相談概要 | [氏名] M.T. [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 高知県四万十市 [職業] 事務職 [年齢] 31 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 2006年 11 月 25 日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 107 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1300 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] ? [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。 [18確認申請の為の委任しましたか?] した。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 2 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 2 [施工者名] M [販売会社名] M [設計者名] W設計 [監理者名] |
相談内容 | [現象] 昨年の11月に新築完成し、11月末には引越し新居生活をスタートしました。引越ししてすぐに欠陥、業者のミスが明らかになりました。 迅速に対応してくれればいいのですが、幾度と補修の要求をしてもなしのつぶてです。 信頼して依頼した業者だったのですが、今は悪徳業者としか思えません。 引越ししてからの家の現象+業者のミスを書かさせて頂きます。 @床なり A戸が開かない(ひどい所は足で蹴らないと開きませんでした) Bロフト部分の小窓から風が入る(2箇所) C風呂場の格子が付いていない D畳が自分達の要望と違う E備え付けの食器棚の扉が勝手に開く(1箇所) F鍵の受け渡しがされていない G工事請負契約書に収入印紙が貼られていない [業者の見解] @年内に1階だけ補修してくれました。 その際業者は「シックハウスの関係でのりを使えないからだ」と言いました。 補修の際私の実父も立会いましたが「コストダウンの為に幅広にしてただけだ」と言っていました。補修後は床なり もしませんし、床を踏んだ感じから違いました。2階は補修要求を1月からしていますが、未だ連絡なしです。 A年内に補修しましたが、戸全てはしてません。未だに開きにくいところがあります。足で蹴らないと開かない戸につ いては「最終確認の時は開いていた」と言いました。 B単なる扉のつけ忘れでした。しかし、風が強い日は扉がパタパタと開くのでその補修要求もしていますが未だ連絡なしです。 C設計図にきちんと記載されているのに付け忘れ。しかし、取り付けに来た業者は「設計図には記載されてなかった」 と言いました。 D畳の入れ替えを要求しましたが、出来ないと言われ自分達で替えました。 E自分達で直しました。 F工事用の鍵を3ヶ月ずっと使用していました。気付かない私達もいけないのですが、引き渡しの際業者から何も受け取らないし、説明もありませんでした。キッチンカウンターテーブルに無造作に説明書や保証書(システムキッチ ン、バス、トイレなど)が置いてあり、その中にサッシの説明書が紛れていて紙袋に入った新しい鍵も入っていました。その鍵に気付いたのは昨日で、その鍵を使うと工事用の鍵は使えなくなるという事もその時初めて知りました。 G住宅ローン控除の手続きに税務署に行くと「工事請負契約書に印紙が貼られていないので無効です」と言われました。業者側にも貼られていませんでした。私達は素人で分からない事ですが、専門の方にしてみたら初歩的な事だと 思うのですが・・・。この件も調べますと言ったきり連絡なしです。 [相談内容] 長文になって申し訳ありません。 ハウスメーカーや工務店ではなく材木屋が建てた家です。(建設業許可は取得してました) 新築してすぐ色々な問題が生じ、それに対して迅速な対応もない、誠意もない業者に私達は不安で一杯です。 私達は欠陥、問題が生じたらすぐに対応、説明してもらいたいだけなのです。一度社長ときちんと話をしたいと言っているのですが、話しに来るのはいつも社長の奥様です。奥様が主に営業をしている様です。奥様からは「社長は全て補修が終わってから話しに来るそうです」と言われていますが、補修も進んでいないし補修が済んでから社長が話しに来るとも思えません。 幾度と補修要求しても連絡がない場合どうしたらいいのでしょうか? アフターケアの内容をきちんと文書で書いてもらうというのを耳にした事があるのですが、具体的にどのような事を書いてもらえばいいのでしょうか? 上記も拒まれた場合最悪裁判しかないのでしょうか? 欠陥部分もあるのですが、主に施工側と施主のトラブルについてですので写真は送付しておりません。 これから私達はどうすればいいのかアドバイス頂けたらと思います。よろしくお願いします。 |
