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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.1157 排水溝改修についてのクレーム

 相談概要 [氏名] H.K.
[相談内容] リフォームの瑕疵
[相談建物所在地] 神戸市東灘区
[職業] 自営
[年齢] 56
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦    年  月  日
[公庫は使わない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 1700
[設計監理料] 40
[様態] −
[施工者] リフォーム会社
[設計者を選んだのは] 自分で選んだ。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] -
[18確認申請の為の委任しましたか?] -
[確認申請書お持ちですか?] -
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?]
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?]
[施工者名] 株式会社 O
[販売会社名]
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
敷地内に駐車場を作るために溝を工事したのですが、施主の同意なく従来の溝の幅を狭めてしまい、西側隣家より大雨の際木の葉やゴミであふれるので溝を勝手に狭められては困るというクレームが来ました。

この溝は北側の敷地からも添付写真のような樋がでて水が流れ込むようになっています。

その旨を工務店に伝えると、うえにグレーチングの蓋をするので木の葉やゴミが入るはずはなく、もし入れば隣からの木の葉なので隣が気を付けるべきだと反論されましたが、

隣家からは、

『ガレージ用の蓋を設置する為に今回狭く改変された溝は、私的な専用物ではありません。
その上流から流れてくる雨水用の排水路です。上流側には6件の家があり、その広い敷地に降った雨水が合流して流れ込みます。今までにも2,3年に一度の豪雨の際には溝の排水能力を越え水が道路に溢れております。ここは平地ではなく山地の傾斜地であり、溝に対する規制はその分厳しく設定されております。

近隣周囲の溝幅をよく観察して下さい。このような重要な溝を勝手に極端に狭くすれば大雨時の状況は火を見るより明らかです。 狭くすればゴミも詰まりやすく、更にオーバーフローしやすくなります。蓋をして落ち葉が入らないとお考えのようですが、上流側で多くの落ち葉が流れ込みます。

流体力学を少し勉強すれば解ることですが、今回の工事では狭くしただけでなく、流路断面積を段状に急変させており、溝の形状として決してこのまま見逃すことができません。蓋をする方法は構造的にいろんな方法があるでしょう。
兎に角、溝を元通りに戻すことを強く要請します。』

[業者の見解]
当方の敷地の溝ゆえ、隣家よりこのようなクレームを受ける筋あいではない。

[相談内容]
隣家の主張がもっともなのでしょうか?





 yorozuの感想 昨年は新築が改装かの相談をして、結局改装にした者ですが、耐震改装をすることにしたため申請やその認可待ちで時間がどんどんかかっていますが、貴重なご意見有難うございました。
アドバイザー 
氏原 毅士 解説員の氏原です。

 流体力学とはまた大げさなと思いますが、都市河川では川幅一杯が掘り下げられているのではなく、中央部分に巾の狭い水路が構築されます。普段流量が少ない時でも流速が確保され、泥が溜まらない仕掛けとされます。

 溝巾が狭いほうがゴミが溜まらないなどと屁理屈を言ってまで喧嘩する気持ちが無いのであれば、共有の側溝を下流で小さくしないほうが良いのではないでしょうか。
 でも、毎日不細工な排水管を見る事によく耐えられたと思います。
 大きくてもガレージに対しグレーチングや溝蓋で全く同じ効果は得られるのですから、巾を狭めて蓋をする意図が判りません。
津村 泰夫 解説員の津村です。

西側の敷地の排水を、なぜこちらと北隣の擁壁の間の側溝に流しているのかよくわかりませんが、西側の敷地は道路に接道しているのであればそちらへ排水するのは筋ではないでしょうか。
また、状況がお送りいただいた写真などでは良く判断できませんので、現在耐震改装されているということですから、その設計者に見てもらってはいかがですか。
 コメンテーター 
大内 彰 コメンテーターの大内です。
私も現状復帰するべきだと思います。また、境界杭が側溝の中にあるようですが、これは水の流れを妨げることになるので別の方法で境界を示すべきではないかと思います。

現状復帰にかかる費用は施工者の独断によることが明確であれば施工 者の負担になると思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄  以前、よろずに相談されたとのことですが、よろずではなるべく設計者は自分で選任し、信頼できることが重要としております。建築士の設計者を選任していないのですか?

工事監理を依頼していないのですか?設計者を選任していれば、施工者は工事監理者の許可なく、外構を施工する前に設計者の形状の適正な指示を受け、承認を受けて施工します。
工事監理者が不在であることを選択したことが、今回の問題の端緒になりました。

よろずの主張をよくご理解していたら、このようにはならなかったでしょう。

地形的に排水をこちらに流さなければならない環境だと理解します。
そのような風習が続いているのであれば、それは維持する責務があることになります。

施工者は設計者若しくは工事監理者が不在ならば、依頼者が知らなくても隣地に対する雨水氾濫が起きた場合の損害は負う可能性が高くなります。

施工者は貴方の指示や同意なしに施工したのですから、施工し直しが筋です。
元の容量でグレーチング施工できますし、車に耐える施工もできます。

近隣の苦情は妥当なもので、施工者に責任があります。
施工者と再施工を要求することが妥当と思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 有難うございます。

この回答を頂く前に、施行業者の工務店は現状に戻すこと同意していただきました。
従来の慣習で我が家を含め6軒分の排水が我が家の溝に流れ込むようになっているようです。

耐震改装の設計建築士ももちろんいますが、当方の再三の確認でも既に昨年に申請済みと回答しておきながら兵庫県神戸市への耐震改装の補助金申請さえ忘れてしまう建築士で、当方が余りにも遅いので神戸市に問合せて初めて申請をしていないことがわかり、しかももうH18年度の受付は終了したと言われてしまうほど、良い加減な工務店です。ただ当方が直接建築士と交渉しているのではなく、すべて工務店経由です。

ともかく有難うございました。
 その後  
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