相談概要 | [氏名] MH [相談内容] - [相談建物所在地] 宮崎県宮崎市 [職業] 会社員 [年齢] 36 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2008年 2月 日 [公庫は使わない] on [性能保証を使用] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 154.15 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1850 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 中堅ハウスメーカー [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 解らない。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 5 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10〜20 [施工者名] R [販売会社名] R [設計者名] R [監理者名] |
相談内容 | 現 象: はじめまして。 追加請求についてご相談させてください。 契約後(建築前および建築中)に詳細の打ち合わせを行い工事をしておりました。 営業は契約当初のみで、あとはすべて(ハウスメーカーの)設計の方とばかり打ち合わせでした。 「基本は追加工事が発生しないように」ということを話しており、変更したり追加仕様を依頼し、とりあえずの追加金額は出たのですが、工事途中のある時に突然ハウスメーカーの上司より「今の金額ではでこの内容ではとても工事できない」と連絡がありました。 それから、何度も打ち合わせを重ね(その間工事は中断)、最終的に追加金額が決まり工事を再開したのですが、また追加費用依頼の話が。 私の方が「これ以上の追加費用は出せない」ため仕様を落とす事で再度打ち合わせを実施。 そして、最終仕様が決まり無事完成しました。 その後、引渡し前に清算書を受け取り内容を確認。 建物代金とは別に「追加・変更工事一式」という項目で前に打ち合わせした金額が加算されていました。 私はその金額を確認し、引き渡し時に支払い、そして入居しました。 しかし、それから焼く3ヶ月が過ぎて、法律事務所(弁護士)経由にて追加工事費請求がきました。金額もかなりの高額です。とても信じられません。 尚、依頼当初より何回となく 「基本的に追加費用が発生しない方向で進めさせてください」 「発生する場合には必ず教えてください」 と設計・工務担当・営業に連絡し施工を進めていました。 正直、追加金額は発生すること自体納得できなかったのですが、当初歩み寄りということで、追加金額を納得しました。(それはハウスメーカーの上司も交えて打合せし、確認)なので、今回の追加費用は正直納得できない気持ちです。 相手の意見: 業者(営業・設計)は「弁護士さんと話してください」の一点張りです。 営業・および設計氏さんも会社から「何も話すな」と言われてるようでそれしか言えないと言ってました。 相談内容 : 1.このような請求は正当なのでしょうか? 私としては打ち合わせで決定した(双方合意)した金額を支払っているのですからこれ以上の追加費用は不当ではないかと考えています。 尚、打合せ時の金額の控えですが。 1回目の決定時分はメモレベル (一応設計者の印鑑と日付はいただいていますが)しかありません。 2回目の決定時分は同じくメモレベル (この時は仕様ダウンだったので、図面のコピーに記載してるのみ)しかありません。 あとは、引渡し前に受け取った清算書のみです。 ここに追加工事費はあるので、まさかさらに請求がくるとは思ってもいませんでした。 2.これからどのように進めていけばよいでしょうか? まずは、ハウスメーカーの代理の弁護士に話を聞きたいと思います。 通知では請求の説明文と金額しか書いていませんので、経緯や詳細など。 その後、どうしたらよいかまったくわかりません。 最悪は裁判になるのでしょうか? 出来ることなら避けたいのですが・・・ 3.こちらも弁護士を立てた方がよいのでしょうか? 正直、すでにギリギリを借りていますので、これ以上の支払いはできません。 いきなり弁護士経由で請求するのですから、かなり準備して(今後のシミュレーションなど立てて)るのではないかと考えています。 かといって、今後の交渉を進めていくのには相手が弁護士だと負けてしまいそうで不安です。 今はなんとかこうやって書き込みできていますが、書面をみた当初はかなり動揺して混乱していました。 今、一応契約書やその後の書類・メモなど再確認しています。 |
