相談概要 | [氏名] T.M. [居住住所] 東京都世田谷区 [相談建物予定地] 東京都世田谷区 [職業] 会社員 [年齢] 35 [女性] on [構造] 木造(その他) [引渡し年月日] 西暦2009年 3月20日 [公庫は使わない] on [性能保証を使用] on [何階建て] 3 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 34 [工事請負金額] 未定 [設計監理料] 未定 [様態] 注文建築 [施工者] − [設計者を選んだのは] − [監理者を選んだのは] − [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] - [18確認申請の為の委任しましたか?] - [確認申請書お持ちですか?] - [検査済証は有りますか?] − [設計図面は何枚もらいましたか?] 0 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0 [施工者名] T.A [販売会社名] [設計者名] T.A [監理者名] 不明 |
相談内容 | 現 象: 相手の意見: 相談内容: これから自宅の建設を予定しております。 依頼先として、設計施工で、特に設計面が強いだろう会社を検討しています。 (スケジュールの問題で。) その会社で設計については設計士が潤沢にいるようなのですが、工務店の機能に対してお聞きしたところ、現場監督の方などは専業の方はおらず、設計士が現場監督、管理を兼務するのだということでした。 年間棟数は16-18程度、設計士は8名で、有資格者もいるということでしたが、まず設計士が現場監督を実施することで施工品質や工程管理などがきちんと保たれるのか、 そもそも現場監督の仕事は何なのか、資格は何が必要なのか、 上記人数で現場監督から設計までを見るに必要な人数なのか、 判断がつきません。 設計料は、 工事費の9%+構造計算+確認申請手数料、その他現場管理費(35万)などが発生します。 こういう形態で施工品質は保たれるのかどうか、ご意見を頂戴できればと考えております。 |
yorozuの感想 | 非常にありがたい存在です。 少し検索機能や見出しがみづらいのが難点でしょうか。 |
アドバイザー | |
清水 煬二 | 解説員の清水です。 設計を担当した建築士、または人が現場監督をするというのは可能だと思いますし、工務店などの工事業者、リフォーム業者、店舗業者などでは珍しくありません。 設計施工の会社をご希望であれば、むしろ同一の担当者が両方兼ねていた方が、間違いが少なくて良いかもしれません。 年間18棟を建築士8人で設計と現場監督を行うのであれば、量的には可能でしょう。 但し、設計担当者が現場監督を兼ねて品質がきちんと保たれるかどうかは、人数やシステムの問題よりも、その担当者の資質や考え方、経験、知識、リーダーシップ などのレベルによって決まるもので、ご依頼先の担当者に問題が無いかどうかは判断できません。 人数がいても、現場へほとんど行かずに下請けに任せっきりであったり、現場へ行っても指摘すべき事項がわからない建築士もいるからです。 専門の現場監督がいるからといって、品質管理や工程管理がきっちりできているのかというと、そうとも言えません。 もちろん、現場をよく知らない建築士が現場監督を行うのであれば、当然問題や不安はあるでしょう。 すべて個人の資質の問題です。 現場監督は、職人や下請けの業者、材料などを手配し現場の工程や品質を管理しますが、工事業者としての造る都合で考えて行う管理です。 設計監理者は、設計者側としての監理ですから、設計の意図や設計通りに行われているかを確認します。造る都合は考えません。 これを同じ人がすると、一般的にはどうしても工事業者側の造る立場で考えて、管理してしまいがちです。 一般論として、設計重視でさらに品質や工程監理をご心配されるのであれば、工事業者と設計監理者は、絶対に別であるべきです。 それは承知の上で設計施工を希望されるようですから、ある部分は目をつぶって結果で判断するということになると思います。 迷われるようでしたら、よろずのホームページやよろずの著書を良くお読みになることをお勧めいたします。 |
コメンテーター | |
久米 能子 | コメンテーターの久米です。 清水解説委員はとても柔らかく表現されていますが、私たちの「1000問答の建築よろず相談」でも、主張しておりますように、第三者監理が成立しにくい設計施工は基本的にお勧めしておりません。 それは、すでに、T.Mさんがなんとなく心配されていることと同じ理由も含まれて居ます。 設計に強いところを探している、といわれるならば、なぜ、設計と工事監理を専門にしている(施工をしていない)設計事務所を探されないのですか? 単純なことです。 すでにご自身の中に回答をお持ちのように思います。 胸のうちにある不安を忘れたようにして、T.Mさんのようにスケジュール等の目の前の都合を優先し、本質を横におき、家作りを始めた人のうちの多くが、私たちのサイトへ施工が始まってから後悔して相談に来ます。 しかし、それでは時すでに遅し、です。 勿論、設計施工もひとつの選択肢ではありますが、ご自分が何を一番大切にしたいとお考えなのかを(つまり、建物の設計という本質的なことか、それともスケージュールなのか)お考えになってご判断ください。 尚、設計士という職業はありません。 資格もありません。 建築士、が正しい表現です。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 設計施工で設計面に強いという評価は何を基準に判断するか? ということですが、その基準はわたしたちからしても難しいものです。 施工会社は施工面で強くあるべきで、設計事務所ならば設計監理に強いとはいえます。 しかし、設計施工の場合は内部での比率として設計面が強いということは通常はありません。 力関係では利益の大きい施工部門が会社の利益を上回るのが当然ですので、利益の取れる部門が利益追求の会社組織では当然、力を持ちますし、通常、ゼネコンの社長は設計施工の場合、設計経験者がなることはほとんどありません。 なぜならば、設計が利益を生まないと思っているからです。 人事としては当然の結果ですよね。 本来は建築士は弁護士や税理士や医師と同様に、組織から独立した個人の資格です。 個人の良心に基づいて、公平に判断すべきものですが、建築士の場合は設計監理の業務は現場監督を監理するというっても過言でありません。 施工の不正、落ち度、ケアレスミス、技能不足等を監理者が再度検査することにより、ミスを防ぐことにあります。 しかし、全てが、白黒付けられるものではなく将来を考えるとクライアント(建築主)の利益になることは積極的に是正すべきだと思いますが、当面問題が出ない場合は施工者の現場監督の力が強くなります。 当然、利益を確保するのは現場監督だからです。 設計者は利益を生むために存在はしていないからです。 このように、利益率から勘案しても、設計施工は不安を解消することはできない。 個人の資格でありながら社員であることの圧力が個人資格の建築士の判断にのしかかるという矛盾がそこには存在します。 設計施工の方が効率はよい場合もありますが、それは、なあなあになる可能性もあるのです。 よく考慮し、選択ください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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