yorozuの感想 | 家を建てる前にこちらのHPを知ってれば・・・と思いました。 過去の相談を読みましたが、解説して下さる方がとても丁寧で相談する側にしてみたらとても有難いです。 こちらのHPのおかげで、泣き寝入りしなくて済む方がたくさんいるんだなと思いとても心強く思いました。 |
アドバイザー | |
古賀 保彦 | 解説員の古賀です。 当方は設計監理の立場ですが、完成した建物に不具合が生じた場合、施工会社に内容を伝える際、項目がたくさんある場合はメモ・文書にして渡しています。そうする事で、相手窓口から実際に現場へ向かう職人さん達への連絡にも間違いが生じにくく、お互いの備忘録にもなって不具合に対する接し方が変わってきます。また、各手直しに対して、対応しないといけないと思いながらも遅れ遅れになってしまう相手の場合もありますから、いつ現地に伺うかという事を、渡したメモ・文書に記入して返信してもらうようにしています。 建て主さんとは立場が違うこともあるせいか、上記の様な方法で施工会社からシカトされた事はありませんが、どうしても言う事を聞いてくれない場合は、事前に通知する事は勿論の上で、他の施工会社で手直しを済ませ、請求書を送付する手もありかなと考えた事はあります。相手が払ってくれなければ建て主さんの負担になってしまうのでお勧めできる方法とは云えませんが、毎日不具合に不愉快な思いをするよりは相手が悪かったと思って、いっそその方がサバサバできるようには思えます。 それが出来なければ、気長に待つか、内容証明を送って訴訟に備える事になりそうですが、訴訟の場合は不具合の妥当性を客観的に判断する必要がありますから第3者の専門家に入ってもらう事も考えなければなりません。 相談の内容では戸の開閉に支障があるようですが、単に建具の施工が悪いだけでしたらまだ良いのですが、直しても再発する場合は建物の歪みが原因かもしれませんので、継続的に注意した方が良いでしょう。 鍵については施工会社として説明すべき事項ですが、それができていないというのは、工事請負に慣れていないのでは、という気もします。 契約書を2通作成する場合は、お互いがそれぞれの印紙代を負担するのが普通です。 いくらの印紙が必要ですという説明は必要だっだでしょうが、ご自分の分が貼られていない事に対して相手方に請求できるものではありません(契約見積等で印紙代を払う事になっている場合を除いて)。 その他は、単なる施工ミスか工事内容に入っていたかどうかの確認も必要です。 信頼関係が崩れ始めると、お互いが疑心暗鬼になってしまいがちですが、信頼関係とは何をもって構築できるのか、という事も考えながら進めていかねばなりませんでした。口約束では、話す方と聞く方のつもり違いもあって、意志疎通が曖昧なまま進んでしまう事もあるものです。 それでは困ることがありますので、設計図書や契約書・工事費明細、アフターサービス表等の書面で内容をある程度はっきりさせておいて、都度の確認と後々の憂いに備えるわけです。それとて全ての内容を網羅するというのは困難ですが、細かく整備されているのに越したことはありません。 本来は、工事に先立って確認すべき事項なのですが、また先方にあるかどうかも分かりませんが、手元に無い物があれば請求してみて下さい。 |
コメンテーター | |
