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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1168 2階建住居兼教室のような建物の構造、工法は?

 相談概要 [氏名] Y.S
[相談建物予定地] 福井県坂井市
[職業] 英会話教師
[年齢] 35
[女性] on
[構造] −
[引渡し年月日] 西暦    年  月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 35
 相談内容 [家づくりの相談内容]
現在個人で英会話教室を開いており、手狭になったので、新しく教室を建設したいと考えています。既に、土地は購入済です。
2階建てで住居兼教室のような建物を建設したいと考えています。
基本的には1階に教室(10畳程度)を設け、将来的には2階で塾も開設したいと思っていますので、8〜10畳の部屋を2部屋ほど教室用に作りたいと思っています。
 塾という関係上、10〜20名程度の人数が出入りすることになると思うのですが、通常の工法で家を建築してよいものでしょうか?
それとも、強度を強める必要があるのでしょうか?
 これから住宅メーカーなどを回る予定で、まだ何も情報がないのですがお時間ありましたら回答よろしくお願いします
 yorozuの感想 とても参考になります。
アドバイザー 
堀住 勝雄 堀住です。

通常の住宅の設計基準では1平方メートルあたり180kg、8畳間でおよそ40人の重量に耐えることが最低基準です。したがって強度上の問題はどんな工法でも心配いらないと思います。
計画上は生徒さんの動線やトイレの位置などを考慮してください。2階を使う場合には階段の巾や勾配が一般住宅の基準のままでは問題があるかもしれません、このあたりは量販型のハウスメーカーでは対応できないおそれがありますのでご注意下さい。

生徒の自転車や自動車の問題、騒音の問題など強度以外の検討課題はたくさんあります。
営業職ではなく技術者(建築士)と打合せを行ってください。
津村 泰夫 津村です

 住宅ではなく教室という用途に使う予定のようですが、建物の構造計算をする際に「積載荷重」というものが違ってきます。塾ですので「事務所」として「積載荷重」見ておいた方がよいかも知れません。床にかかる積載荷重は住宅よりも教室、教室よりも事務所の方がより大きなもとして計算しなくてはなりません。
 構造的な問題の他に、建具や設備機器など、住宅用では耐用性に問題のあるケースが多く、教室に適したものを採用すべきでしよう。また「避難」などの観点から必要な設備機器も出てきます。建築士に相談されるのがよいと思われます。
 住宅以外の用途についてはハウスメーカーでは十分な対応の出来ないところが多いと思います。住宅と同様に建てたために後で問題を引き起こしたケースでの相談が多く寄せられます。
 山口 雅克 解説員の山口です。

 工法としては何も悩むことはありません。一般住宅で塾をされているところは沢山あります。
ただ、人が集まるだけなら構造的にたいした問題ではありませんが、本や資料を一般住宅以上に置くとすれば配慮が必要です。
 相談の文面からは特別な人数が出入りすることには該当しないと思われます。1階の床の作りは一般住宅程度でかまいません。2階の床も同様ですが、御心配なら床を支える梁を少し大きめにする程度で大丈夫です。 
 コメンテーター 
畔上 廣司 コメンテータの畔上です。

 我が町でも2階建て住宅に英会話塾などを併設した兼用住宅が沢山あります。
1階、2階共に8〜10帖程度の教室でしたら解説委員の皆さんが回答されているように、一般住宅の構造を強化した程度で問題ないと思います。ただし、教室として利用する場合は人の出入りも多く、床や壁などに予期せぬ荷重が掛かったり、建具の開閉も多く早めに傷むことも考えられますので、比較的耐久性に富んだ下地や仕上材の選定を考慮したいものです。

なお、どのような様態で住宅メーカーに注文されるか分かりませんが、住宅メーカーでは対応できないケースも多々見られますので注意が必要です。建築士に相談されるなど、設計上の問題点を事前検討しておくことも「転ばぬ先の杖」でしょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄  ハウスメーカーでも対応はしますが、このような建物を特別建築、所謂、特建として扱います。
本来の業務より外れたものはノウハウが少ないところが多く、ほとんどが、外注設計事務所に委託して設計をし、施工も外注施工会社に依頼することになります。

会社によっては社員のように名詞まで作らせて、自社施工のように振舞う会社もありますので、当然、金額はこの特建はマージンをとられるだけなので、割高になります。

態々、苦手な会社に高いものを依頼することになる場合もありますので、注意が必要です。
通常の工法でも可能ですが、用途が変わり構造設計の荷重の適用が違うので、梁や柱、床の設計がその用途で設計しておけば、構造的には何ら問題はありません。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 建築よろず相談にご解答くださった建築士の皆様、事務局荻原さま

このたびは、私の相談事に複数の方々が、とても丁寧に回答くださり、本当にありがとうございます。
塾の建築に関して、いろいろ心配していたところ、このように複数の建築士の方々から回答をいただき、大変参考になります。

建築よろず相談、今後とも参考にさせていただきます。
本当にありがとうございました。
 その後  
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