相談概要 | [氏名] I.S [相談建物予定地] 長野県上田市 [職業] 医師 [年齢] 55 [男性] on [構造] − [引渡し年月日] 西暦 年 月 日 [何階建て] 平屋 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 23ぐらい [工事請負金額] 1500 [設計監理料] [様態] 注文建築 [施工者] 大工(工務店) |
相談内容 | 相談内容 定年後に夫婦でくらす平屋、2LDK、23坪ほどの家をいかにローコストで作れるかにつき以前ご相談させていただいたところ、丁寧なお返事をいただき大変参考になりました。 ありがとうございました。 その後、素人ながら工法など研究し、やはり高断熱高気密が寒い信州では必須かと思うようになりました。 そこで、今回の質問ですが、 @高断熱高気密住宅の場合、トイレなどの音が響きやすいのはしかたがないのでしょうか? A平屋でロフトをつくると更に音は響きやすくなるのでしょうか。 B暖房効率を考えると、やはりロフトは不利でしょうか? (暖房機器は蓄熱暖房またはパネル暖房を考えています) 以上の3点をご教示のほでよろしくお願いいたします。 |
yorozuの感想 | 回答者のかたがたの、建築にたいする真摯な考え方が伝わってきます。 |
アドバイザー | |
武田 直行 | 解説委員の武田です。 高気密高断熱住宅はきちんと施工されていれば外部からの音は入りにくいので当然室内は静かになります。 在来工法の気密のない家と比較すると同じ室内の発生音でも大きく感じることはお分かりですね。 高気密高断熱の家でも窓を開ける等すれば閉め切った状態に比べて室内の発生音は小さくなった感じがするでしょう。 音の感じ方は個人差があるので高気密高断熱のモデルハウスで体験されてみてはいかがでしょうか。 騒音対策は遮音と吸音しかありません。今回発生源のグレードは自分で選択できるので便器は静音型を選ぶに越したことはありません。 その上でトイレの騒音対策を考えてみましょう。 トイレは通常第三種換気といって臭いが外部に漏れないようにトイレ内を負圧にします。 そのためトイレ外からの給気が必要になりどうしてもドア下などに隙間を設けることで音が漏れ、騒音対策には不利になります。 音は距離の2乗に反比例してエネルギーを減少させるので発生源からの距離をとることは有効な手段です。 また音は壁等に当るたびに吸音されるのでエネルギーは減少しますが壁が吸音率の低い材料だと反射される割合が高くなります。 寝室や居間など騒音を嫌う空間とトイレの間にまず距離をとることや遮音したり、吸音したりするものを置いてやればよいのです。 具体的には押入れや物入れ、クロゼットなどをかましてやれば効果が期待できます。 またその壁仕様も防音効果のあるものにするとよいでしょう。 ロフトを設けることは吸音面積の増加にはなりますのでないよりは効果があがるでしょう。 しかしその位置により逆に反射音が増して大きくなるところも出るかもしれません。 まず発生源近くでできるだけ防音することが大切です。 暖房としては、 FFストーブは安いこと、蓄熱ストーブは安全であること、 パネルヒーターは個別対応や窓辺対策ができて安定しているのが特徴ですが、今回平屋で吹き抜けがないので暖気が家全体にまわらないのでFF暖房の選択はないでしょう。 基本はパネル暖房で各室に1枚ずつ設置し、窓の冷気対策(窓の冷気を暖気流で押し上げ、暖房器からの輻射熱が窓の冷輻射をカバーして寒さを感じさせない)を行う。 ロフトの部分は単独のパネル暖房とするのがよいでしょう。 オール電化をめざして深夜電力を利用する場合は、蓄熱ストーブ及び蓄熱床暖房の選択となるでしょう。 深夜電力温水器を利用して温水パネルヒーターも可能です。 蓄熱ストーブの容量には注意しましょう。 容量オーバーで窓を開けることになり、暖房効率を落すことになる場合もあります。 いずれの場合でもロフトを設けたからといって暖房効率に大きな影響はないでしょう。 |
今井 優子 | 今井です、解説します。 高気密高断熱住宅で音が響きやすいというのは事実ですが、それは、室内で発生した音が隙間が少ないゆえに外部に逃げ難い。 逃げないので、室内の壁や天井で反射を繰り返し、残響が長くなる。 なので、トイレの音に限らず、ドアの開閉め、テレビ、イスを引く音などあらゆる音が旧来の木造住宅と比較すると、響きやすいということです。 高気密といっても木造ですので、コンクリート造のマンションと比較すると同等程度と考えて良いと思います。 ロフトがあるような空間は気積が大きくなり、残響も長くなりやすいので場合によっては、かなり不快な響き方になるかもしれません。 しかし、それも音の発生源と反射板となるものの位置関係によって変わるので全ての音が同じように反響するとは限りません。 いずれにしても、反響を少なくすることでかなり改善できます。 そのため為には、できるだけ吸音する素材を部屋の仕上に使ったり、カーテンやクッション、タペストリーなどファブリックを多く配するとよいでしょう。 きちんと施工された高気密高断熱住宅ならば、ロフトがあることは暖房効率の不利にはなりません。 窓際のコールドドラフトをしっかり押さえて、上手く上下の空気がゆっくり入れ替わるような計画をすれば(ファンで強制的に吹き降ろすのではなく)、むしろ家中の温度差の少ない室内環境をつくることができます。 忘れがちですが、ロフトをつくるときは、夏場の熱気対策も重要です。 |
コメンテーター | |
藤井 修 | コメンテータの藤井です。 音の問題、暖房効率の問題は間取りと材料などの選択で解決できるものです。 今後の設計次第で快適にもなり不快にもなるので上記の解説を踏まえて、きちんと設計のできる建築士に依頼して一緒に作ることをお勧めします。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | ご質問はみなさんの参考になるので、よろしいことなのですが、ご質問が一般的な質問でのご回答になってしまいます。 具体的には高断熱高気密住宅であろうが、なかろうが、部屋の配置、位置、大きさ、壁天井の仕上げ種別、断熱材の種別、などちがうものですから、個別に対応することで最大限の効果のでる設計をする設計者を選定することこそ、一番に考えることです。 どんなに、ここで、回答を得ても、それを実行する設計者の能力が追いついていかなければ、なんの解決にもなりません。 また、それが現場に適切に反映されるかは特に高断熱高気密住宅では大切です。 ちょっとのミスが涙現象を引き起こす可能性があるからです。 ということを説明した後に回答します。(^^;)ゞ @については設計で解決できます。 Aロフトがるから響きやすいこととは関係はありません。そのつくり方や仕様の問題です。 B個別床暖房がよろしいでしょう。しかし、いろいろな手法があります。 これはノウハウですが・・・・。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 早速のご教示をいただきありがとうございました。 お三方の明快なご意見により、いままでもやもやしていた部分がすっきりした気がします。 ご意見を参考にして、悔いのない家作りをしたいと思いますが、 いずれにしても信頼できる設計士と充分に検討することがポイントになりそうですね。 その後の経過は改めてご報告いたします。 |
その後 |
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