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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 1158 1階床中央部分が盛上っているが?

 相談概要 [氏名] I.K
[相談内容] 売建住宅(建築条件付建売住宅)の瑕疵
[相談建物所在地] 兵庫県宝塚市
[職業] 会社員
[年齢] 39
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦2006年 3月
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 106
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 1900
[設計監理料] 領収書を紛失して不明
[様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅)
[施工者] 中堅ハウスメーカー;○×○等
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 6
[施工者名] D(株)
[販売会社名] S建設(株)
[設計者名] K事務所
[監理者名]
 相談内容 [現象]
現状:
1.リビング床中央部分が盛上っている。(床下の工法は根太レス工法)
  リビング床レベル差最大13mm誤差2mm(施工業者測定)
  施工業者応急処置後、さらに盛上りが高く、広範囲に広がっているように
  感じる。
   
2.リビングと和室を行き来するとコトコトと音がする(小さい)。
  施工業者応急処置後、収まっている。

施工業者も異常な状態と認識し、手直し方法を提示してもらっている。(業者見解に記述) 

[業者の見解]
施工業者に床下にもぐり調査してもらった。

施工業者認識:リビング床中央盛上りは異常な状態。
ただし、引渡し時は正常であった。

原因:リビング中央下の大引404材が乾燥により反りが発生。
鋼製束ごと床を持ち上げた。

応急処置:手直し方法確定までの応急処置として、現状の反りに合った
高さに鋼製束を調節。束は従来どおり接着,釘止め施工。
(リビング下の浮きの見られた束について実施)

その後、手直し手法連絡あり。

手直し手法:大引の一部に鋸目を入れる。
荷重をかけて鋼製束にて調整するとともに鋼製束を追加し補強する。
また、大引の両側に鋸目を挟んで補強材を釘止め(金物)する。

[相談内容]
手直し方法が適切なものかどうか、判断しかねています。
私としては、引渡し数ヶ月後には異常を伝えていただけに、初期の不具合と感じており、原因である大引を正常なものに取替えて元どおりの状態に補修していただきたいと思っています。

また、リビング中央には床暖房(電気式)があり影響が心配です。
(施工業者は問題ないといっています。)

第3者のご意見をいただきたいと思います。

・手直し方法は適切なものでしょうか。
・大引を取替える場合、床,壁など工事が広範囲に及び その部分について保証できないと言われました。
 建物自体にはここまでしないほうがいいのでしょうか。

・できるだけ建物を傷ず、ほかに方法はないでしょうか。?

不安な点:提示してもらっている手直し方法では根太レスに加え、大引を細切れにするような形になり、本来の姿とは大きく異なるように思います。

また、以下の積み重ねになってしまうのでは。と思ってしまいます。

想定外に反った木材:保証できない材料
鋸目を入れる :強度の低下
束による補強 :引っ張り方向は本来の使用目的ではないのでは?






 yorozuの感想 素人では、業者さんの対応が適切なものかどうか、自分の要求が過不足ないものかどうかの判断がつきません。
このようなHPがあることは有意義だと思います。 
アドバイザー 
畔上 廣司 解説委員の畔上です。

住宅性能保証制度を利用したうえの不具合発生に対して回答致します。
短期保証基準の木工事保証対象は「木材の変形、変質により著しい反り、隙間、割れ、きしみ等に事象が生じてはならない」となっています。
今般のケースは、この保証を受けることができますし、施工業者さんは不具合原因を明らかに大引材の反りによるものと認めているわけですが、鋸目を入れ、反った材料の再利用ではどうにも都合がよいものです。
もう一歩誠実さが足りないと感じます。

業者さんの修補方法は間に合わせの工事としか思えませんし、広範囲の修補でも住宅取得者には満足する修補請求が可能であると推測します。引渡し時の保証書類をもう一度確認しましょう。

また、使用された構造材の規格をいまさら調べてもと思われるかもしれませんが、案外これらが不整合で今後に問題が生じる場合もあります。
寸法型式404材、床根太、端根太、側根太材等の断面寸法の確認やJASマークその他海外の認定マーク等、構造体力上主要な部分に使用する材料規格や床根太の取付け釘・接合金物の品質についても確認しておきたいものです。

なお、I.Kさんが将来に不安を残さないためにも、施工業者さんに住宅性能保証制度の重要性を理解して頂きましょう。
できる限り全面復旧を了解してもらえるよう説明交渉したら如何でしょうか。
 コメンテーター 
大内 彰 コメンテーターの大内です。

I.K.さんの指摘されているように、不具合のある部材をそのまま残して使うというのは原因の解決につながりません。そして、畔上解説員が説明しているように、その不具合は保証範囲内であるのでそれに伴う工事も含めて施工者が責任を持って対処すべきことでしょう。

施工業者の対応はそれ程悪くないと感じるのでできるだけ前向きな態度で交渉をすればしっかり対応してくれるのではないでしょうか。
 事務局から 
  荻原 幸雄 調査方法や計測は適切だと思います。
大引きが押し上げる程、反るのは極めて珍しいことと思います。
これだけ反るということは含水率の高い木材だったと推測されます。
しかし、現在は測定しても低くでるでしょう。乾燥して反ったからです。

材料の含水率がどのように指定されていたか?確認する必要があります。

問題は今回の瑕疵を直すことと、そもそも、仕様と一致していたかは別問題です。
仕様と一致しているか、仕様以上のものでなければ債務不履行になります。

直し方は施工者の理論でも問題はないと思いますが、こればかりは、現地をみませんと、「これで大丈夫」というお話は残念ながらいいづらく、方向としては間違いないという程度としておきます。
鋸目も補強すれば1階床ならば問題はないでしょう。

束による補強は推察のとおりですが、大引きの脇を別な材で変形を抑えようとしているので、補足的な行為と思われます。

現場を見ていないので断言は言い切れませんが、ちゃんと対応しようとしていると思われます。
施工者を信じて、施工後、様子をみてください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 「建築よろず相談」解説委員、事務局の皆様へ
先日、ご意見をいただきました I.Kです。

丁寧な解説をいただきありがとうございました。
専門家の方々の意見を聞くことができ参考になりました。

解説いただいたように、全面復旧を希望していますが、フローリングの全面やり直し、壁際化粧板?のやり直し等々が必要となり保証ができないと言われ、あくまで現状(大引を変えない)の範囲での対応を説明されました。

その後、施工後の1ヶ月点検以降は建物の対応がメンテナンス専門の会社(系列子会社)に移っていることがわかりました。(そういうシステムでした。)

以下は推測ですが、担当の会社では、”メンテナンス”の範囲での対応しか取れないのでは、とも考えます。

担当の方には、丁寧に対応していただいていますので何とかいい解決方法を探って行きたいと思います。

ご回答ありがとうございました。
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