相談概要 | [氏名] K.S. [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 長崎県長崎市 [職業] 会社員 [年齢] 41 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2008 年 5月 日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 129 [延べ面積坪] [工事請負金額] 2250 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 10 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] たくさん [施工者名] (有)T [販売会社名] (有)T [設計者名] (有)T [監理者名] |
相談内容 | 現 象: 1階洋室、廊下に杉板(働き幅150mm、厚さ30mm)を張り、その後養生シ−トを張り約3ヵ月後、シ−トをめくるとところどころ板の表面にカビが発生し、板と板の隙間が平均5mm空いていましたので、張り替えをお願いしました。 杉板の出所、含水率は業者は教えてくれませんでした。理由は、企業秘密との事。 相手の意見: 「施工前に杉板は乾燥収縮があるので、新建材と比較してどうしても空きますよ」と説明をし、乾燥材を使用して施工をしたのでこちらに過失は無いとの事で、張り替えはしない。 相談内容 : 板と板の空きが平均5mmあるので、私は瑕疵に当るのではないかと思っておりますので、このような場合、瑕疵に当るのか教えて下さい。 よろしくお願い致します。 |
yorozuの感想 | このようなHPがあり、非常に助かります。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | このような目地の写真はなかなか分かり辛いのが正直なところですが、お気持ちは十分にこちらに伝わってきております。 まず、杉を床板として使うにはある程度の覚悟が必要です。 他の樹種に較べると肌触りはとてもいいのですが柔らかくて傷がつきやすいなどの性質を持っています。 材自体が柔らかくて吸水による伸縮が大きいので、松や檜のようには行かないのです。 ですから、5mmの隙間が瑕疵に相当するかとなると悩むところではあります。 それ相応のコストをかけた杉材ならそれほどのことはないかとは思いますが、縮をできるだけ抑えることのできるようにするには長時間の乾燥期間をおいて材を製作する必要もあります。 床に150×30の杉材を選んだ経緯や採用にあたって受けた説明をう一度おさらいして、お考え下さい。 床を張り直すのは簡単な作業ではないし、やり変えたところで今よりもよくなる保証もありませんし、工事中に色々なことを辛抱しなければなりません。 提案ですが、その隙間が実生活に大きな支障があるのかないのか、暫く生活をしてみて判断をされてもいいのではないでしょうか。 杉の感触を楽しんでいただき、その良さが隙間への不満を超えるものであればある程度の納得はできるかも知れません。 瑕疵があったとしても、1年後でしたら瑕疵保証の期間内でもありますから。 |
氏原 毅士 | 写真を見る限りではドコが問題とされているのかわかりません。 150幅・30の厚みと言う事ですのでムクの杉板と思いますが早晩、クラックも発生する事と思います。 これは天然木の持つ宿命です。 手抜きしてなったとは思わないで下さい。 それがムク材の面白いところなのです。 ムク材を使うなら樹の変化を楽しむぐらいの気持ちを持ってください。 それが嫌ならプリント合板塩ビシートを選択すべきです。 カビは樹脂浸透処理をしていない木材では避けては通れません。 厳しいコメントになったとは思いますが、見た目だけで判断せず樹の持つ力や雰囲気などを楽しむ用に考え方を変えられたらいかがでしょうか。 5ミリ前後の目地が生活の支障になりますか? |
コメンテーター | |
津村 泰夫 | 我が家も杉板を張っています。 120×12と170×30を使用していますがスキの最大は2ミリ程度です。 桧の板でも冬場に温風暖房機の前では5ミリ以上スキを生じて、梅雨にはぎっしり詰まります。 また私は杉板の上に布団を敷いて寝ていますが、汗かきなのでカビを発生させてしまうこともありました。 各解説員の説明どおり、自然の材料を楽しむくらいの気持ちで気楽に過ごすのがよいでしょう。 ただ現在の気候で5ミリのスキはやや大きいように思われます。 またスキの無い箇所も見られるようですね、このように一様でなく見苦しい場合には張り替を請求できるとも考えます。 張り方の全体を見てみないと判断できませんが、私が監理者であれば、床全体を見わたして私が見苦しいと判断すれば張り替を指示します。 ただし乾燥材を使用することを前提に契約している場合に限ります。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 今頃の季節は湿気も多くなりつつある時期で、木は膨張しだす季節になります。 木が水分を吸って膨れるわけです。 逆に考えるとこの時期に5mmの隙間は大きくは思います。 瑕疵の基準はありませんが、実(凹凸部)が外れて下が見えるようだと完全に瑕疵でしょうが、それ以外は木の性質によります。 瑕疵と決め付けることは写真の範囲だと難しいので、話し合いしかないと思います。 因みに、床材を張るには片側を隠し釘で止めて、片側はフリーにします。 そうしないと木の乾燥収縮に対応できなくなるからです。 もし、これらは両側ともとめると、木は真ん中が剥くんで凹凸が表面に出ます。 そして、激しい床鳴りも・・。 木の性質を理解した、昔ながらながらの知恵がそこにはあります。 木と自然を感じてください。 前向きに・・・。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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