相談概要 | [氏名] SG [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 北海道札幌市 [職業] 主婦 [年齢] 27 [女性] on [構造] 木造(2X4工法) [引渡し年月日] 西暦 2007年 9月 14日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 135.18 [延べ面積坪] [工事請負金額] 2210 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] − [設計図面は何枚もらいましたか?] 3 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 20 [施工者名] SK [販売会社名] SK [設計者名] SK [監理者名] |
相談内容 | [現象] 請負契約後に数回トラブルになり業者のやりかたに不信感を持ちつつも何とか折り合いをつけてここまできました。 設計の時には工法や仕様やメンテナンスについてこと細かく聞きましたが「どこでそんなことを調べてくるんですか?そんなこと聞くのはあなたが初めてです」と笑われ、「今まで聞かれたこともないので わかりません」と嫌な顔をされきちんと答えてもらえず、「そんなに信用がないんですか?もっと安心して任せてください」としまいには怒らせてしまいました。 モメ事は避けたいと思い ある程度は任せ、どうしても聞きたい部分を厳選して相手の顔色を伺いながら質問する、という感じで打ち合わせを重ねてきました。 それでも嫌な空気になり その質問さえもそれ以上突き詰めずに流した事も多々ありました。 その後でてきた見積もり書に サービスといったのにサービスじゃない部分があったり、変更していない部分が変更加算されていたりと納得の行かない部分があったので指摘しました。 でもなかなか直してもらえず、業者は社長、こちらは知り合いの一級建築士の方に同席してもらう話し合いにまで発展しました。 結局、打ち合わせ時の決定事項などの書類が残っていたので担当の方が「目が回りそうなほど忙しくて 混乱していたため間違えてしまった」とミスを認め訂正してもらいました。 その誤差は50万ぐらいにもなっていました。 見積もりの件が一件落着し一息ついたころに着工で、現場にいって見ると現場は足の踏み場がないほど散らかっており、物が無造作に置かれてゴミ(空き缶)やタバコの吸殻があちこちに落ちていて釘などは何十本も散乱していました。 配筋も見るからに曲がっていて雑に感じました。 ベース部分に木枠が取り付けられ、明日コンクリを流すという前の夜にも現場を見ましたが、スペーサーが鉄筋から外れていたり、角ギリギリに鉄筋が何とか乗っているような状態のものがたくさんありました。 コンクリが流される部分には鉄筋や結束線の切れ端や釘や紙などがたくさんあり、きれいに除去して流してくれたのか心配です。 またベース部分の鉄骨の色が変色しており剥離剤がついてそのままになっているのでは?という点も不安です。 木枠自体も歪んでいた為できあがったベースは見るからに歪んでいます。 表面も気泡だらけで 何箇所もクラックや欠損した場所がありとても打ちたてには見えません。特に内角のクラックがたくさんあります。 打ち方自体に問題があればコンクリの強度や耐久性にも影響すると思うのですが。。。 また木枠を抑える為の鉄筋を木枠の内側にも使っていてそのままコンクリを流したので、ベースの複数箇所に半分埋って半分見えている鉄筋がたくさんあります。 そこからサビが入りひびが入るのではないかと不安です。 現在は立ち上がり部分の木枠が組まれた状態ですが、木枠の中で鉄筋が右へ左へグニャグニャと曲がっています。 一番狭いかぶり厚さは27mmです。 また所々鉄筋の先端が結束線から外れてしまい届かない状態になっています。 こんな状態の基礎の上にこれから家を建てるのも不安なので、直してくれるように訴えましたが 強度に影響のない程度だからと聞いてくれません。 これでも きれいで丁寧な仕事をしているという業者の感覚が信じられません。 今は工事をストップしてもらっている状態です。 [業者の見解] 人間のすることなのでゴミや釘を1つも落とすなというのは無理な話。 (1つ2つのレベルじゃないのですが) 人間の手作業なので多少の誤差は当たり前だし仕方がない。 (多少とは思えませんし、ひと手間抜いているのでは?) 強度でいうなら問題ない。 (耐久性でもきれいで丁寧な施工と全く変わりがないのか?) JIOの検査にも通ります。 (うちがJIOを入れたいと言ったところ、今までJIOは使った事がないしあまり意味がないといっていましたよね?) というやり取りがあり、こちらの突っ込みに対しての返答はなく、 「なんの問題もない工事なのに これで納得いただけないのであれば これ以上うちではどうにもできないので やめましょう」 と社長にいわれました。 [相談内容] 業者は 強度に問題のない程度の 手作業による誤差だといいますが、この調子で誤差を積み重ね、補強もしてもらえないのであれば最終的にできあがる建物の耐久性や強度にも影響がでてくるのではと思います。 業者が言うように これが一般的にきちんとした丁寧な工事で、素人のただの心配のし過ぎなのか知りたいです。 もし欠陥住宅になりえるような要素が含まれている手抜き、雑さであればこちらの言う事に耳を傾けてくれないこの業者はこちらからお断りしたいぐらいです。 その場合 欠陥になりえる工事をされたということで、契約破棄の正当な理由になるのでしょうか? |
yorozuの感想 | このHPを知り本当に救われた気がしました。 こういう状況に立たされると まず何をすれば良いのかわからず途方に暮れてしまいます。 夢のマイホームのはずがすでに悪夢の始まりに感じます。 きっと まずだれかわかる人に相談したいと誰もが思うはず。 こういうサイトがボランティアで運営されている事に本当に感謝です。 泣き寝入りしなければならない方が減る事を祈っています。 |
アドバイザー | |
木津田 秀雄 | 相談員の木津田です。 基礎の施工まで終わったところでのご相談ですが、貴方が感じられているように、決してほめられた工事ではなさそうです。鉄筋を組む前に捨てコンクリートを打設することが普通ですが、本物件では砕石の上に鉄筋が組み立てられています(一応スペーサは入っていますが)また底版部分の型枠が歪んでしまい、 底盤巾が狭くなっているところも見受けられます。 底版から見えている鉄筋は、おそらく型枠を留めていた鉄筋かと思いますが、写真だけでは判断ができません。写真にはホールダウン金物やアンカーボルトが写っていませんが、正しく施工されているのでしょうか。(立ち上がりのコンクリート打設はおこなっていなのでしょうか?) また写真には、高低差のあるような部分もありますが、その部分の底版は他より深くなっているのでしょうか?写真で見る限り、深くはなっていないように見えます。 基礎工事は、通常は基礎専門の業者に発注されることが多いので、今後の工事を同じ職人が行う訳ではありませんが、総合的に現場を見る人がいても、この程度の仕事でOKをしているのであれば、より良いものという希望は叶えられないかも知れません。 確かに、鉄筋のかぶり厚さなど、よく勉強されていると思います。しかしながら、貴方が毎日現場に行って現場監理を行う訳には行かないでしょうし、実際に文句を言っても聞いてもらえないのだと思います。本来はその為に、施工者にきちんと指示の出せるプロを、施工者とは別に設計者、監理者に依頼する必要があるのですが、残念ながら、貴方はその選択を(設計監理者を施工者とは別に選ぶ)していなかったということになります。 現時点で、施工者との信頼関係が崩れてしまっているようですので、このような現場の状態では、このまま工事を続けても不満は残るでしょう。現時点での施工不良を元にして契約の解除は難しいでしょう。(どっちが工事を止めたのかという話しにもなります)契約解除ができないかと考えられていると言うことは、現基礎を壊して一から作り直したいというお気持ちもあるのだと思います。 それであれば、基礎の費用を支払うなどして契約の解除をして、きちんと家づくりの体制を整えてからリスタートすることも必要かもしれません。 上屋の準備がどこまで進んでいるのかは分かりませんが、技術的にはともかく感情的にこのまま工事を続行することはお勧めできません。 |
