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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

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No.1185 屋根形状の変更費用は?

 相談概要 [氏名] MK
[相談内容:] 近隣のトラブル
[相談建物所在地] 大阪府箕面市
[職業] 会社員
[年齢] 41
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦 2002年 3月 日
[公庫使用] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 約100
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 18
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] −
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] -
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?] 0
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[施工者名]
[販売会社名]
[設計者名] NK
[監理者名]
 相談内容 [現象]
初めまして、自宅を建てる際にも色々参考にさせていただいていました。
隣地の空き地(東側)が売られて二階建ての家が建つ事になり、相談させていただきます。
経緯が大変ややこしいため、長文になってしまいますが、しばしお付き合いください。

自宅隣は元々V字型の谷(自宅から最深部の高低差は8mほどです)の上にあり、そのV字の谷の最深部によう壁を立てて埋め立て造成する開発がありました。

空き地の公道に接していたのが我が家がある方角だけでしたので、ほぼこちら側の高さに合わせて盛り土し、約2000uに13区画の一戸建てとする計画でした。

谷の反対側下部には一戸建てがあり、敷地に接して3〜8mのよう壁が立ち上がる事となり反対も非常に強く、業者自体もかなりいいかげんな業者で、色々ありましたが開発は一応終了しました。

我が家の隣近所も谷が埋まって東側に家が建つため、日照の影響を心配していましたが、こちらのHPで日照は自分の土地で確保すべしというアドバイスに従い、区画割りの段階で南側隣家と1区画分の広さを購入し、それぞれの敷地と同じ長さX4mの距離をとれる様に開発業者に依頼し、2mの距離で話がつきました。

しかし売買契約の段階で、業者側から「なんとか1mで頼めないか」と相談があり、同様に開発地に接する南側の隣家と共に「転売せずに最後まで責任を持って建築する事と、屋根の傾斜を我が家の方向にもきちんとつける事」を条件に1mで購入しました。

それから11区画の建築が終わりましたが、我が家と南側隣家に一部接する新区画の間口が長く、面積も広かったせいか売れ残って2年が経過し、何とか契約する事ができた様でしたが、その契約者が開発と建築契約を結んだ業者のいいかげんな姿勢を嫌がり、建築条件付きを解除して別の業者に依頼した様です。
開発業者からは、転売の連絡は一切ありませんでした。

地鎮祭を行っている時に、契約者の方を見かけたのでお話を伺ってみましたが、予定では屋根の高さも我が家より0.8mほど低くなる予定だというので、南隣の方と一緒に「1mでも買っておいて良かったね」と安心していました。

ここから話がややこしくなるんですが、隣地に接する道路の高さから2mの掘り込みガレージの上に家が建つ予定でしたが、掘り込み作業をしている段階で大雨が降り、養生処置もしていなかったため、我が家のよう壁の下が幅9m、高さが1.8m、奥行きの一番深い所で30cmほど崩れてしまい修復作業が必要になりました。

新しい業者の方と修復の話し合いをしている時に、建築予定の二階建ての家に屋根裏収納をつけるため、屋根の通常の最高地点から我が家に面した側に屋根が伸びて高さが9mを越える事が判りました。
屋根裏収納とガレージの話は以前の業者からも聞いていましたが、高さは知りませんでした。

そこで屋根裏収納の体積を減らさず、屋根の高さが減る様に、「長い屋根のデザインにこだわりがなければ、収納の上部の屋根中央部から傾斜をつけてはもらえないか?」と依頼したところ、施主の方は「元々のプラン図でそうなっていただけで、別にデザインにこだわりはないのでいいですよ」と了解を得ました。

しかし、業者の方からは「建築確認が既に下りているのと、再度の変更と雨どいを新設するが必要があり、変更に必要な費用はそちら(我が家)持ちでお願いしたい」と言われたと施主の方に伝えられました。

見積もりを出してくれる様に依頼しましたが、どうやら建築プラン自体は、以前の業者の初期デザインのままだそうで、我が家と南側隣家が以前の業者と土地売買契約をした際に約束した屋根のデザイン変更プランではなく、その条件も伝わっていない様です。

施主の方がいらした際に私は不在で、妻が話をうかがったそうですが突然の来訪でもあり、その際に以前の業者と交わした約束の話を伝える心の余裕はなかった様です。

そして見積もりが今日来ましたが、総額で18万円。
内訳は再設計再申請費用が8.3万円、カット済み材のやり直し工賃と材料費が8.5万円、雨どいの増加と外壁減少の差額が1.8万円、現場管理費と諸経費が2.34万円出精値引が3万円だそうですが、肝心の高さの減少は0.58mだそうです。


図面を提供していただいた訳でもなく、話の過程で覚えている範囲の数値なので判りにくいかもしれませんが、概略図を作成してみましたので参考にしてください。

[業者の見解]
「建築確認が既に下りているのと、再度の変更と雨どいを新設するが必要があり、変更に必要な費用(18万円)はそちら(我が家)持ちでお願いしたい」

[相談内容]
この18万円という金額は妥当なものなのでしょうか?

