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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1179 どのような工法で家を建てるのがいいのか?

 相談概要 [氏名] YK
[相談建物予定地] 東京都世田谷区
[職業] 会社員
[年齢]
[女性] on
[構造] わからない
[引渡し年月日] 西暦 2008年5月31日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 3
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 30.12
[工事請負金額]
[設計監理料]
[様態] 注文建築
 相談内容 [家づくりの相談内容]
建築の知識がなく、どのような工法で家を建てるのがいいのか悩んでいます。場所柄地震に見舞われた時に、耐震性だけではなく、耐火性も備えていたいと思っています。
30.12坪で建ぺい率60%、容積率200%と土地も狭く、又時間的に余裕がなく、予算も30.12坪で二世帯で,800万円位なので、このような制約を考えると、2×4やプレハブが現実的なのかと思います。しかし、プレハブでも、木造か、鉄骨か、コンクリート板がいいのか。

素人目には耐震性と耐火性といったら、コンクリートがいいような気がするのですが、今は木造も耐火性が高くなって、それ程変わりないのか。
又、家は少し高台に立っており、2メートル位の石垣があるので、コンクリートだと重みに耐えならない場合があるのか。又、玄関に面している道路が4m位しかない狭い道路なので、コンクリート板を搬入できないといったことがあるのか。
木造に比べるとコンクリートは予算的に坪当りかなりの価格差があり、予算内では無理なのかなどお教え頂けますか。基本的な質問ですが、よろしくお願い申し上げます。
 yorozuの感想 このような場を設けて頂けるのは、大変助かります。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 耐火や耐震は逃げ出すまでの時間を確保するのが前提で設計を行います。
それが結果的に地震や火災に強いと言うことになるのですが。
 地震:鉄筋、鉄骨、2×4、在来木造にしても、どの程度で設計するかが耐震性の大小となります。

建築基準法に最低レベルが定められていますので、その程度で設計するか、何%増しで設計するかによりますので、構造方式で決まる訳ではないと思って下さい。プレハブメーカーなどは、予めどの程度で設計するか、方針が決めてありますので聞いてみるといいでしょう。

 火災:内部で発生した場合と、外からの火災のふた通りがありますが、これも構造体にどの程度熱が伝わるかで、耐火性能の大小があると思って下さい。構造が木造だと燃えそうですし、鉄骨だと高温で強度が落ちて曲がりそうですし、コンクリートでも熱で爆裂しそうで・・・
 コンクリートを除くどの構造にしても、構造体を包み込む材の耐火性能に左右されるものですから、その材質によることになります。
 コストやその他を考えると、木造でも耐震性と耐火性をアップすることで、お望みの家ができると思われます。
 コメンテーター 
古賀 保彦 コメンテーターの古賀です。

 工法については、色々とお考えになっていらっしゃるようですが、立地や道路状況、隣接家屋の建て込み具合等の周辺環境をはじめ、住み心地や将来の改築の可能性、住まいとしてのあり方等、様々な面から総合的に判断された方が良いでしょう。解説にありますように、耐震性や耐火性は工法によって限定されるものでなく、建物にどれ位の性能を持たせるかというアプローチを採られた方がうまく行きそうに思います。

 まず工法ありきというお考えを一旦戻されて、ご要望の内容や住まい方を整理して、どの方法を採用する事で自分たちが描く住まいにより良く近づけられるのか、具体的に建築士にご相談なさってはいかがでしょう。
きっと良い方法を一緒に考えてくれると思いますよ。時間的な制約があるようですが、ずっと住み続ける事になる訳ですから、今の段階は慌てないでじっくり検討される事をお勧めいたします。
 事務局から 
  荻原 幸雄  工法などいろいろメリット、デメリットがありますから、悩ましいですよね。
建築は総合的な判断が大切です。
プレハブありき、も何らかの先入観だと思われますし、在来工法の選択肢なく2×4を記述しているのは2×4が耐震的という一般論からくるものですね。
在来工法でも構造用合板を利用することで、2×4よりもはるかに耐震的になります。むしろ、それ以外の将来のリフォームには2×4は最悪な選択となります。この点も総合的な判断が大切です。

PC版についても、問題は規格されているために敷地が狭い場合は設計の多様性から考えるとむしろ制約が出る場合があり、必ずしもリーズナブルということにはならない場合もあります。

混構造という選択肢も状況によっては一番適する場合もありますし、思い込みの総合的比較でなく、個別案件対応型による総合比較判断が大切です。

あなたの命を守ってくれるのは、プロの建築士に依頼することです。
建築のプロとはお金を頂いている人がイコールではありません。
あなたの目をみて、貴方の心に訴える話をし、それが整然と理論だっていて、自分のために真剣に向かっていると感じられる建築士に設計を依頼することが、全てです。
工法で安全を確保するという選択肢は少し、軽率であると思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 『建築よろず相談』運営事務局 荻原様
解説員 山口様
コメンテーター 古賀様

ご回答ありがとうございました。
私は工法だけで安全を保証しようと考えていたところがありましたが、どの工法でもやり方により安全は保証できるということと、さまざまなことを総合的に判断するのはやはり専門家の方に委ねた方がいいことがわかりました。
大変参考になりました。
ありがとうございます。

YK
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