久米 能子 | 解説員の久米です。 写真を拝見しました。木津田解説委員の言われるように私も決して良い工事とはいえないと思います。(ただ、捨てコンクリートは写真では見えにくいですが、ごく薄く一応流しているようにも見えます。) しかし、ひとつひとつは確かに(鉄筋のかぶり不足など)規定されているものよりも不足しているようですが、それらをもって欠陥と証明し、その根拠で契約解除を有利に運ぶには、今後相応の時間とエネルギーがかかることでしょう。何しろ、どのみちその工務店は、施工状態を悪いとすんなりと認めないことでしょうし。 そういう筋を立てることより以前に、貴女自身が今後、まだその工務店とつきあっていくことができるのでしょうか。それを考えるとき、おのずと答えが出ているように思います。 そもそも、見積がでるまでに様々のことがあり、説明を求めても「聞かれたことがないから答えられない」などと理由にならない変な回答をされて、それでもことを進めたこと、そのものが間違いであったと思います。 木津田解説委員の言われるように、設計・工事監理者をたとえ施工業者とは別に選んで委託していたとしても、そのような見積対応しかできない工務店は、はなから工事の状況は目に見えているというものです。(私が設計事務所として仕事をしていたら、その工務店を施工業者に選ぶことに反対し、着工前にやめてもらったでしょう。)何故、打ち合わせさえ気持ちよくできない相手に工事をさせたのか、不思議でなりません。 勉強代だと思って、基礎工事代を支払い契約解除し、早く次の良い施工業者を探してやり直すことが最善のように思います。もしも、契約解除に当たって精算金などで問題が生じた場合は、速やかに弁護士の方に相談して下さい。 |
今井 優子 | 解説員の今井です。 写真拝見しました。 決して綺麗な施工ではないですし、綺麗に整理整頓された現場でもないですね。 しかし、残念ながら設計施工の工務店の多くは、こんな施工でまかり通っているのが現状です。 最近、自社設計の物件しか施工をしたことのない施工会社の工事を監理をしましたが、 写真と同じような状況でした。 配筋検査の日時の連絡が来て、行って見ると生コン車が待機してる中での配筋検査。 全部直すことは到底無理なので、目に余るものだけ直させて、生コン車の出庫票を確認して、工場を出てから、2時間以内に打設出来そうにない分は帰っていただきました。 プロが監理してもそんな状態ですから、良く勉強しているとはいえ、素人が現場で何を言ってもなかなか言うとおりに動いてくれない・・・と言う状況は、想像に難くないです。 ただ、打合せの段階から、SGさんが気を使うような状況や、見積りでのトラブルなどがあったのにそのまま工事契約をしてしまったことが不思議です。 今度こそ、粘り強く、納得行く説明をもらって、しこりが残らないように、仕切りなおすか、それが叶わないなら、信頼を損ねたと言う理由で解約を申し出ることも検討した方が良いのではないでしょうか。 |
コメンテーター | |
古賀 保彦 | コメンテーターの古賀です。 各解説員のご指摘通り、SGさんが思うような「きちんとした丁寧な」施工状態ではないようです。 一般的な話になりますが、それをどのように是正するか、 <正しい施工をしきれない施工者 VS 部分的な知識で対応せざるを得ない建築主> 建築は構成要素が多岐に渡りますから、局部的に生じた不具合については何とか解決できたとしても、建物全体となると、もはや上の構図では、根本的な解決に至る道は見えてこないのでないでしょうか。 それで監理が必要とされるのですが、解説にありますように、そこにプロの監理が入ったとしても実際の現場では難しい局面が多々生じます。 「なぜ、そこまで言う?」と施工者に疎まれながらも、正しい施工を求めて行かなければならないのが監理であり、不具合箇所をチェックするだけの仕事ではないからです。ですから、一般の方だけで施工現場の善し悪しを判断するには相当なリスクがあると思います。 また、たとえ監理が入っていても、施工者側に監理に応じる姿勢のない場合、監理者にも手が負えない相手の場合は、施工者の変更を検討する以外にない場面も出てくると思います。簡単な話ではありませんから、そのようにならない相手方を選ぶのが基本なのですが、実はこれもやってみないと分からない場合が多く難しい話です。営業と現場で対応が異なる場合も多いですから。監理者がいれば施工者の選定に対して意見を聞くことも大切な事だと思います。 さて、本件に戻り、やむを得ず契約破棄となる場合ですが、これには契約を行ったSGさんの責任もついて廻ります。自身が相手を選定して契約している訳ですから、解説の通り、争うとなると多大な時間とエネルギーをかけて相手方の非を証明していかなければなりません。 行った施工の全てが悪いという訳ではないでしょうから、SGさんも無傷で済むとは思えません。 また、暫くは現場にも手が付けられない状況になりそうですので、精算という形をとって契約解除を行うのが賢明な方法かと思います。基礎工事費用・解体費用(基礎を解体する場合)・新たな基礎工事費用を負担するとなると大変な出費になると思います。それだけでも工事費からみて、一般的な設計監理費用相当です。 