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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 1169 高性能住宅(夏涼しく、冬暖かく、省エネ)を希望だが・・・

 相談概要 [氏名] T.J
[相談建物予定地] 茨城県那珂郡
[職業] 会社員
[年齢] 44
[男性] on
[構造] その他の構造
[引渡し年月日] 西暦    年  月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 132
[延べ面積坪] 40
[工事請負金額] 2300
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?]
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?]
[施工者名] M建設
[販売会社名]
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [家づくりの相談内容]
 お世話になります。
 さて、建設会社の説明に納得できないので、ご教示下さいます様お願い致します。
「WB工法(壁の内の断熱材の外側と断熱材の内側の2重通気工法)の構造は、窒息気密住宅の欠点と外断熱の欠点を克服する工法である。」との説明を受けましたが、窒息気密住宅の欠点の克服については正しいと思いますが、外断熱の欠点の克服については誤りではないかと思いますが、自分の考え方は正しいでしょうか?。尚、この建設会社は外断熱はやっていません。

 自分は高性能住宅(夏涼しく、冬暖かく、省エネ)を希望しています。従いまして、これを実現してくれるかどうか技術的な質問を業者にしますが、業者に都合のいい回答しか得られません。A業者が外断熱で、B業者が内断熱だとそれぞれの言う事は正反対で、誰の言う事が妥当なのか分かりません。予算が決まっているのですから自分の希望を実現できる最良の業者は1つのはずです。誰の言う事が最も妥当なのかどうやって判定すればよいでしょうか?
 yorozuの感想 このように中立の立場で専門家から意見を聞ける事は貴重な事だと思います。
家造りをカタログショッピングのように簡単にしてしまう人が多いので、日本の住宅事情はなかなか改善されないと思います。本ホームページにより、家造りをみんなが真剣に考る様になればいいと思います。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 「WB工法(壁の内の断熱材の外側と断熱材の内側の2重通気工法)の構造の詳細や仕様を知りませんので適格なアドバイスになるか分かりませんが、お話します。

 一般に、外断熱は鉄筋コンクリート造の建物等に適した工法で、ここで言われているAとBは外張り断熱工法と内充填断熱工法のことでしょう。
 確かにあなたの希望を実現できる最良の業者は1つのはずですが、それを決めるのはあなたなのです。私たちは工法の良し悪しに判定をつけている訳ではなく、建主の家づくりの条件にどれが適しているかを見極めて設計をしていきます。

 家づくりの要望として「夏涼しく、冬暖かく、省エネ」はどの建主も希望としている当たり前のことです。それに、できるだけ安くも同じことです。設計者もできればそうしたいと思って設計しています。
 様々な条件の中で、どれがあなたの家に適しているかを判断するのが設計者の仕事なのですが、今回はそれぞれの工法を売りにしている住宅会社とそこに所属する人との話なのですから、ここでそれを判断するのはできないと考えます。
 私たちは、単に外張り断熱工法と内充填断熱工法、WB工法ではどれが優れていますかなどと聞かれた場合は応えようがないのです。なぜなら、それらの仕様も詳細も仕組みも分かっていないからです。
 少し冷たい?解説ですが、建主それぞれに価値観があり住人十色(駄洒落?)ですから「夏涼しく、冬暖かく、省エネ」にも色々な方法が建主ごとにあると思って下さい。

 どのような工法にも共通して言えることは、家全体を性能の高い断熱材で隙間なく包み込み、屋根で遮熱し、軒の出や開口部の大きさや断熱に工夫をすることです。
(財)建築環境・省エネルギー機構が推進している「自立循環型住宅への設計ガイドライン」などもありますが、それにも目標レベルを設定して進めていくことが書いてあります。予算の範囲内で何を手にしたいかを最終的に決めるのは建主自身であることを分かって頂くと問題は解決するのではないでしょうか。
久米 能子 久米と申します。

 ご予算が決まっていても、選択される最良の工法がひとつとは限りません。家は構造だけでなく、ご家族のさまざまな意匠や設備に対するご希望をトータルして出来上がるのですから、どこにどのような予算配分を行うか、あるいは、単に好みによって、そして、設計をする建築士の個性によって、数多くの計画がなされるはずです。

 私のところにも、家つくりに真剣で熱心な建築主の方々が来られますが、中にはやはり多くを勉強するがゆえに混乱されておられる方もいらっしゃいます。

 各業者はT.Jさんの言われるように自分の会社の工法を進めるのは当然ですから、どんな工法を選択するかは工事請負に利益を伴わない、T.Jさんの立場でアドバイスしてくれる第三者の専門家に相談するしかないと思います。

 それが難しければ、何かひとつご自分が重要と思われることだけを大切にして、業者決定し、あとは信頼するしかないでしょう。
 コメンテーター 
畔上 廣司 コメンテータの畔上です。

 正直なところ、T.Jさんの仰るこの工法の構造や仕様を全く存じませんが、恐らくは最近開発された構造等のデータの少ない通気断熱関係の工法であろうと思います。
 この工法の技術的な問題を論ずる前のお話しとして、現状が業者相見積の段階か、それとも工事請負契約済みなのか、或いは既に工事着手しているのかによってだいぶ解説も変わってくるのかなと考えます。

 施工会社が高性能住宅商品などと称して宣伝文句を掲げるのは自由ですが、通常どんな優れた住宅工法があったとしても、その工法に対する技術者の理解度が重要です。
また、適切な工事施工や監理が行わなければ建物の性能を生かすことはできません。

 気に入った工法を予算と併せて研究し、工法に不安がある場合は回避して納得できるものを選択することは予想以上に大変かも知れません。解説委員の回答にもありますように、工法を最終的に決めるのはご自分です。どんな工法を選択するかは、ご自分の立場でサポートしてくれる専門家に相談することでしょう。

 最も合点のいく工法を頑張って探してください。
 事務局から 
  荻原 幸雄  この工法はwebのHPからでは詳細が不明です。理論はわかるのですが、壁、屋根、床構造の詳細が記されていませんので、コメントのしようがありません。図からすると、外壁は通常の外断熱でそれの取り入れ口に特許がある。内部も循環指揮の機器が特許があり、内部の気流をうませているようですね。

それぞれ、理論的には理解できる内容です。この外断熱の欠点というのが、通常は夏は通気層は有効ですが、冬は多少の冷気が入り込み、外壁材がない部分だけ、直接性能が落ちるのですが、その性能は僅かだとは思いますが、僅かでも、ここでは冬の冷気をシャットアウトすると謳われているのですから、力説したい点でしょう。

理論的に働けば効果はあるとは思います。

性能がようものは誰でも望むことです。それには対価が変動します。ですから、悩ましいものです。
よく、誤解されるのですが、いろいろな工法がありますが、それらが、確実に機能を十分発揮するにはその工法の理解を施工会社だけでなく、設計者も熟知していなければなりません。そして、もっとも重要なのはその設計者が工事監理でそれを実行する施工会社に第三者的に指示できるシステムが必要と思います。

いろいろな新しい工法がこれからも出ると思いますが、それらの理論が適切に現場で実現されるかがより大切になります。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 運営事務局の荻原様
解説委員殿

ご回答有難うございます。
現在は見積もり依頼するメーカーを2社程に選定しました。
WB工法は調べた限りでは、自分の予算内で最も理にかなった工法と考えますので外断熱の会社と内断熱の会社の構造見学・宿泊体験の上、両者に見積もり依頼を実施し、プランを比較し、信頼できる方に決定したいと思います。
 その後  
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