相談概要 | [氏名] Y.H [相談内容:] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 千葉県長生郡 [職業] 自営業 [年齢] 29 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦2005年7月1日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 1 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 22 [工事請負金額] 650 [設計監理料] 80 [様態] 注文建築 [施工者] 大工(工務店) [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] − [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] - [確認申請の為の委任しましたか?] - [確認申請書お持ちですか?] - [検査済証は有りますか?] − [設計図面は何枚もらいましたか?] 3 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 5 [施工者名] [販売会社名] [設計者名]TS [監理者名] |
相談内容 | [現象] 引っ越した当初から雨漏りが続き、最初は設計士さんも一緒に補修を手伝って下さったのですが、まったく解決せず未だに雨の度ひどい雨漏りに悩まされています。 現在、店舗併用住宅ですが、現在の建物を売却し、その資金で新たにお店を開かなくてはなりません。 新たな開業資金のため、また引っ越し先では店舗と家の家賃も発生しますので、できる限りの価格で売却したいと考えています。 建築して現在は1年半、ただ、自分達で内外装や屋根も施行しているため、どういう査定になるのか大変不安です。 外壁やうち壁は土壁で塗ってあり、とても雰囲気のある建物ですが、その点は査定されるのでしょうか? この雰囲気、建物が気に入って..と購入していただくには、普通に不動産屋さんにお願いすると難しいと思うのですが、どのような方法で売却を進めたら良いのでしょうか? また、家部分は内装がペンキ仕上げで、一間にロフト、時間と予算の関係で、住みやすい家という感じでは無く、正直、直さなければいけないような箇所が多数です。 ここをこう直すとこれくらい査定が上がる/ここは直しても意味はない/こう直せばよい..など、実際に見ていただき、アドバイス頂きたいのですが、建築鑑定士さんなどにお願いすると数十万ほどかかるということなので、その予算が出ません。 特殊な形態で建て、売るつもりが無く建ててしまった家ですから、机上の審査(これだと、わりとお安い審査料のようですが..)でなく見ていただかなくては、査定できないと思います。そして、見ていただいて、しっかりした査定の診断書が欲しいのでなく、ここをこうしたらというアドバイスを受けたいのです。なかなか知り合いでもないとやってもらえない相談なので、悩んでおります。査定や直しが進まないと、次の店舗にかけられる予算も分からず、動きがとれない状態です。 今は田舎にある店舗のために、近隣の方に知られずに査定、売却を進めていきたいのです。 売却ぎりぎりまで店舗は運営しなければなりません。 [業者の見解] 建築した当初は一緒に屋根の補修をしていただきましたが、現在は連絡を取っていない状態でおります。 なんとなく、ぎくしゃくし、連絡や相談もしにくくなっております。 ただ、誰の保証も無く、自分達でやるしかないと、当初から言われております。 [相談内容] 予算の関係から、自分達で土間コンクリートを手伝い、シロアリ駆除の薬剤を塗ったり、屋根張りから、内装や外装、壁塗りまでをすることとなりました。ところが屋根張りを自分達で行ってしまったことで、どうしたらよいのか困っています。 引っ越した当初から雨漏りが続き、最初は設計士さんも一緒に補修を手伝って下さったのですが、まったく解決せず未だに雨の度ひどい雨漏りに悩まされています。 業者が入っていないために、何の保証はなく自分達で補修をするしかないのですが、どのようにしたらよいのでしょうか?業者さんに頼むとどれくらいの費用がかかりますか?雨漏りにあてられる予算がほとんど無く、自分達も乳幼児を抱えており、困っています。雨漏りの原因は分かっていますので、部分的な補修で良いのですが..。また屋根材はシングル材というものです。自分達で行うとすればどのように補修をすればよいのか教えていただきたいです。 設計士さんとはその後少しゴタゴタし、1年近くお会いしておらず、相談もし難い状態となってしまっています。私たちは素人で建築などは初めてだったために、屋根がこんなに大事で複雑なものだったとは知らなかったので、自分達で施してしまったことを大変後悔しております。 もう一つ、両親の体調の問題で、この先1年以内に引っ越しを考えております。現在、店舗併用住宅ですが、現在の建物を売却し、その資金で新たにお店を開かなくてはなりません。引っ越し先では貸店舗になります。新たな開業資金のため、また引っ越し先では店舗と家の家賃も発生しますので、できる限りの価格で売却したいと考えています。 建築して現在は1年半、ただ、自分達で内外装や屋根も施行しているため、どういう査定になるのか大変不安です。今は小さな子供が産まれたばかりで、貯蓄もありません。 外壁やうち壁は土壁で塗ってあり、とても雰囲気のある建物ですが、その点は査定されるのでしょうか? この雰囲気、建物が気に入って..と購入していただくには、普通に不動産屋さんにお願いすると難しいと思うのですが、どのような方法で売却を進めたら良いのでしょうか? もう一つ、今は田舎にある店舗のために、近隣の方に知られずに査定、売却を進めていきたいのです。売却ぎりぎりまで店舗は運営しなければなりません。 |
