相談概要 | [氏名] TT [居住住所] 兵庫県尼崎市 [相談建物予定地] 兵庫県川西市 [職業] システムエンジニア [年齢] 34 [男性] on [構造] 鉄骨造(ブレース構造) [引渡し年月日] 西暦2008年9月30日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 32.5 [工事請負金額] 2500 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 大手ハウスメーカー;S・M・D・P・MI等 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 5 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 4 [施工者名] [販売会社名] [設計者名] [監理者名] |
相談内容 | 現 象: 相手の意見: 相談内容 : 現在、土地を購入し、ハウスメーカに依頼して新築の家を建てることになっております(契約済み)相談したいことは購入した土地の石積みについてです。 この土地は東側と北側が道路の角地になっておりまして、東側道路は北側に傾斜しております。 下がっている部分は石積みになっておりまして、北に行くほど高くなり一番高いところで道路から約1.5mです。 北側は1.5m程の石積みが東西10m程あります。 石積みはできてから40年ほど経っていると思われますが(宅地に造成されたのが昭和40年代)コーナー部分に一部ひび(1cm程が数本)入っている他は特にひびもなく問題はなさそうに見えます。 なお、コーナー部分は根本にある排水のU字抗が少し押されており、ちょっと動いている状態です。 相談したいことはこの石積みの安全性はどれほどの物かということです。 当方が持っている選択肢としては ・現状のままいじらない ・コーナー部分のみ石の積み直し ・コンクリート擁壁への差し替え です。 ハウスメーカに紹介されて買った土地ですが、紹介当時は大地震が起きたらずれる可能性はあるが数十年は大丈夫だと思いますよ、との話で、問題ないかと思っていたのですが、契約後にひびがあることがわかりました。 ※契約前は古家があり、植栽で見えなかったのですが、更地にしてもらったところわかりました。 初めは費用がかかるのでコーナー部分のみの部分積み直しで、ひびとずれを修正するだけにしようかと思っており、いくつかの外構業者などにも見てもらって、それで大丈夫でしょうとの話をもらっていたのですが、部分積み直しを行うことをハウスメーカに伝えると、そこの建築士(一級建築士の方です)から、部分積み直しをしても構造上安全とは言えないし、見た目がきれいになるだけと横やりが入ったためにどうしたものかと考えております。 補足ですが、 ・石積みに建物の負荷がかからないように深基礎を入れ、安息角の考慮はされているし、石積みからの距離はかなり余裕がある。 ・石積みのひびは阪神大震災の時の物であろうとの推測。 ・一部に植栽有り(取り去ってもらいましたが根は残っています) ・水抜き穴は一応あるが、あまり機能してなさそう ・裏込めコンクリートは建築時代から考えてあまり入ってなさそう(未調査です) ・現状は更地です。 ベストなのはコンクリート擁壁への差し替えであることはわかるのですが、複数の業者からほぼ問題ないといわれている部分に大金をつぎ込むことは費用対効果を考えると必要なのかどうかわかりません。 そこで、相談したいことなのですが、 1.石積みはこのままor部分積み直しとして、今後数十年問題はないのか? おそらく回答としては、 ・問題なし ・問題有り ・検査をすれば結果がわかる ・検査をしてもわからない のどれかになると思うのですが。 ハウスメーカからの回答は最近になってトーンダウンして、数年で崩れるとは思えないが大阪城ほど 持つとも思えないとの曖昧な回答でした。 元々大丈夫と言っていたハウスメーカの営業マンは二級建築士の方でしたので何もわかってないということはないと思います。 2.部分積み直しは補修として有効な手段なのか? 3.コンクリート擁壁にする場合、高さから宅造法の申請が必要になるのですが、ある業者から 1mの擁壁を設置し足りない勾配は法面として建築完了検査を通し、その後その上(40cm程?)をブロック積みで土留めすれば申請不要で費用が抑えられる、との方法を教えてもらったのですが、 このようなことは可能なのでしょうか? |
