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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 1215 サンルーム結露対策

 相談概要 [氏名]T.S
[居住住所] 神奈川県南足柄市
[相談建物予定地] 神奈川県南足柄市
[[職業] 無職(定年退職者)
[年齢] 65
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西歴1997年2月15日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 42
[工事請負金額] 2100
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー;S・M・D・P・MI等
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 20
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?]10
[施工者名] 不明
[販売会社名] Mホーム
[設計者名] 不明
[監理者名] 不明
 相談内容 現  象:

相手の意見:

相談内容:
サンルーム3坪ほどの物を現状の建物に付随(密着)して造ろうと計画中です。
調べたところ知り合いの家では冬の夜間にサンルーム内部の天井、又は壁面ガラスに水滴が多数付着して昼間になると床にポタポタ落ちると言ってました。
サンルームを造った暁に水滴が出来ないようにするにはどうすれば良いでしょうか?

構造は天井部はガラス又はアクリルで垂直面即ち窓面は出来る限り大きな一枚ガラスで3面を造りたい。夏は暑いので扉を開けて網戸式になるようにしたい。

 因みに用途は、冬はサンルームの窓側に花鉢を置いて冬越しさせたい。
また、小さなテーブルを置いてお茶を飲んだりしたい。
夜はサンルームのみ本屋と切り離しして密閉するようにしたい。

 この様な条件で水滴がサンルーム内部に付かない様にするにはどんな工事にしたらよいでしょうか?
 yorozuの感想 初めてなので全く判りません。
但し、此方の期待と違っても誠意有る回答が来るようで有ればトテモ有意義で有り難いページと思います。
アドバイザー 
 堀住 勝雄 一口にサンルームと言っても様々な形態があります。
植物の温室を付随させるものと大きなガラス開口部を持つ部屋を増設するものがあります。
 前者の園芸温室の結露を完璧に防ぐことはたいへん困難です。
むしろ不可能と言っても良いかもしれません。
 しかし少々の結露は許容して天井から水滴が落ちない程度なら使用上の注意をすれば可能かと思います。
  
 まず結露の元となる水蒸気の発生と進入を抑えること、次にガラス面を冷やさないという2つの面が考慮されなければなりません。
 水蒸気の発生源はたくさんあります。
出入りのある隣接の部屋のガスや石油を焚く暖房、加湿機、調理の湯気、濡れた洗濯物、人間も発生源です、これらの蒸気がサンルームに流れ込まない造りにするか使い方をしなければなりません。

また植木鉢にかけた水は全て水蒸気となります。
暖房時に(母屋との)境界のサッシを開ければ一瞬で暖かい湿った空気はサンルームに流れ込みますからその蒸気はガラスに触れて結露します。
 ガラス面を冷やさないためにはペアガラスや2重サッシなどが考えられますが、サンルームや温室用のサッシ建材でそのような製品は限られますし高価です。
そして完璧な結露防止にもなりません。
暖房を入れて室温を上げる方法もあります、
風を当てる方法もありますがここでは省きます。

 一番問題とされる屋根(天井)が最も結露しやすい場所になります。
目的とされる用途として屋根全面のガラスが必要とも思えませんので必要最小限にしてできるだけ断熱性能のある屋根と天井とされることをお勧めします。
このガラスの傾斜(勾配)が緩いとガラス面の水は滴下します。
通常、水滴は下部まで伝わって結露受けに流れ込み外部に排出されるような構造とします。

 結露が問題となる冬は太陽高度が低い時期ですから屋根面がガラスで無くても日照は入ります、逆に夏は陽は屋根面に当たりますからその対策を考えておかないと部屋として使えません。
地震時のガラスの落下も心配です。

 上記のように湿気を入れないこと、可能な限り窓を開けて換気する、出来ないときは除湿器を動かす等を心がけていただけば少なくとも水滴が落ちて使えないような状態は防げるのではないでしょうか。

 すでにされていらっしゃるでしょうが「サンルーム 結露」とネット検索されるとたくさんの情報が得られます。
長短を納得の上採用されるようお願いします。 
山口 雅克 私の事務所にも鉢植えの植物を配置しサンルーム的な使い方をしている部屋がありますので簡単に解説をさしあげます。

お望みのサンルームに相反する機能を求めていることに気付いて下さい。
まずあなたにとって何が問題点なのか整理してみましょう。
 天井や壁面ガラスに水滴が発生して外が見え辛いから困るのか、床に水滴が落ちるから困るのか。

 単に水滴が発生しないようにするにはサンルームの換気をするしかないのですが、それで越冬できるような植物を選ぶことで解決できるかもしれません。
又は簡単な暖をとることも一つの方法です。
植物も呼吸していますので沢山の水蒸気を発生させています。
したがってペアガラスなどを使いたくもなりますが、コストと性能に限界があると思って下さい。
 水滴が発生することを受け入れて、発生した水滴が床に落ちない方法(落ちる前に樋で受ける)を考えるか、床に落ちてもかまわない床材にする方法もあります。
板張りとかでなく土のままなどではいけませんか。

