相談概要 | [氏名] T.M. [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 静岡県浜松市 [職業] 会社員 [年齢] 41 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦1999年10月 日 [公庫使用] on [性能保証を使用] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 126 [延べ面積坪] [工事請負金額] 2000 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] - [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 6 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 15 [施工者名] S(株) 瓦屋:Y産業(株)) [販売会社名] S(株) [設計者名] H一級建築士事務所 [監理者名] |
相談内容 | [現象] ・現在築8年、新築後5年の点検でスレート瓦(カラーベスト)に亀裂(ひび割れ) が34枚発生(発見)し全面葺き替えを行う。それから2年半後にまた同様の亀裂を今度は40〜50枚発生(発見)する。 ・1回目の亀裂(ひび割れ) - 新築後5年の点検で亀裂を34枚発見 - 北面2枚、南面23枚(内8枚は板金がらみ)、西面7枚、東面2枚 ・2回目の亀裂(ひび割れ) - 葺き替えから2年半後亀裂を40〜50枚発見 - 南面で特に谷部に放射状のクラックが多数、平部では中央部分に近い部位で縦方向のクラック - 1回目の時よりも割れも多く、板金がらみの部分で特に多い、全面で割れの数が増えている ※1回目の時と割れ方は同じだったため、各面の割れ枚数を細かく確認していない [業者の見解] ・1回目の亀裂(ひび割れ) - 瓦メーカが亀裂の入ったサンプルを持ち帰り分析してもらった結果、商品規格を満足していて、板金がらみによる段差や負荷、施工時の微細クラックの経年成長と判断された。 - 住宅メーカも瓦メーカの報告を受けて同様の見解で、当初は割れた部分の差し替え修理と言われたが、枚数が多いことからどうにか全面葺き替えをしてもらう。 - 亀裂した枚数が多いことから根本原因をつきとめるように要望したが今までにない現象なので分からないと言われ、特に対策をしないでただ葺き替えを行った。 ・2回目の亀裂(ひび割れ) - 今回は瓦メーカのサンプル分析はなく、目視調査のみで、前回と同様の報告を受けあくまでも外的負荷によるもので施工後に発生したと判断された。 - 住宅メーカも同様の見解で割れ部分の差し替え修理と言われている。(現在交渉中) [相談内容] ・原因(要因)は外的負荷によるもので施工後(引渡し後)に屋根に乗ったことが悪いと言われており(ただし施工中に発生した可能性も考えられるとも言われている)、確かに施工後にTVアンテナを取り付けているが、これ程の枚数が割れるものか教えてほしい。 ・割れが一番作業時間が長いと思われるTVアンテナ付近に集中しているわけではなく逆にアンテナ付近に割れは発生していない。 ・人が乗って荷重が掛かり割れが発生する可能性があると言う事は分かるのですが、普通の体重(65kgぐらい)の人が乗って簡単に割れるようでは構造(強度)に問題があるのではないかと考えてしまいます。根本原因として下地に何か問題があるのでは ないか?推測で良いので何か原因と思われることを教えてください。 (なお、特に手や足で押した時に明らかにプカプカするようなところはないと言われています。) ・修理方法として、割れた部分の差し替えでしか対応しない(全面葺き替えはしない)と言われているが、住宅メーカーのその真意が良く分かりません。どのように思われますか? (なぜかと聞いても差し替えでしか対応しないとの一点張りです。) ・住宅メーカーの言う通りに割れ部分の差し替えでも今後問題は発生しないのでしょうか。 差し替えの場合無理やり屋根材を止めている釘を引き抜くため防水シートは裂けるし、 下地も傷めると思うのですがどうなんでしょうか? ・もう住宅メーカーとの交渉は諦めて独自にお金を掛けてでも全面葺き替えを考えた方が良いのでしょうか? また、カラーベストの場合現状の屋根材の上から別の屋根材で葺き替えするカバー工法 という方法を聞いたことがあるのですが、この方法はどうなんでしょうか? |
yorozuの感想 | 建築についての相談がなかなか素人にとってはどこにすれば良いか分からないところなのでとても助かります。 今後も続けていってください。 |
アドバイザー | |
津村 泰夫 | 津村と申します 私のこの種の屋根材で、調査のため登ったところ数枚割ってしまい、自前で取り替えた苦い思い出があります。きわめて割れやすい屋根材だと認識しています。 ただ、何もないのに割れたりするのは異常と思われますので、葺き方や下地などに問題がないか調査すべきと考えます。 メーカーの推薦する仕様と照らし合わせ、どこが問題なのか検証すれば解決につながるでしょう。原因究明しない限り、前回同様に葺き替えてもまた破損を生じることとなりますので、必ず第三者の建築士に見てもらってください。 |
氏原 毅士 | 氏原です。 実は我が家の屋根で、いわゆるコロニアルではなく玄昌石風のコロニアルより厚く表面も着色では無く心材まで顔料を入れ練り上げた商品を使っていますが、あるとき庭に欠片が落下しており表面は黒いものの内部は白っぽいグレー。 前日の強風でご近所のが飛んできたのかと思いながらも屋根に上がってみたところ一目で数十枚に割れを発見。 直ちに松○電○の担当者に連絡したところ三重の工場から技術者が着てくれて破片と大きく割れた1枚を持ち帰りました。 工場で分析したところ「特定のロットに同様の障害がある」と言うことで300枚以上を無償で交換、色目を合わすために屋根全面を塗装してくれました。 相談者もメーカー分析を聞いておられるようですが再度依頼されたほうがいいと思います。 またフルベストリードは確か?アスベスト含有で撤去にも相当手間が掛かると思います。 建築士だけでは分析など荷が重いと思います。 製品メーカーも巻き込んでの対応が良いのではないでしょうか。 |
コメンテーター | |
木津田 秀雄 | コメンテーターの木津田です。 カラーベストについては、私も同様の相談を受けたことがあり、氏原解説員と同様にあるロットに生じた不良品とのことで、全面張り替えを行うことになったことがあります。 どのロットで不具合が出ているのかは、瓦屋さんにも分からないと思いますので、メーカーにも立ち会わせるなどして解決を図ることが必要かと思います。 本来は顧客からのクレームがあってからの処理ではなく、特定のロットであることが分かっているのであれば、リコールなどによる対処があっても良いかと思いますが、残念ながらクレームがあって始めて対応しているようです。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 建築基準法施行令82条の4及び平成12年建設省告示第1458号では屋根ふき材等の風圧力に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準が規定されています。 やね材料の仕様そのものの問題なのか?基準に適合されたものだと思うので、その内容の確認してください。また、建物そのものの納まりにも挙動に影響を与えている可能性はないか、建物そのものも確認する必要があります。 いくつか疑問の可能性はあります。 材料の劣化速度の問題はないか? 変形に追従できない仕様はないか? 認知基準をどのようにククリアーした根拠確認が必要? 施工時の切断等の切断口が劣化を早めていないか(仕様の問題となる)? 屋根材料をとめるメーカー施工要領を守って施工されているか? 建物の合板が垂木に規定通りの施工とされているか? 下地の垂木は母屋等に規定どおり施工されているか? など、現地で調査すべ点は多々あります。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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