相談概要 | [氏名] K,T [相談内容] 建売住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 神奈川県川崎市多摩区 [職業] 会社員 [年齢] 36 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2007年 5月 日 [公庫は使わない] on [性能保証を使用] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 102.67 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1400 [設計監理料] 0 [様態] 建売り住宅 [施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 解らない。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 2 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0 [施工者名] N工業 [販売会社名] 株式会社 I [設計者名] I都市設計、I [監理者名] N工業、K |
相談内容 | [現象] 2007年5月頃入居して、年末頃にモルタルの壁に数多くのひび割れがあることに気がつきました。 幅は、0.5〜1ミリ、長さは、20センチ〜1.5メートルくらいまでのものが11カ所ほどありました。 家の北側の外壁に、10カ所、南に1カ所です。 発見してびっくりしたので、最初に施工会社に電話して、担当の方にきてもらいました。 乾燥してひ びが入ったものといわれました。 2年目の冬によくあることといっておりました。この家が建ったの は、2006年12月です。 すぐ直しますとのことで、すぐ直してもらいましたが、その方法は、ひびを埋めて、同じ色を塗るだ けでした。全面塗り替えは勘弁してほしいといわれました。 塗ったあとが思ったより目立っていたので、はっきりいって不満でした。 まだ入居して8ヶ月くらい なのに、まだらの壁なのです。通りからも一目瞭然です。 はずかしいです。 ただ白色なので、いずれ同じように見えるようになるといわれたので、そのときは何もいいませんで した。 単に運が悪いのかなと、釈然としないでおりましたが、雨が進入するのも困るので、とにかく 早く直してもらいたかったこともあり、全面塗り替えを執拗 【どうしてもココから先が送信できません】 2月頃に、またひび割れを見つけました。 今度は、外壁の北側1カ所、西側1カ所、東側3カ所 です。 これはやっぱり施工の状態が不良なのだとこちらも確信をしました。今度はただ割れ目を埋めて、色 をその部分だけ塗るのでははっきりいって納得できません。 これ以上ひびがでないようなやりかた で、全面的に色を塗り直してもらいたいと思います。 周りの家をみても、我が家より前に建っているいえなのに、ひび一つ入ってない家はたくさんありま す。 我が家だけが、みすぼらしい姿になっています。 とても悲しいです。 [業者の見解] 上記のとおり、単にひびを埋めて色を塗っただけです。 お詫びもなにもありませ ん。こちらもよくわからず、強く言わなかったからと思います。 急いで対処はしてくれましたが、全面塗り替えはしたくないといった言い方でした。 そのときは、構造上の問題でない、という話でした。 またモルタルの厚みは規定どおりと言っていま した。それにしてはひどい状態ですが。 ひびが新たに増えたた< 実は、先日までこういった不具合が出たことを売り主に知らせなければならないことをしりませんで した。 これから売り主のAホームに交渉するつもりです。 [相談内容] まずは我が家のこの入居10ヶ月にも満たない状態で、外壁に15カ所以上ひびが出 た場合、それはやはり施工に問題があったのかどうかです。 通常の施工状態でこうなることがありえるのか。 また、相手が非を認めたときに、全面塗り替え、もしくはこれ以上ひびがでないような塗料などを使 用して、きれいにしてほしいです。 運が悪く2、3カ所ひびが出たのならまだいいですが、これは運不運の問題ではなく、あちらの工事 がよくなかったのだと思います。 こういったことを売り主に要求して、これを受け入れさせることができるか、建築士の皆さんに、そ の点をお伺いしたいと思います。 |
yorozuの感想 | このHPの存在はとてもありがたいです。 |
アドバイザー | |
藤井 修 | 名古屋の藤井です。 写真を拝見すると外壁には伸縮目地や亀裂誘発の為の目地が無いように見えます。 最近はデザイン的にこのような目地の無い建物が多いのですがよほど下地の処理をきちんとしないと建築的には問題があるように思います。 また木造は建物の動きが顕著ですからなおさらの事です。 しかしながらこのデザインを選んだと言うことで建築主もある程度の責任があり、亀裂が多く入ったのは設計上、施工上の問題がなかったとは言えませんから施工者の責任で亀裂の処理をきちんと行うのは当然です。 ただ全面化粧直しまでの費用負担となると難しいかも知れません。 そこらあたりは話し合って折り合いをつけるしかないと思います。 |