善養寺 幸子 | コメンテーターの善養寺です。 印紙の件ですがそれぞれが費用負担をし、用意するものです。時々、工務店が経費削減のために工務店分の契約書の印紙を貼らないで契約するという話しは聞いたことがありますが、基本的には双方が印紙を持ち寄り、捺印するのが正しいやり方です。ご自分で貼って、改めて判子を頂きに行ったら良いと思います。 不具合の件ですが、古賀解説員もいうように、具体的に箇条書きしていついつまでに直しますとお互いに交わすことが日程の把握が出来て良いと思います。 だらしない業者だという印象はうけます。そういうところですから、尚の事、ぴりっとした動きにならないこともわかる気がします。イライラすると思いますが、確実な解決を実行してもらうためには、ただ、不満ばかりを苦情としてぶつけますとお互い感情的になり、顔をあわせるのが嫌になることあります。 冷静に、問題点を明確にし、確実に解決していく日程を協議して、決めておく必要があります。 その上で、それを守らなければ、法的にも相手方の不備になりますから、先ず、協議をして、ちゃんとやらなかった場合、他に頼んで金額の請求をするなどのペナルティも明確にして、進めていくのが良いと思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 木材問屋が施工に手を出す会社は多々あります。多くは専門家の人材を雇い問題ない施工をしていると思いますが、初期のころは経験不足で不具合が発生はしやすいこともあります。多分、経験不足なのでしょう。また、このような施工会社では設計者は外注になりますので、工事監理はされていないのではないか?と思われます。 工事監理者がいれば、そのつど、不具合や問題は解決して進めていきます。 多くは施工会社の技能不足と経験不足から問題は生じますが、工事監理者がそのつど、検査、監理して是正の指示をします。当方の場合は指示書は連番でFAXで送り、両者が確認することで、施工上の不具合を一緒に解決していきます。当方の経験でも、多くの職人を必要とする建築には技能の低い新人もいます。 また、施工会社と職人の意思の疎通不足で間違うこともあります。それらを処理する防波堤が工事監理者の立場になります。外注では防波堤には先ずなりません。 今回の施工の対応は技術・経験不足によるものだろうと思います。 これらの経験不足の場合、一番困るのは自覚がないことです。自覚がないから対応が悪くなる。 職人任せだから、対処できない。こんなことだろうと思います。 対処としては古賀解説委員の説明の流れでよいと思います。 最後に印紙ですが、これらは建設会社の風習の如くに請負会社は印紙を貼り、発注者には貼らないと考えている業者がおります。また、悪質なものはひとつの印紙を折半でも持つなんていうところもあると聞きますが、これらはとんでもないことで、発注者、請負業者は両者ともそれぞれ印紙税は負担し貼らなくてはなりません。これをしないということは脱法行為となり、違法なことです。 税務署に持っていった書類はあなたの契約書ですから、あなたが、印紙を購入してはることが義務です。 説明はないにしても、納税は国民の義務です。税金は正しく支払うためにも勉強してください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | とても丁寧に解説して頂きありがとうございました。 私達が依頼した業者は経験不足のようですね。 しかし、経験不足で済ませる訳にはいきませんので、再度きちんと協議していきたいと思います。 印紙の件は私達も勉強不足でした。 未だに業者から連絡がないので、自分達の契約書に印紙を貼り判子を頂きに行きたいと思います。その時にみなさんが解説してくれた事を踏まえ今迄の事、これから先の事をきちんと協議していきたいと思います。 また進展がありましたら報告させて頂きます。 今回はお礼のメールで失礼します。 |
その後 | 経過を報告させて頂きます。 不具合箇所は4月下旬にやっと修繕してもらいました。 修繕後も案の定社長は説明どころか未だ顔すら見せません。 収入印紙は私達が貼り割印を頂き5月にようやく税務署に提出する事が出来ました。 今後についてですが、いい加減な業者ともう関わりたくないので今現在あった不具合は改善出来たので、今後不具合が生じたら別の業者に依頼する様主人と二人で話しをして決めました。解説の方もおっしゃっていましたが、イライラしながら毎日を過ごすより悪徳業者とは一切関わらない方がずっと良いと二人で決めました。 私達もかなり未熟で、今回はとても良い勉強になったと思うようにします。 解説して下さったみなさん本当にありがとうございました。 本当に今更ですが、家を建てる前にこちらのホームページに出会いたかったです。 |
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