我が家と南側隣家が、以前の業者と土地売買の際にした約束を、転売する際に伝える義務や、購入する側が付帯条件の有無などを確認する必要はないのでしょうか?

わずか0.58mの高さの違いは、日照に18万円に相当する効果があるでしょうか?

我が家を建てる際も建築確認後に、階段が13段である事が判り、縁起が悪いので14段に変更していただきましたが、その際には一切の請求もなく、快く変更していただきましたし、配線等の小変更でも同様に青写真を何枚も製作し直していただきましたので、崩落した部分の補修費用を、ここで回収しようとしてはいないかと疑心暗鬼になっています。

長くなりましたが、アドバイスをいただけるととても助かります。

よろしくお願いいたします。
 yorozuの感想 自宅を建てる際にも、色々と参考にさせていただいていました。その際もとても助かりました。
建築に対する専門知識がない我々購入者には大変有益なサイトです。
ご多忙な中、ボランティアで活動される姿勢に頭が下がります。
今後のご活躍とご健勝をお祈りします。
アドバイザー 
木津田 秀雄 相談員の木津田です。

 現場を見ていないので適切なアドバイスができるかどうか分かりませんが。屋根の高さを変更する手間としては18万円は高くはないと思います。
 もとの売り主との関係もありますので、釈然とされないお気持ちはあるでしょうが、交渉が長引き、建物が完成してからでは18万円ではどうしようもなく なってしまうことを考えれば、この提案を受けても良いのではと思います。
 その後に、元の売り主と費用負担について交渉するというのも方法かもしれません。
 この分での日照の効果は正直言って分かりません。ただ後でやっておけば良かったということになった場合、他人の建物だけにできるときに手を打っておくべきかと思います。
山口 雅克 解説員の山口です。

 屋根が低くなるのですから軽微な計画変更扱いとなり、計画変更申請には大きな手間はかからないと思われますが、形状変更の工事費に関しては特別に高い金額ではないと思われます。

 一般の方に誤解が多いのですが、日影(日射)に関しては建物が58cm高くなっても影が当る位置が58cm高くなるだけでその時間は短いものです。建物の幅が大きければ日影になる時間帯は大きくなりますが、幅に比べると高さの影響は少ないです。

 冬至の時期で高さ58cmの影は水平方向で90cmほどですが、太陽の移動によって刻々と変化しますので心配する程ではないと思います。
(箱を立てて懐中電灯などで簡易に試してみると分かりやすいと思います。)
 コメンテーター 
星 裕之 コメンテータの星です。

現場でのプラン変更の際に追加工事費を請求されなかったことの方が最近では珍しいようです。MKさん曰くいい加減な業者とのことですが、それだからこそ追加請求がなかったのでしょうね。

元開発業者との約束が隣家の不動産売買の際に条件として提示されていないのですから、こちらか元開発業者で負担するしかありませんね。屋根の施工金額は実費に近い金額ではないかと思います。
あとは気持ち次第ってことでしょうか・・・。
 事務局から 
  荻原 幸雄  いろいろいきさつはあるのでしょうが、金額として、妥当だと判断されます。
前向きに取り組んでください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 荻原様、木津田様、山口様、星様、貴重なアドバイスをありがとうございました。

いただいたアドバイスを参考に前向きに取り組みたいと思います。

後でやっておけば良かったということになるのは最悪ですので、できる事はできるうちにやっておこうと思います。

元の開発業者へ費用負担を持ちかける案については、本当にもう関わりあいたくないというのが正直なところです。
隣を購入された方も同様の印象をお持ちの様ですので、あえて建築条件を外されたんだと思います。

我が家を購入した際、隣地空き地で相続で物納された傾斜地で、うちをやった建築会社にも同時開発をもちかけられていた様ですが、あまりにも条件が悪く採算に合わないからと断り、その後も色々な業者が来ては、同様に敬遠されていた土地でしたので、半ば安心していたところでした。

しかし国税局の競売で捨て値で売られてしまい、元の開発業者が購入した事が、我が家や隣家の不運だったと思います。
他の区画の購入者も、元の地形をご存知の方は少ない様です。

「日照は自分で確保すべし」という事も実感しました。

今後年月がたった際、開発地に立てられた高いよう壁の強度も不安があると、いまだに隣近所での話しに出てくる部分はありますが、幸い切り土で造成された我が家とは地質も距離も離れておりますので、空き地の隣は気をつけようと心がけたいと思います。

皆様、お忙しい中を本当にありがとうございました。
 その後  
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