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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 1178 チェックポイントを見て廻りましたが、何点か気になる点が

 相談概要 [氏名] FI
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 埼玉県蓮田市
[職業] ヘルパー
[年齢] 56
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦  2007  年 9 月13  日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 108,66
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 1372
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?] 4
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 6
[施工者名] S
[販売会社名] S
[設計者名] S外注
[監理者名] なし
 相談内容 [現象]
設計段階からちょっと疑問に感じながらも(設計士の提案力の無さ、催促しなければ打ち合わせをしない等)、おおよそ納得がいったので契約をし、現在、基礎に土台を載せ、間もなく上棟の予定です。

先日、いつものようにチェックポイント(素人なので自信はありません)を見て廻りましたが、何点か気になる所がありました。

基礎パッキンの位置が適切か?
触ったら動くものがある。
建物の隅の柱を立てる位置の土台の割れ。

このような状態は構造上、問題は無いのでしょうか?
知人の意見もまちまちで、どう判断してよいか分かりません。

施工者に確認しても大丈夫というばかりです。
きちんとした仕事ぶりは評判の所ですので、信頼して決めたのですが、、

実は、次に書きますように、相手の言うことを全面的に信頼できなくなった経緯があります。
最終打ち合わせ時に、構造の説明を受けた時の図面を見て、筋交いが少なく感じ説明を求めた時に、コンピューターで構造計算をしているから大丈夫とのことでした。

入れろというなら入れますが、入れればいいというものじゃないですよ、バランスや他の条件もありますから。
と言われれば、それを信用するしかありません。

しかし、家に帰って平面図を仔細に見たら、筋交いの入る位置の柱の一つが間柱でした。
この段階で、設計士に対する不信感が一気に噴出しました。
間違った設計図から、正しい構造計算が出来るのでしょうか?

訂正箇所が訂正されていなかったり、というミスが設計段階から目に付いたので、信頼できなくなっています。

私の指摘で、もう一度見直したらしく筋交いの入れ方が訂正されましたが(電話で言ってきました)、訂正した設計図は送られておりません。

私の心配しすぎか、この程度は許容範囲なのか、是非お教えいただきたくお願い致します。
数多くの相談があり、お忙しい所申し訳ありません。

[業者の見解]
木材の割れ、反りは必ずあるので仕方が無い。
契約書に明記してあるはず。
これからも柱などの割れはありますよ。
基礎パッキンは継ぎ手のメス側に入れるので、合っているはずです。
との返事でした。

[相談内容]
写真を見頂きたいのですが、この程度は許容範囲内でしょうか。

順を追って写真で説明いたします。
@継ぎ手の真下に基礎パッキンが入っていない

Aアンカーボルトの所に基礎パッキンが無い。

BCDは、いづれも建物の隅ですが、3箇所まで、このようなほぞ穴の割れがあります。









 yorozuの感想 私が心配している箇所に該当する、相談を読ませていただきました。
とても分かりやすく書かれていますので参考になりましたが、心配事は個々に違いますので、際限なくこのような相談はあるのだろうと思います。

欠陥住宅はつかみたくない思いから、過度に心配し、相談件数も多くなるのかもしれませんが、本来なら契約を結んだ会社が対応すべきことを怠っているから、このようなサイトが存在するのでしょう。

建物にかけるお金だけで大変な思いをしているので、それ以外のお金はかけたくないのが本音ですが、困った時に頼れる制度が出来ると良いのですが・・・。

ボランティアでしていることに頭が下がります。
総ての関係者が、このくらいの意識を持って家造りをしてくださればと思います。
アドバイザー 
木津田 秀雄 解説員の木津田です。

 写真も拝見させて頂きました。

 1.継ぎ手の真下に基礎パッキンが入っていない
 基本的には継ぎ手の両側に入れる事が望ましいと思います。
 基礎パッキンのメーカーの標準仕様書があると思いますので、見せてもらい確認して下さい。

 2.アンカーボルトの所に基礎パッキンが無い。
 写真の部分ではアンカーボルトの両側に基礎パッキンがありますので、強度的には入れなくても良いと思います。標準仕様書ではアンカーボルトを挟んで入れるようになっていると思いますが。

 3,4,5,は、いづれも建物の隅ですが、3箇所まで、このようなほぞ穴の割れがあります。
 建て方の際にできたひび割れだと思いますが、深く無いようであれば、外側から帯び金物で補強するなどでの対応できると思います。すくなくともこの部分が容易に外れないような処置は必要だと思います。
山口 雅克 解説員の山口です。

