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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 1159 モルタルを剥がしたら漏水の後があるが・・・

 相談概要 [氏名] H.Y.
[相談内容] -
[相談建物所在地] 千葉県千葉市緑区
[職業] 会社員
[年齢] 60
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦1996年11月
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 55
[設計監理料] 0
[様態] 建売り住宅
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] −
[監理者を選んだのは] −
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[18確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] -
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?] 20
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[施工者名] わかりません
[販売会社名] T不動産
[設計者名] T不動産
[監理者名]
 相談内容 [現象]
ベランダの事でご相談いたします。
築10年の一戸建てです。
昨年3月、ベランダに腐食の疑いが有ると、建築主の会社から言われて確認したら腐食が見付かりました。ベランダを解体して新たに取り付けし、原状回復をしてくれました。工事費は全部建築会社負担でした。

その後、今年1月に外壁の塗装工事を他社に頼みました。
塗装会社の人がベランダの亀裂を発見。他は塗装したのですが、その箇所だけ、ベランダ工事の会社に連絡して見て貰いました。担当者は、「大した事ない。単なるモルタルのクラックだからそのまま外壁塗装しなさい」言いましたが、亀裂が1メートルも有る事と、ベランダ工事後一年も経っていないので不安になり内部を確認したいと申し入れしました。

後日、左官屋さんとやって来て、クラックの箇所を開きました。中の木材に裂け目を見付けたので「これは何か?」聞いたところ「単なる木の性格上の亀裂なので問題ナイ。このままモルタルを塗る」亀裂の入った木なので交換を申し入れました。
素直に受け入れずに半分ケンカ状態になりましたが、すぐに大工さんを連れて来ました。(実は、我が家と同じ頃建てた建売りのベランダに腐食が多数見付かり、方々で工事をしてるのです)周りのモルタルを壊しベニヤの木材を外したら、中の木材の一部に色が付いてます。
どう見ても水で濡れた色です。建築会社は「塗装の高圧洗浄で水が入った為」と言います。
しばらく乾かしてベニヤ付けてモルタルを塗る事になりました。

次の日、塗装業者の方が来て「高圧洗浄で水が入るなら、防水加工に不具合があるかも」言います。このまま乾いた時点で被せちゃっても良いのでしょうか?
もっと細かくチェックしたほうが良いのでしょうか?教えて頂きたいのですが。

[業者の見解]
建築業者(ベランダを作り変えた人たち)は木が乾けば問題ないので今週末にでもモルタルを塗りたいと言ってます。

外壁の塗装業者の方はもっと全体を開いて、どこから水が入ったのかハッキリ原因を突き詰めた方が良いと言います。

[相談内容]
この木の水濡れは一時的なものなのでしょうか?
すぐに乾いて白くなったら塞いでも問題ないのでしょうか?
根本的にベランダ工事をし直す必要が有るのでしょうか?
写真説明


@これが最初に気付いたモルタルの亀裂です。

Aモルタルをあけて、木の亀裂を発見

B脇のモルタルを落としたらそこの木に濡れた箇所を発見

Cベニヤの木を除くと、ここも濡れています!

D端(ベランダの真ん中です)の金具の上の方が錆びてるような?

E黒いのは覆っていた布の残骸でカビでは有りません
 yorozuの感想 とっても助かるサイトだと思います。
我々素人は、それなりの説明をされると、どれも信じたくなってしまいます。
見えない内部に関しては信じて住むしか出来ないからです。
周りに専門家がいないと、こんな素晴らしいサイトが有難いです。
どうぞよろしくお願い致します!
アドバイザー 
畔上 廣司 解説委員の畔上です。

6枚の写真を拝見しました。
業者による定期点検結果や団地内住人の申し出によって時々広範囲の修繕工事が発生すようですね。以前、屋根瓦の剥がれと漏水で同じような2×4団地数十戸の復旧工事を見たことがあります。バルコニーを解体し、新たに復旧工事した今回のケースは、バルコニー下地等に何かしら大きな要因や問題あって修補に踏み切ったものと考えられます。

さて、1番と2番、4番の写真は面一の天井面仕上げとなって、3、5、6番の写真は下り壁がついているようですが、納まりが2種類あるのでしょうか。
漏水痕の写真、特に3番写真は新旧の染み、4番、6番写真の染みは新しいものに見えますね。相談内容から予想判断できることは、@バルコニー床の防水層破損によるもの、A上げ裏天井パンチング仕上材からの雨風の吹上げ現象によるもの、B防水紙貼りの下地重ねしろが適切であったかどう
か、あるかどうか、C外内部何かしら影響による水滴と黒ダレ腐朽現象の発現、等が考えられます。

結露を原因とした影響は少ないように思われますが、地域性によっては考慮する必要もあるでしょう。1番目の写真の亀裂は、モルタル仕上げ(モルタル金鏝押え?)の調合や仕上げ厚さ、ラス下地材等の仕様が分かると解決すると思います。

2番目の写真は問題ないと思いますが、ベニヤ板がふやけているようであれば交換しましょう。また、上部床からの漏水の原因調査を行なう等、仕上げ工事を行なう前にバルコニーの水張り試験をおこなう等の必要性があるかもしれません。
何れにしましても、現資料から的確な回答は難しいところです。確かな現状復旧と原因究明をご希望する場合、第三者の建築専門家に現地確認してもらうなどで判断したら如何でしょうか。
 コメンテーター 
大内 彰 コメンテータの大内です。

木材についた染みが古いものであればそれ程気にしなくても良いと思いますが、新しいものについては今後も継続的に水が木材にかかることが予想されます。この場合は原因を特定してから対処しないと解決は難しいと思われます。
畔上氏が勧めているように第3者の専門家に調査を依頼することが早い解決策だと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄  先ずは多くの建物を建売業者自ら申し出て補修するということは
もともとバルコニー上の防水立ち上がりまわりに問題があったと思われます。

これは設計ミスだと思われます。バルコニー先端部に漏水跡があることから、上部手摺下に漏水する部分があると思います。

通常、この部分は金属で納めていると思いますが、モルタルなどで笠木を納めた場合は先ず、漏水します。金属の笠木でも手摺支柱部分からの漏水かもしれません。

今回はこの部分を補修したものと思います。
その写真がないので、断言はできない状況です。
この部分が完全に止まれば、写真の亀裂もそれほど気にする必要はありません。

問題はこの部分ではなく、上部バルコニー手摺下を問題なく補修したかが大切なことです。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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