yorozuの感想 | みなさまが非常に懇切丁寧に解説されておられるのを読みまして、ぜひ相談をお願いしたいと思いました。 宜しくお願い致します。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | 解説員の山口です。 このような相談は現地を観ないと何とも言えないのが正直なところです。 写真でもあれば少しは解説しやすいのですが、、、。 ただ、現状をわかりうる範囲で細かく書いてありますので推察しながらの解説ができそうです。 部分積み直しをしても構造上安全とは言えないと言う意見は的を射てるとも言えます。 石積みに小さなヒビはあるかもしれませんが、予定建物が 影響がないほど離れていれば特にいろいろしなくても良いと思われます。 高低差が1.5mほどのようですから建物の基礎がそれから3mも離れていれば大丈夫だと思ってください。 最低でも1.5m離していただければというところです。 石積みは建物の土圧を支えるものではなく、その部分の土の崩壊を防止するものと思ってください。元々動かないようにがっちり造ったものではありません。 安定させるためのものです。 *相談について 1:細かい検査や調査を行ってもおよそのことしかわかりませんし、その費用をかけるほどのことはないと思います。 2:部分積み直しは見かけの上では有効でしょうけど、土地の安定に関しては意味がないと思われます。 積み直して裏側に土を詰めるだけなのですから。 3:可能かどうかは別にして、脱法的な考えはお進めできません。 高さが2mを越える擁壁(ようへき)は確認申請が必要ですが、申請が必要かどうかより、安全な土留めであるかどうかが大切です。 契約前に建っていた元の建物に地盤沈下の影響などが見られたのでしょうか。 その内容がよい手がかりになるのですが。 |
武田 直行 | 解説委員の武田です。 石積み擁壁はコーナー部が弱点なので大きな角石を使っている例がほとんどです。 お城の石垣などをみればおわかりになると思います。 コーナー部を部分積み直ししても効果は疑問です。 大きな角石を使ったりして積み直しできれば補強になると思いますが単なる積み直しでは、長年かかって得た安定性をかえって崩す可能性もあります。 一般的な方法としてはコンクリートを使用した補強方法があります。 一つはコーナー部の石垣裏側にコンクリートを詰める方法 -----上から見てL型の石積み裏の部分に三角形にコンクリートを打設する方法で、ある程度のボリューム(一辺が50cm、斜辺で70cm以上)が必要です。 外見は現状と変わらない形で処理できます。 もう一つはコーナー石積みの代わりに角コンクリート(コンクリート製の角柱で外部の傾きは既存石積みにあわせる)擁壁にしてしまう方法があります。 外観は現状とかなり変わることになります。 いずれの場合も土木技術者のいる大手の建設会社に設計、見積もり、工事依頼する方がハウスメーカーに依頼するより現実的だと思います。 |
コメンテーター | |
橋本 頼幸 | コメンテーターの橋本です。 お二人の解説の通り、擁壁(特に古いもの)は図面や写真などの資料が少なく、どの程度安全なのかをあとから計り知ることはとても難しいです。 また、今回のご相談は写真が無く想像だけでの解説になっておりますが、「ひび」程度であればそれほど問題がないと思われます。 ふくらんでいるとか一部崩れかかっているなどがなければすぐの対応は不要だと見なして、擁壁に力がかからないように建物を設計するという方法もあります。 建物の設計者と納得するまで相談して、それでも安心できないようでしたら、その方面に強い専門家にご相談されては如何でしょうか? |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 問題は深基礎をどこまで飲みこまし、どれだけ離れており、地震時の地面の流れがどの方向に逃げ、それが建物にどのように影響するかという総合的な判断になります。 基礎形状も関係がありますので、現地で実際に調査しないと安全に起因する相談ですので、ご理解ください。 尚、ハウスメーカーの営業の二級建築士の資格はほとんど実務経験がない人が多いので当てになりません。 建築士の資格ほど、当てにならないものはありません。 それほど、建築は裾野が広い知識と実務経験が大切なのです。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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