yorozuの感想 | 様々な問題を抱えていらっしゃる方がいて、建築の難しさを痛感しています。ただ、このHPでどんなに救われるか、希望が持てるか...と、きっと大勢の方の力となっているのではないかと思います。 |
アドバイザー | |
津村 泰夫 | 大阪の津村と申します。 建物の補償鑑定を専門にしておりますが、不動産を売買する際の価値は、建物として使用した場合の価値が判断されます。 まず、雨漏りは絶対補修しないといけません。あと、建物としての基本的性能がどのようなものか、使い勝手はどうか、ということになるでしょう。 ご近所の不動産屋さんに見てもらい、「売値」を付けてもらってみてください。そこで期待したほど値がつかない場合は、どこが悪いのかを教えてもらい改善すればよいでしょう。改善については建築士にアドバイスをもらう必要があります。建物を見ていませんので何とも申せませんが、建築士が建物全体を調査し、建物の基本的性能を保つためにはどの部分を補修し無ければならないか、またその費用はおおよそいく らぐらいか、回答できると考えます。 |
久米 能子 | 久米と申します。 津村解説委員の言われるように近隣の不動産会社にまず査定してもらうのが良いでしょう。ご近所に売却のことを知られたくないというご事情はよくあることで、不動産会社はそのような依頼には馴れているはずですから、売却情報を公開せずに対応してくれるはずです。 ただ、建物の補修は住むのに支障がないように完全になおさねばなりません。査定があがるとかあがらないとかいうことによって行われる補修もあるかもしれませんが、それ以前に、次に住む人のことを誠意を持って考えねばなりません。 特に雨漏りを中途半端に補修して完全になおらない状態で補修済みとして売却すれば、売却後にさらに雨漏りの補修費用が買主側で発生した場合、その修繕にかかる費用を求められる可能性もあります。 また、かなり個性的な建物のようなお話ですが、そのような建物を面白い、楽しいとうけとめて購入される方は増えているように思います。あまり一般解になるように気を使って意匠的な補修をして費用を余分に掛けられるよりも、一度そのまま売り先を探すのもよいかと私は思います。 当初の建築士に相談できないのであれば、別の専門家に依頼して、必要十分な補修計画をたててください。きちんとした補修計画と施工のためには、専門家からアドバイスを受けただけの、またもやY.Hさんによる自主施工ではもはや無理があると思います。施工もきちんとした工務店に依頼する必要があるはずです。 事前補修と売却についてよく検討し、もしも資金繰りの再検討が必要ならばそこから再度、考え直されるべきかと思います。 |
コメンテーター | |
畔上 廣司 | コメンテータの畔上です。 独自に仕上げた内外の土壁の雰囲気も気に入っているようですが、ご自分達で手に掛けた建物を手放すのもさぞ辛い事でしょう。しかし、プロでも心配な屋根葺き工事は大失敗であったと思います。 対処法としては、やはり津村、久米委員の解説どおりご近所で依頼可能な不動産屋さんの売買査定を受けたうえ、取引価額を設定してもらうことでしょうか。 また、トラブルの原因となる雨漏りの修繕は必ず必要ですし、建物の価値判断は住まい手の個性や考え方によっても異なってきますので、代わって住む人のことを考えた支障ない程度に修繕しておきたいものです。 なお、既存建物の補修や修繕費用の見積には事前の技術的調査と検討が重要になりますが、今般は工事施工にも確りした工務店の選定が必要だと感じます。建築専門家にはアドバイスや査定をはじめ、総合的判断が求められるケースでしょうか。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 個性的な家はこれからも需要が増えるとは思います。 現在のように、個性が重視される時代の中で家作りも、その流れに変わりつつあるのは必然性があるからです。しかし、残念なことに、不動産価格は今現在は一般的に個性ある家でもなんら査定の対象に入りません。ですので、個性的な家が価格がUPするという定義には一般的にはならないのです。どうしても個性の強い家は好き、きらい、がはっきりでるからです。 デザイン性は例えば絵画で例えれば、ゴッホが好きな人、ゼザンヌが好き、ピカソが好き、どれもデザインは優れていますが、好みは違ってきます。ですので、好みの合う人は購入すると思いますが、それは多くの需要の中の一部であり、その人を見つけるには不動産業界の流通に乗せないと永遠と買い手が見つからないでしょう。 雨漏りが直らないで購入する人は価格が安くないと手がだせません。また、隠して売ることは違法になります。 ですから、直すしかないのです。 価格を上げることは多少はできると思いますが、リスクが大きいものです。お金を100万かけてもそれ以上の価値は通常はなくなります。 雨漏りの原因がわからないということは、設計者が未熟であるということです。 それが補修できないこと自体に建物全体としていかがなものか?という感想を持ちます。 後悔しても仕方がないので、先ずは、雨漏りを直すために第三者の建築士に調査を依頼し、補修設計、見積もりをすることです。これを超えられないと永遠に売却できないことになりますから・・・。 価格交渉はその後です。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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