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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No.1219 タイヤ盗難に管理会社の責任範囲は?

 相談概要 [氏名] S.H.
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 北海道札幌市中央区
[職業] 会社員
[年齢] 34
[男性] on
[構造] 鉄骨鉄筋コンクリート造
[引渡し年月日] 西暦2007年
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 12
[延べ面積m2] 4899
[延べ面積坪]
[工事請負金額]
[設計監理料] 0
[様態] 分譲マンション
[施工者] 大手ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[18確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] -
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 0
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[施工者名] H組
[販売会社名] A工務店札幌
[設計者名] S建築研究所
[監理者名]
 相談内容 現  象:
このホームページの主旨と多少ずれているかもしれませんが、よろずと言う事で相談させて頂きます。
2007年に分譲マンションを購入しました。
マンションの1階部分にシャッターや扉もない外から自由に出入りできる車庫(駐車スペース)があります。
その空きスペースにタイヤラックが設置されています。
(周りの道路からタイヤが丸見えです)昨年そのラックにタイヤを保管していたところ多数のタイヤが盗難されました。
一応、タイヤに鎖と鍵をかけていましたが盗まれました。

相手の意見:
管理組合総会で販売店から具体的に何か防犯・盗難防止対策を実施するなど全くありません。
警戒中などと張り紙をした程度です。

相談内容 :
この様に盗難に逢い易そうな場所にタイヤラックを設置されていた場合、販売会社に何か保証を求める事は可能なのでしょうか。
 また、タイヤの保証はされなくとも、タイヤラックからタイヤの盗難を強固に防止出来る対策やタイヤラックの撤去などを販売店負担でしてもらうことは可能なのでしょうか。
要するに盗難されやすい場所へタイヤラックを設置し販売した販売会社に責任はあるのでしょうか。

販売会社へ申入書などの文書で回答を求めた方が良いのでしょうか。

以上よろしくお願いします。
 yorozuの感想 無償でここまで相談に対応しているのはすごいと思います。
素人には分からないことだらけなので、いろいろと大変だと思いますが、事務局運営の継続をお願いします。
アドバイザー 
 木津田 秀雄 解説委員の木津田です。(北国で過ごしたことがありません)

 北国ですのでスタッドレスタイヤなどの置き場は必須なのでしょうね。
 他のマンションでは、完全に鍵のかかる倉庫などに保管できるようになっているのでしょうか?
 タイヤに鍵を取り付けていても盗難にあったということは、出来心で盗んだのではないでしょうから、かなり頑丈なセキュリティが必要になると思いますが、北国のマンションではそのような(十分なセキュリティのある)タイヤ置き場が普通であれば、屋外で施錠設備もないマンションでは不十分と言えるかも知れません。

 ただ、それを理由に共用部分の不備について、あなた自身の損害として盗難被害の補償を求めることは難しいと思います。
それより他の方も同様な状態(外部から丸見えの施錠もないタイヤラック)であるのだとすれば、管理組合として分譲会社に改善を求めることはできるかと思います(法的な問題とせずに、実際に付帯施設として問題であることの指摘をする)。

 管理組合が動かないのは、あなたの悩みを全体の問題として共有してもらえてないのかもしれません。
他にも盗難やいたずらをされた人などはいなのでしょうか?
防犯カメラを設置するにしても、管理費や修繕積立金から捻出するには、それなりの決議等が必要です。

そのための理屈も多くの人が納得する理由でなければなりません。
 それでも改善されない場合には、最終的には、その場所にタイヤを置くべきかどうかは個人的判断になるのだと思います。
堀住 勝雄 解説員の堀住です。

 災難でしたね、ショックと腹立たしさ、ご同情申し上げます。
悪意を持って盗もうとする事に完璧な対策は難しいですしコストが見合いません。
例えばロックされた自動車が盗難にあってもメーカーの責任は問えません。
同じく通常の鍵を掛けた建物から物が盗られても建築や販売した業者の責任は問えません。
これが保証された製品も建物も寡聞にして存じません。
補償となると保険会社の範囲です、
盗難も対象になっている総合保険などもありますのでご検討されるのも良いかと思います。

 ところでタイヤラックに設けられたチェーンと鍵は建物の付属物だったのでしょうか。
それは不充分な防盗対策だったでしょうか。
もし玄関や車の鍵以下の脆弱な物でしたら
何らかの補強手段を管理組合を通して要求しても良いかもしれません。
管理組合は住民のものです、もう一度押して議題に上げてみて下さい。
撤去に関しては意味が分かりません、不要なら使用しなければ良いのではありませんか。
 今井 優子 札幌の解説員、今井です。

 札幌では一昨年あたりからタイヤの盗難は、ときどきニュースになっていましたね。
あの重たいタイヤを何本も持っていくのですから、個人の思いつきなどでは出来るはずもなく、組織的な窃盗なのでしょう。
 最近では、マンションの灯油タンクから灯油が盗まれたり、札幌も住みづらくなってきました。
被害に遭ってしまった事、ご同情申し上げます。腹立たしい気持ちもよく分かります。
でも、基本的に盗難の責任は盗んだ人、犯人にあるのです。
悪いのは盗んだ犯人です。
 雪国で生活し、車に乗っていれば、誰でもタイヤの保管場所が必要なことはわかります。
多くのマンションでは、地下にトランクルームが設備されて、大抵そこにタイヤを保管するケースがほとんどなのではないでしょうか。