その他にも目に見えない部分で発注済・加工中の資材があるかもしれません。契約解除の方向で動かれるなら、早めに対処された方が良いでしょう。費用でもめそうになる場合は弁護士(初めから争う気持ちでなくても)に相談された方が良いと思います。 そこまでの現場なのかどうかは、写真だけでは判断出来かねる面がありますが、お知り合いの建築士のご意見はお聞きになりましたか?相手方との間に入っていただいた結果でのお話であれば、やはりこのまま進めるのは難しいのかなと思いますが・・・。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 写真からでは雑であり、やり直しが必須という施工ですが、アンカーボルト等が見当たらないところからすると、まだ、施工著中の段階の写真であり、その後、是正したのかもしれませんので、途中段階の写真での判断は参考にしかなりませんことをお断りしておきます。 建築を勉強して素人なりの監視は大変重要なことでありますが、相手はプロで貴方はどんなに勉強してもプロの範疇には入れません。ということは、施工会社に疑問をもっても、その時点では太刀打ちできるものではないのです。工事を停止させても、その後の施工段取りの責任問題が生じる可能性があります。 要するに、建築主が問題だと判断した。→施工者は問題はこの程度ではないと判断。両者は解釈が真っ向からぶつかる。 そうなると、建築主は施工者の問題ないという判断を覆す根拠が必要になる。(ここでのご相談もその根拠を探すためだと思いますが) そこで、よろずのような場所で誰かに相談する。で、助言をもらって解決するか?それはケースバイケースです。 応じる場合はめでたしですが、応じない場合はここでの相談は参考でしかないので、正確さを求めるには工事監理者がその判断する 全ての要なのです。しかし、貴方はその監理者を選任していないので、その監理者は業者側の人間で施工会社の代弁者となるので、 話がこじれて解決が明確にならないという状況になります。 外部の建築士の意見は参考にしかなりません。当事者である、工事監理者を選定することが以下に重要であるか、理解してもらえると思います。 過ぎてしまったことではありますが、貴方が選定した建築士の監理者であれば、配筋のカブリ、配筋ピッチ、継ぎ手、定着、鉄筋径、コンクリート強度計画書、など全て確認し、是正させていることでしょう。あなたが、こんなに心配することはなかったのです。 そんな重要な監理者の選定の権利を放棄した場合はこのような事態になります。 今からでも監理者の変更を役所に届け出ることをお勧めします。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | こんにちは。 その節は皆様に解説アドバイスいただき本当にありがとうございました。 やっとひと段落しましたのでご報告させていただきたくメール致しました。 現場はプロの方3名の方に確認していただきましたが欠陥というほどではないけれど やはり雑とのことでした。 もう一度社長にお話しましたが、これ以上どうすることもできないし問題のない現場ですから!とのことでしたので解約依頼しました。 欠陥まではいかなくともこういった場合の対応の仕方や会社の姿勢に疑問が残るし不信感は拭えなかったので。。 数日後請求書明細が届きました。 着工金を300万支払っていたのですが半分近く戻るということで合意しサインをして返送しました。 その後引き渡し確認書が送られてきてそちらにもサイン返送後指定口座に返金されました。 それからは現場を見ていただいたプロの方のところで工事の引継ぎをしていただけることになり打ち合わせが始まったところです。 予定よりかなり工期が延び150万以上失ってしまいましたが解約して本当によかったと思っています。 業者によってこんなに対応が違うのかと、改めて感じています。 今回解約した業者は最後まで謝罪の言葉はなく信頼してもらえないからこうなった。。と押し付けるような態度でしたが もめる事に労力やお金を費やしたくなかったので話し合いも穏便に進めましたが これもよかったと思います。 ここで建てている方もいるようですし うちとは相性が会わなかったと考える事にして、、、今回はとても勉強になりました。 こちらで頂いたアドバイスも 私の行動の後押しをしてくれるものとなり感謝しています。ありがとうございました。 |
その後 |
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