 農家の温室の作りや使い方などを調べてみるのもいいでしょう。
予算との関係もありますので、一般的なサンルームで水滴が発生しないような使い方を検討されることがよいのではないでしょうか。
 今井 優子 解説員の今井です。
 神奈川県の南足柄市といえば、箱根山、金時山の麓。
冬の夜間には相当に冷え込む地域だと思われます。
 ご相談のような、簡易なつくりのサンルームでは、結露を完全に防ぐことは不可能です。
結露の仕組みについては、詳しくは割愛しますが、結露を防ぐ為には、まず湿気を持ち込まないことですが、植物に水やりは欠かせませんから、無理な話ですね。
しかし、結露し難い環境をつくるという観点なら、幾つか方法はあります。

 まず、越冬させたい植物がどの程度の温度(室温)が必要かによって変わります。
 半耐寒性又は耐寒性の植物で、寒風や霜に当てたくないという程度であれば、夜間は、母屋とサンルームをきっちり閉ざし、サンルームの室温を5度程度に保てば水滴が落ちてくるほどの結露にはならないでしょう。

 ただし、母屋との仕切りは、母屋側から水蒸気や暖かい空気が入り込まないようにしっかりと気密性を保ち、サンルームは一定の換気量を確保することが必要です。
 植物が、非耐寒性常緑樹などで、常に15度〜18度の室温が必要であれば、逆に母屋と繋げたまま、サンルームのガラス面の下全てに、輻射式の断熱パネルを設置することです。
そして、夜間は厚いカーテンや断熱性に優れたスクリーン
http://www.seiki.gr.jp/products/screen/honeycomb/index.htmlなどでガラス面を覆うことです。(天窓も全て)
 ただしこれは、母屋も相当の断熱・気密性能を有し、開放型石油ストーブなどを使用していないことが条件になります。

 いずれの場合も、サンルームのサッシは塩ビ製又は木製で、ガラスはペアガラスが条件です。
 日照が相当得られる場所でしたら、床をコンクリートやレンガ、タイルなど、蓄熱するものにしておくと昼間の日照で蓄熱した熱を、夜間少しづつ放出してくれるので暖房の助けになります。
 また、結露は許容し、屋根面の結露は水滴が好きなところからポタポタと落ちないように、4寸勾配以上の勾配をとり、結露受け(樋のようなもの)をつくり、コントロールするという考え方もあります。
これが一番安価に出来るのではないでしょうか。

 いずれにしても、望む性能とコストは連動します。

 サンルームの使い方、母屋のつくり、掛けられるコストなどで方法は変わってきますので、出来れば、きちんと理解している建築士(既製品サンルームメーカーの建築士ではなく)に実際見てもらって、アドバイスを受けることをお勧めします。 
 コメンテーター 
久米 能子 コメンテーターの久米です。
   
 各解説委員の解説をご覧になって、結露を完全に防ぐのは困難、ということがまずお分かりいただけたでしょう。

私たちは専門家なので、結露を防ぎたいというご相談にできるかぎりの解説をしていますが、私ならば、ガラスは一応、結露のしにくいペアガラスにして、その上、床は結露でぬれても気にならないタイルか、石(水を吸い込んでくれるようなタイプのもの)にしてしまい、ある程度のことは仕方ないものとして使用することをお勧めするでしょう。

 テーブルをおいてお茶を飲まれるとき、屋根がなくて上からも日射が注いでいる状態というのは、たとえ冬でも、落ち着かないものです。
ですから、結露を限定する意味も加えて、屋根はガラスではないほうが良いでしょう。
堀住解説委員の言われるように、日射が必要な冬には、十分すぎるほど壁のガラスから日は射します。
   
 結露は最近は嫌われ者で、それを防ぐことばかり考えられるようになりました。
カビの発生や木造住宅の耐久性、また掃除のことを考えるとそれも当然といえば当然ではあります。
私も普段は結露のしにくいように配慮した設計を行っております。
 でも、主要な居住スペースならばともかく、サンルームの結露はある程度ならば、風情のあるもののようにも私は思います。

 昔、寒い冬に、部屋の窓ガラスが曇っている様子を見ると、それだけで幸せなぬくもりを感じたものです。
窓が曇るのはそこが暖かい証拠でもありました。
子供のころ、曇ったガラスに良く指で落書きをして楽しんだものです。

結露したガラス…今はなんとなく、感傷にひたる情景となってしまいましたね。
 事務局から 
 荻原 幸雄  換気扇を2箇所離れた場所の天井ぎりぎりの位置に取り付け蒸気を排気してください。
当然、給気口も必要です。
これをすると季節により快適になります。

また、梅雨時は除湿機で除湿する・・
がしかし、乾燥し過ぎると植物が駄目になります。

コントロールが大切です。
相談者お礼状 
 相談者お礼状  
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