そちらのマンションが、そのようなトランクルームがあるかどうかは分かりませんが、北国の生活者としては、タイヤの保管場所はある意味、マンション購入のチェックポイントですね。
(札幌のマンションで、トランクルームが無いと売れないので、有るのではないかと思います。)
タイヤラックが設置されているマンションは、逆に珍しいと思います。
どちらかというと、重たいタイヤを地下まで持っていくのが大変だという方は、使ってくださいという感じではないかと想像します。
何しろ住戸数分の車のタイヤを全部収納できるタイヤラックは相当大きく、面積をとるはずですからね。
 少なくとも、タイヤラックが周りの道路から丸見えだということは、S.Hさんも認識していたはずです。ということで、一方的にマンション販売会社に保証や責任を求めることは難しいと思います。
 何をするにしても、管理組合で話し合って、管理費や修繕積立金の中から修繕費として捻出するなどの方向で検討するのが筋だと思います。
ただ、マンションには車を使っていない人も住んでいるでしょう。
必ずしも全戸住人の利害が一致するとは限らないものです。
そこは、謙虚に真摯に話し合いに臨むことです。
マンションとは「共同住宅」。集まって住むとはそういうことです。 
 武田 直行 解説員の武田です。

マンションには管理員はおかれていなかったのでしょうか?
管理会社に管理委託をし、管理委託の内容に財産の保護をその業部内容とする面がある場合は警備業務に該当し、とくに管理組合から防犯、警備についても行って欲しい旨の明確な委託があったときは、管理会社も警備業法に基づき管理業務を実施することになります。
通常の一般的な管理業務の場合、警備業務と関係がないと解釈されています。
そのような場合は管理会社に責任追及はできないものと思われます。

具体的な防犯の方法としては、単に外部からよく見える場所ではなく、住民の監視の途切れることのない位置にラックを移動することやタイヤを外し、持ち去るまでに時間がかかる方法、監視カメラの設置などマンション全体の問題として取り上げ、住民の関心を高めることが大切です。外部からきた盗人がラックからタイヤを外して積み込んでいる現場を見られていたとしても、それが盗みだと判断されない場合もあるからです。 
 コメンテーター 
津村 泰夫 コメンテーターの津村です
 各解説員の説明どおり、個人責任になると思われます。別の解説員からは「タイヤを皆で屋上へ移動させるか、泥棒を捕まえるかだと思いますが」という意見もありました。
みなさんの解説を参考に防犯対策をおこなってください。
 なお、新しいマンション総合保険ではこのような盗難でもカバーされていますので調べてみてください。
 事務局から 
 荻原 幸雄  分譲マンション販売時にはラックの保管方法など、決められたものを購入しているということが前提になります。引き渡された瞬間に共用部分は管理組合の管理下に入ります。
ですので、盗難にあった場合は管理組合の管理方法を検討するということになります。

当然、管理組合は管理会社に管理を委託していますが、その範囲は管理委託契約に記載されています。原則は現状維持を目的として管理しますので、追加の施設などの設備は管理組合が決定し、管理会社に依頼することになりますので、主体は管理組合であることを忘れてはいけません。
また、管理組合の組合はあなたもその一員です。今後の対策は先ず、管理組合に申込み、その回答を得ることからはじめてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  建築よろず相談ネットワーク
運営事務局 荻原様

早速のご回答ありがとうございました。
参考にさせて頂きます。

何点か、私の説明不足がありましたので、補足させて頂きます。

私は今年の4月から管理組合の理事長をしております。
この盗難は前理事長の任期中に起きたもので、組合理事会、総会でいろいろ議論されてきました。

防犯カメラの増設については対費用効果、盗難抑止力への疑問などにより総会にて否決され見送られました。
タイヤラックを盗まれ難い構造に改造することも検討されましたが壁や扉を設置した場合は建ぺい率の問題、パイプや金網などで囲った場合でも多額の費用がかかるというこで、継続審議となりました。

なぜタイヤラック撤去も視野にあるかというと、既存の駐輪場があるのですが
自転車の保有台数に対し駐輪スペースの絶対数が不足しているので、
タイヤラックの場所を自転車置き場して使用するためにです。
しかし撤去し、自転車置き場として使用するにも費用がかかるので
こちらも継続審議になっています。

マンションの加入している保険ではタイヤラックの鎖は保証されましたがタイヤは保証外で、各入居者の家財保険で保証されたケースがあります。
マンションの屋上は自由に使用できる構造にはなっていませんが、地下に入居全世帯分のトランクスペースがあります。
組合としてはとりあえず現状のタイヤラックは使用しないで下さいと言う事を住民へお願いしております。

そして今後どの様にすべきかと言うところで、販売会社へこの現状を踏まえ、どの様な認識をもっているのか、また何か対応策をとる準備はあるのかなどの申し入れをし、販売会社の考えを質した方がよいのではないかと言う事になり、こちらへ相談させて頂きました。

以上が補足になります。
また、何かありましたらよろしくお願いします。
 その後  
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