 写真番号にそって説明します。
1:アンカーボルトの位置はOK,基礎パッキンは今の位置とその左の土台継手で下になっている方にも必要です。

2:アンカーボルト部分に入れ忘れたので、その両側に入れたのでしょうか。簡単にズレないようでしたらこのままでかまいません。できれば、もう少しボルトにくっついた方がいいのですが。

3〜5:出隅の土台のこの部分はどうしても割れやすいですね。望ましいことではありませんが、この程度でしたら特に全体の構造的に問題がある分けではありません。
柱と土台の接合には金物などを使いますが、それに頼った設計になっていますので心配は無用でしょう。
 笠原 歩 解説員の笠原です。

写真を拝見しました。結論から言えば、この程度は許容範囲といってよいでしょう。全体の中でどれくらいがこの状態なのかにもよりますが、問題になるような事ではないと思います。

筋交いの件は、計算書と図面の食違いだと思いますがもう一度再チェックをしてもらい、きちんとしたものを受け取っておきましょう。筋交いの数が少なく感じるのは「合板で耐力壁を構成している部分が多いため」と想像します。この辺は設計する建築士により考え方が違うので、納得できるまで説明を聞いてください。

文中、信頼して決めたのですが〜信頼できなくなった、とあります。せっかく縁があって工事を頼んだのですから、ある程度は業者を信用して任せてみましょう。工事が終わってからもメンテナンスその他で長いお付き合いになります。気持ちのいい関係を築いておいた方がいいと思います。 
 コメンテーター 
古賀 保彦 コメンテーターの古賀です。

 FIさんのようにご自分でも勉強しながら住まいづくりに取り組む事が大切だと思います。
ただ、難しいのは、何かおかしいと感じながらも、それをどうのように判断したら良いのか、という事でしょうね。
 当たり前のように思える事でも、実際の現場ではどのように施工される事が多いのか、それをどうのように修正すべきなのか・・、これには経験も専門的な知識が必要になってきますから、一般の建築主さんでは手に負えないのが普通だと思います。建物には要点がたくさんありますから・・。

「yorozu」の感想・ご意見にご記入いただいているように、建物のお金だけで精一杯、というのが大方の建築主さんの実情だと思いますが、もう一歩踏み込んで、第三者の専門家の仕事は、そのお金を生かすためでもある、と思っていただけると幸いです。

 各解説員の説明をご参考に、先方の設計者・施工担当者に説明を求めてご納得の行く様にお進め下さい。図面は構造図も含めて発行してもらうようにして下さい。自分の家の構造がどのようになっているのか、図面が無いと分かりませんし、将来リフォームする際にも必要ですので。
 事務局から 
  荻原 幸雄  土台継ぎ手は腰掛蟻継の腰掛ける側に基礎パッキンがないと下がってしまいます。
入れてもらってください。これは許容範囲ではありません。

他は問題はないと思いますが、コーナーはホールダウンになっているのと、構造用合板がコーナー外部側に張られて釘打ちされるので、外れることはないでしょう。心配はいりません。
柱の下にはなくても両側にあれば通常はOKです。通常でない場合はここの柱の軸力が大きい場合は柱下にも入れたほうがよいでしょう。通常は問題はないと思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お礼が遅れて申し訳ございませんでした。
お忙しい中、とても丁寧で分かりやすい解説に、改めて、あり難く感謝の気持で一杯です。

先日は藁をも掴む思いで、相談させていただきました。
何分、翌々日に上棟を予定しており、担当者のすげない対応に、設計士さんに抱いた不信感が、又も思い出されました。

監督さんは、翌日、指摘された箇所を点検したようです。
私も改めて見みましたが、基礎パッキンもきちんと入っていました。

その後、大工さんと話す機会がありましたが、ほぞ穴は、プレカットでやると割れが出やすい、たとえ綺麗に開けても、地震などの力がかかると壊れやすい場所であること、そのために金具で連結する部分の補強をするようになった等、素人でも分かりやすい説明をしてくれました。

設計士、監督さんは忙しく、細かなことに構っていられないので、此方の心配に付き合いきれなかったのかもしれません。
それでも監督さんは、質問に対してフィードバックはあるし、大工さんは真面目な仕事ぶりです。それに大工さんとは、上棟後4,5日たった頃から気楽に話せるようになりましたが、先生方の説明と同じだったことなどから、信じて任せようという気持になりつつあります。

木津田様、山口様、笠原様、古賀様、おぎわら様、ほんとうにご丁寧なアドヴァイスを頂きまして有難うございました。
 その後  
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