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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.1241 天井部の直貼りコンクリートにクロスに亀裂

 相談概要 [氏名] YT
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 埼玉県戸田市
[職業] 公務員
[年齢] 34
[男性] on
[構造] 鉄骨鉄筋コンクリート造
[引渡し年月日] 西暦    年  月  日
[公庫使用] on
[何階建て] 10
[延べ面積m2] 84
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 3800
[設計監理料] 0
[様態] 分譲マンション
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 2
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
 相談内容 現  象:
[現象]
現在、平成12年築、分譲マンション10階建、南西7階角部屋(4LDK)に住んでおります。
共用廊下側の2部屋に、天井ひび割れを発見。もしやと思い他の部屋も確認したところ、リビングにも確認しました。一番ひどいのが共用廊下側の1部屋(寝室)で共用廊下側窓から斜めに、西側窓へ2本(真ん中にある照明の60cm横を通り)約250cm、。天井部はコンクリートにクロス直貼りしており、まだクロスは破れていませんが白いクロスの為、ひび部分が透けて見えている状態。(クロスごしから見てですが、ヒビの幅、広いところで約4mm黒いすじが見えます。一応針を刺してみましたが。少し刺さる感じでした。)他の2部屋も同じ状態です。

相手の意見:
9月に、管理会社へ連絡し、委託内装業者がすぐ来ましたが、「これはやったことが無いので管理会社へ問い合わせる」との返答。
その後約1ケ月近く、何の連絡もないため、委託内装業者へ問い合わせ「すでに管理会社へ返しているので解りません」とのことで、管理会社へ連絡11月にようやく管理会社が来室、「角住戸によくみられる、構造上問題はない、費用についてはコンクリート部分は共用、クロスは専有なので管理組合と相談しないと、はっきりした見解は出来ない」との返答
現在、最初に来た委託内装業者の見積もり(約19万円)が送られてきて、管理会社がマンション管理組合に費用の分担について相談中だが、先日管理会社より「コンクリート補修費用15000円をマンション管理組合に負担していただく方向でどうでしょうか」と連絡がありました。

相談内容 :
天井クラックは、構造上問題ない(コンクリートの水分量によりクラックが起きるだけ)ということで全く施工側は関係なく、補修費用はこちらで支払わなくてはならないのでしょうか?
調べるとヘアクラックについては、問題なく、幅が広くなる構造クラックは天井であっても問題あり、または瑕疵に入る等、基準がよくわかりません。また、同マンション他の部屋でも同様のことが無いのか気になります。(管理会社では報告は受けていないとのこと)マンション管理組合に調査願いしたほうが良いのか?以上不明な点を教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 yorozuの感想 無料でこのような相談室があるのは非常にこころ強いです。今後も是非続けていただきたいと思います。
アドバイザー 
大内 彰  解説員の大内です。

一般にコンクリートは固まった後も余剰水を放出して収縮します。その期間は環境によって影響されますが、およそ5〜6年はかかると言われています。
そのクラックが乾燥収縮によるものだとすると、築8年であれば数年前から既にクラックが発生していたのではないかと思われます。クラックの発生状況が全体に対してどのようになっているのか分りませんが、建物の角であること、部屋の端の方にもクラックが生じているということから乾燥収縮によるクラックである可能性が高いです。乾燥収縮クラックであれば慌てることは無いと思われますが、クラックの幅が4mmというのは結構大きいので気になります。
直ぐに補修するのではなくきちんと調査してから対策を練ることをお薦めします。
古賀 保彦  解説員の古賀です。

大内さんの解説のように、収縮クラックの可能性が高いと思いますが、躯体(コンクリート)は共有部分ですから、所有者の皆さんの関心事項として、つまりは管理組合の問題として捉えていかれた方が良いと思います。
補修費用の負担以前の話しとして、構造的に問題はないのか、どのような補修方法を採用するべきかなど、管理組合が売主・施工会社と話し合いを行うのが筋かと思います。管理会社は、本来は管理組合でなすべきの管理業務の一部を代行する機関であって、諸問題について判断を下す主体ではありませんから、任せておくわけにもいきません。

暫くは部屋の見栄えが悪くなるでしょうけど、クロスを剥がして躯体のひび割れを現し、管理組合の理事会の方にも見ていただく事から仕切し直しされてはいかがでしょうか?カッターと脚立(それに変わるもの)があればご自分でもできると思いますが、怪我をしないようにご注意下さいね。或いは、内装会社に依頼して、とりあえずはクロスを剥がすところ迄で一時中断してもらうという方法もあります。そこまでの費用は、一旦は自己負担しておいても、前述の話し合いの結果次第で負担先が変わるかもしれません。また、収縮クラックであれば、他の角住戸でも同様に生じている可能性も高いので、そこの方にも見ていただいて、共通の問題として理事会に取り上げてもらうように働きかけるという進め方も考えられます。

結果的には構造的な問題ではなかった、という事になったとしても、共有部分の問題の解決について、管理組合として取り組むケーススタディができる訳ですから、決して無駄な事ではないと思います。うまく解決に向けて進められるといいですね。
 コメンテーター 
堀住 勝雄 コメンテーターの堀住です。
 管理会社のクロスごしの目視調査だけで、構造上問題無い、と結論づけるのは早計です。実際に4mmのクラックとしたら、尋常な数値ではありません。時間をおいて天井のレベルとクラックの進行状態を調べて専門家の判断を仰ぎましょう。YTさんのところだけ、ということもあり得ますが、おそらく気が付かないか、気づいても放置しているお宅があるのではないかと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄 マンション瑕疵で不動産業界全体のシステムとして、管理会社が販売会社のデベロッパーの子会社が多く、この場合の管理組合はデベと一体のようなもので、客観的な判断は伏せがちで、管理組合の対応問題でも個別に終始させようとします。この場合は必ず、管理組合を通して、管理会社と対応する必要があります。

収縮クラックの可能性が大きいですが、4mmは大きいと感じますが、施工上の穴を埋めているところならば、そのようなクラックも起こりますが、この場合は構造的に問題はありません。もともと、施工上の床開口でも開口補強筋は入れているからです。

しかし、全体の問題か?部分的な問題か?は先ずは管理組合で住民にアンケ−トで確認する必要があります。そのデーターのもとに、その後の判断となります。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  
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