畔上 廣司 | 解説委員の畔上です。 先ず、基本的にひび割れはモルタルの配合や工事施工時期のタイミング等もありますが、モルタル塗り系の外壁は乾燥収縮によって割れるものとご承知ください。 モルタルは外壁のデザインを豊かにすることができますが、その宿命はひび割れです。 以前ほどモルタルのひび割れは少なくなったと思いますが、科学技術が発達した現在も今もって根絶できません。それだけひび割れをなくすのは難しいのです。 本件の場合、仕上げ工程はどうだったのでしょうか。通常は防水紙+ラス網+モルタル下塗り+モルタル上塗り+塗装材のローラー仕上げや吹き付け仕上げ等の順番になると思いますが、最近はモルタル上塗りの時にファイバーグラス系のメッシュ等を塗り込んだ工法が比較的ひび割れの防止に効果的ということで使用されたりしています。 建物外壁写真のひび割れを拝見する限り、長いヘアークラックや0.5mm前後のひび割れは目だって発現しているようでひび割れ対策は残念ながら行なわれていないようです。 0.5〜1mmを超えているような部位では雨がひび割れ内に入りこんで雨漏りの発生原因になることも考えられます。また、塗装材など表面仕上げ塗膜材の劣化によって、ひび割れと一緒に見苦しくなったりしますが、これは単純に塗装世界では、価格が低いほど耐候性が劣ると考えられます。 写真では、弾性フィラーや弾性塗料の塗り込みが足りないようです。早期の劣化を防ぐには、ある程度の塗膜厚を確保する必要性があります。 購入者及び施工会社とは、塗装材の性能はどうか、モルタルのひび割れだけなのか、浮きや膨れはないのか、その他打診検査も含め、新築建物として適切な処置を話し合い、仕上げ補修方法や塗装レベルの向上に伴う修復費用等、トータル的によくご相談なさっては如何でしょうか。 よく話し合い、全面外壁化粧手直しに向かって頑張ってください。 |
清水 煬二 | 解説員の清水です。 最近の建売りでは、第三者保証に入っている場合が多いですが、それには加入していないのでしょうか? 建売では工事がどのような内容で、どう行われているかわかりませんので、必要条件だと思われた方が、良いでしょう。 また、ご指摘のように工事業者だけでなく、販売業者や監理者にも話をした方が良いでしょう。 ヒビの巾が正確にどの程度あるのかはわかりませんが、写真で見る限り、施工不良でヒビがいった可能性の疑いは考えられます。 モルタルやコンクリートは、収縮によるヒビは避けられませんが、工事方法により、最小限に留めることが可能です。 今回の場合は、この配慮が不充分だった可能性があります。 施工不良であると仮定すると可能性としてまず考えられるのが、 外壁モルタルの養生期間が不充分だった、 モルタル下地の釘打ちが不充分は不良であった、 窓のコーナーなどの出隅部分の下地補強が不充分だった、 家自体の剛性が低い、 外壁仕上げ材が割れ易い材料である などが考えられます。 ただ、全く対応してくれないのではなく、補修は行っているようですので、全面補修の要求が通るかどうかはわかりません。一般的には、これだけのヒビが新築のこの期間で入るのですから、原因を確定して対策を練って全面補修してくれても良いと思いますが、建売で近くに何軒も建っているので、そういう対応をすると、他の家にも内容は違っても同じような対応をしなければならないのが、嫌なのかもしれません。 個人で交渉してもどうしても取り合わない状態が続き、納得できない場合、第三者の建築士に観てもらう方法も考えられますが、原因を確定するには目視検査だけでは特定できない可能性があります。 現状の報告と推定だけでは、業者に提出しても無視をされたら、役に立たないことがあります。その場合は、次に調停か裁判ということになります。 ですが、できれば、そういう手段を取らずに、冒頭にあるように販売業者や工事監理者にも交渉して、原因特定、全面補修へと進むことができるよう、もう一度努力してみて下さい。 |
コメンテーター | |
氏原 毅士 | コメンテーターの氏原です。 モルタルは練る時の水分量やセメント・砂の配合で収縮クラックが起き易い材料です。(これは必ずと言ってよい程起こります) 判りやすく言うと、粘土が乾いたらヒビだらけになるのと同じ理屈です。 そのため藤井解説員が記しているように誘発目地や伸縮目地を設けるのが一般的です。 目地を設けなかった理由はわかりませんが(デザインかどうか)知識の無い設計・施工であったとはいえると思います。 ただ塗りなおしをさせるのは困難であろうと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 亀裂のほとんどが、北側外壁に起こります。そのほとんどの原因が北側に日照不足による養生期間の未確保が原因です。(施工業者の能力不足となります。) それ以外の外壁の亀裂はこれ以外の下地、モルタル調合、その他原因は様々ですので、調査しませんとわかりません。 亀裂がすぐに雨漏りにつながるものではないのですが、亀裂発生が全て終わった段階で、補修が必要になります。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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