yorozuの感想 | こういった相談コーナーは非常に助かります。 他の方の相談も拝見できるので、 参考になる方が多いのではないかと思います。 |
アドバイザー | |
藤井 修 | 追加工事においては、 建築主が工事内容の変更を要求した項目にたいして工事を行い、それに伴い工事費の増減が発生します。 工事のタイミングによっては施工後に金額の増減を決める場合もありますが、施工前に工事内容と工事費の確認をして工事を行います。 今回、メモ程度の記録でも工事変更内容が確認できますから変更項目に応じた工事金額を支払えばよいことになります。 その金額が適正かどうかは第三者の建築士なりに査定してもらい改めてハウスメーカーと交渉してください。 工事変更について依頼した覚えの無いものは支払う必要はありません。 |
久米 能子 | 久米と申します。 ことの経緯がご相談文に書かれていることしかわからないため、情報不足で的が外れた解説となるかもしれませんが、MHさんの言われるとおり、追加金額について何度も上司も交えて話し合いをし、きちんと最終的に追加見積書も受け取り、さらに引渡し前の清算書の追加金額が、そのときの見積書と同じ金額…ということならば、それ以上の追加費用を支払う必要は何も無いように思います。 そのハウスメーカー自身が、見積書以外の追加費用の請求を清算時に放棄しており、工事の発注者、受注者双方で、最終清算金額を確認しているのですから、その後いきなり請求書が来るというのは、そのハウスメーカーの横暴以外の何者でも無いように思います。 たとえ、あとから来た請求書を専門家が精査し、その結果、行った工事に対して正当なものだという結論に至ったとしても、一度双方合意の上で追加費用を決めた以上、本来は施工者はその請求はできる筋ではありません。 しかも、何の事前相談もなく、一方的に法律事務所経由で請求書が送られてくるなど、おどしに近いとしか受け止められず、この誠意の無いやり方に逆にMHさんが抗議をしても良いくらいだと私は思います。 大手のハウスメーカーというだけで人は何の根拠もなく正しいことをするように信頼しますが、そんなことは単なる「神話」にすぎないことを昨今の連日のように報道される事件で、もうそろそろ世間は理解するべきであるように感じています。 どのような大手であっても、所詮、担当者個人の業務に対する姿勢にかかってくるのですから。 気を取り直しましょう。 怖がってはいけません。 きちんと手続きを踏んで合意の上で請求された金額を支払ったにもかかわらず、こんなことをしてくるハウスメーカーは大したことはありません。 浅はかとしか言いようがありません。 弁護士さんを立てたほうが良いでしょう。 同時に、信頼できる、しかも工事の内容が把握できる建築士にも助けてもらいましょう。 先に建築士だけでも良いかもしれませんが、MHさんの精神的な安定のためにも、弁護士さんについてもらうほうがいいように私は思います。 |
亀若 浩幸 弁護士 |
弁護士の亀若です。 当然のことですが、工事代金は、注文者である施主と、請負業者であるハウスメーカーの合意によって決まるのが原則です。 合意がないのに、一方的に費用を請求することはできません。 住宅の建築の場合、追加工事が必要になった場合には工事代金も変更されるのが通常でしょうから、追加工事を始める前に、工事内容と追加工事代金を決めるのが通常です。 つまり、工事内容を決めるときに、業者が追加工事代金を見積もって施主に示し、施主がその内容にOKして初めて工事を開始すべきなのです。 なお、よくトラブルになるのが、施主が、工事現場で大工さんに「ここに棚を作ってくれない?」など注文した場合です。 施主はサービスで(つまり無料で)工事をしてもらったと思いこんでいたのに、後で、業者から追加代金を請求されてもめることがあります。 この場合、追加代金が発生すると考えるべきでしょう。 金額について合意ができていないだけです。 本件の場合、予め、明確に「追加工事代金は支払いません」と意思表示しているのであれば、当然、追加工事代金の合意は無いわけですので、原則として支払う必要はないと思います。 当初の合意の内容を一方的に変更することはできません。 もっとも、なぜ、業者が何度も追加代金を請求してきたのかが気になります。 施主が、相応の追加工事を発注していたのなら、業者の請求にも理由があるかもしれません。 いずれにしても、本件では、弁護士に相談されるのが賢明でしょう。 必要があれば、私たちが宮崎の弁護士を紹介できますので、その際には御連絡下さい。 |
コメンテーター | |
