員の説明とおりかと思います。

鉄骨との外壁取り合いや壁の位置などなど、入念な設計が必要です。

もう一度いいます。

「高性能を求めるには設計者能力も高性能でなければなりません。」でないと高性能の家は実現できないと思われます。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  早速のお返事ありがとうございました。
住み心地の良い一年中春のような家にしたいと思っていますが、どうなりますか?
解説委員の先生方のご意見を参考にさせていただき、検討したいと思います。
今後とも、よろしくお願い申し上げます。
 その後  
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