橋本 頼幸 | コメンテーターの橋本です。 MHさんは打合せはたびたびおこなっておられるようですが、図面は5枚しかもらっておられないとのことですね。 契約図面や契約時の仕様、契約時の見積書はお持ちですか? 追加請求が正当かどうかというのは、当初の契約と工事中に発生してMHさんが支払った追加工事費に加えて、請求することができるかどうかを判断することになります。 そのためにはまず、藤井解説員の解説の通り契約図面・工事内容と見積が査定できる建築士なりの専門家に確認してもらう必要があると思います。 弁護士に依頼するのはそれからでいいと思います。 弁護士に依頼したところで、結局建築士なりにその内容を査定してもらう必要が生じるでしょうから。 一般的には、引渡前の話し合いで合意して引渡を受けているのですから、それ以降に新たに工事を依頼しない限り追加は発生しないと考えられます。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | なんとなく、曖昧にしながら、後出し請求のシステムが構築されているように感じさせるほどに、手際にいいですね。 ハウスメーカーではこのような後出し手法がたまに存在しているようですが、最後は問答無用で、「弁護士に聞いてくれ」という手法は誠意がないですね。 心ある家造りには残念ながら遠いシステムですね。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | お世話になっております。 MHです。 丁寧なご解説ありがとうございます。 仕様変更としては実際に行っています。 追加請求は、結果としてハウスメーカーが業者に対して支払う額が高額になった為ではないかと思っています。 しかし、前にも記載したかもしれませんが、9月の時点でこちらも仕様ダウンを行っています。 その時、追加で費用を支払う事で、それ以前に決めた内容は実施していただけると約束したしています。 そして、その内容を10月か11月くらいに、ハウスメーカー(上司2名・設計)、大工・電気工事業者等で集まり各部屋の詳細を確認しています。 そして、上司より9月打合せ時の追加金額と仕様ダウンでOKだと確認して作業を再開しています。 にもかかわらず請求がきました。 さらには1月末か2月くらい(吊り戸棚やクロス貼りなど最終作業あたり)でもう一度仕様ダウンの交渉があり、それも納得いかないものの了承しました。 その時は再度図面をもらい、 ・9月時点の仕様ダウンと追加金額(設計担当の筆跡で記載) ・契約時の図面に記載のない仕様をいただき、そこからダウンする内容を提示されました。 そして、引渡し前に清算書を受け取りました。 もちろん清算書受取および、金額の払い込み時に「これ以上の追加金額は発生しない」というのを営業に確認しています。 それで、今回の請求です。 先日相手弁護士と話した際に、今までの経緯をお伝えしました。 すると、1月か2月くらいのさらなる仕様ダウンの話や清算書の話は聞いていなかったようです。 ハウスメーカーにそのことを確認して、また連絡するとのことでした。 また、弁護士よりいただいた追加費用項目とその金額をみたのですが、 ・契約前に依頼している内容 配線図等メールですが契約前に合意した内容を連絡している トイレなどカタログにて商品を指定し了承を得ている ・契約時に依頼している内容(契約書にも記載あり) ・9月合意前に依頼している内容 私の方で図面を複数毎コピーし、それにコンセント(TV・電話・LANなど)、ドア種類、ニッチなどそれぞれを記載し設計に渡していました。 また外壁、サッシに関しては同じく9月前に設計より打合せ時の内容を図面に記載し、それに私がサインをして返しています。(サイン前のコピーを私が受け取り) 私はその時点の仕様からは上げていません。 (追加費用が発生するとして依頼していません) ・工事を再開し、棚のレイアウトや部材など当初の仕様よりダウンしている内容 ・工事を再開し、施工上難しいなどの理由で仕様をダウンした代わりに行ってもらった工事 の記載でした。 なぜこんな請求がくるのかわかりません。 正直、”怒り”というより”あきれ”の気持ちも出てきています。 一応「自分でやれること」と思い資料の整理をしてたので、それをもって今回のメールを読ませていただきましたので少しですが不安は解消されました。 議事録や清算書を保管しててよかったと思っています。 ほんとうにこのようなシステム(相談所)に感謝しています。 ありがとうございます。 |
その後 |
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