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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No.1142 土間のクラック

 相談概要 [氏名]K.K
[相談内容] 建売住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 千葉県千葉市
[職業] 会社員
[年齢] 38
[女性] on
[構造] 木造(在来工法)
[引渡し年月日] 西暦 2005年02月28日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 96
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2300
[設計監理料] 0
[様態] 建売り住宅
[施工者] 建設会社
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 0
[施工者名]
[販売会社名]
[設計者名]
[監理者名] 不明
 相談内容 [現象] ]
建物横の駐車場部分の地面に、長さ2mほどのクラックが2本生じています。
そのほかにも、建物と地面の境目にもクラックが入っています。
入居後まもなく、細くひびが入っているのに気づき、その後1年半で太いものはひびの幅が1mmほどに広がりました。
ほかにも、細く小さな網目状のクラックは無数にあります。
駐車場には屋根はなく、雨ざらしになっています。

[業者の見解]
最初に細くクラックが入っているのに気づいたときに建売業者に聞きましたが、「コンクリートの収縮なのでしかたない」とのことでした。
幅が広がってきていることについては、こちらでの回答を参考にしたいと思い、まだ問い合わせておりません。

[相談内容]
建物自体ではなく地面のクラックですが、幅が広がっていることが不安です。このクラックは重大なものを示しているのでしょうか。
今後建物にも、何か被害が及ぶことがありますか。
また、これが重視すべき事柄であった場合、建売業者にはどのような対応を要求できるでしょうか。
逆に対応を迫るほど重要でなかった場合には、放っておいてよいものなのか、それとも何か補修をしたほうがよいのでしょうか。






 yorozuの感想 誰に相談すればよいかわからない状態でしたので、このようなHPがあることは大変ありがたいです。
過去の相談なども公開されておられるので、参考にすることができ助かっております。
アドバイザー 
畔上 廣司 解説委員の畔上です。

駐車場と建物位置、それにクラックの発生部分全体が判断できるような写真があるとよかったですね。
 先ず、業者の1年点検を受けていますか? 住宅性能保証等の契約はありますか?
大きな建売業者の建設ですので、住宅性能保証制度に加入している前提でお話します。

短期保証の基準では、2年の保証期間によって、コンクリート部分の著しい沈下やひび割れ等、住宅の品質性能を損なうものについて保証されています。無償有償の詳細について業者担当者とお話しすることをお勧めします。

 次に、写真1、2では、土間の仕上げがコンクリート直押え又は、モルタル金鏝押さえ仕上げかを確認してください。ここではコンクリート直押さえ仕上げとして解説します。コンクリート直押えである場合のクラック発生は地業工事の転圧不足・冬期工事によるコンクリート養生不足や強度不足などが考えられます。また、土間コンクリートの品質性能は無筋コンクリートであるか鉄筋コンクリートであるかによっても違ってきます。土間コンクリート直押さえ(モルタル金鏝押さえも同様)は、一般的に仕上げ面積や現況に応じて伸縮目地を入れて構造体それぞれへの影響を仕切りますが、伸縮目地の有無を確認してください。写真3では、建物本体の布基礎部分と土間コンクリートに多少の肌別れクラックが生じているようですが、これは建物と土間コンクリート部分が連続しない構造と考えられ当然の現象と思われます。

 相談写真による0.5mm〜1.0mm程度で長さ2mのクラックは一般的に問題ありの隙間といえますが、確実に原因を特定するとなると、建物の現状や周辺水平レベル、現地盤の状況や地盤調査資料など複合的な関係を含めて確認しなければなりません。
なお、原因を特定判断することによって補修方法や対策を講じることになりますが、業者さんの定期点検や保証の範囲内で対応できない場合、どうしても安心を得るためには、専門家に見てもらったうえ判断されることも一考でしょう。
 コメンテーター 
藤井 修 コメンテータの藤井です。

 駐車場の土間コンクリートにクラックが入る原因として考えられるのは下地の土部分の転圧が不十分な場合、鉄筋の配筋間隔が広すぎる場合(無筋の場合)コンクリート強度が小さく水分が多すぎる場合などです。
外構工事においては、建物本体工事にくらべて施工管理が疎かになる事が多々あります。
建物本体にクラックや沈下などの異常がない限りあまり心配されることは無いと思いますが、
畔上解説委員の解説にあるように安心を得るためには、専門家に見てもらい判断する事が必要でしょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 土間のコンクリートの亀裂の原因はほとんどが地盤の転圧不足(付き固め)によります。
ここを安易にする業者は大変多いものです。
一つには建物の構造とは関係なく、外構の一部と理解されている為です。
外構は建物本体の性能保証に該当しないために施工も安易になり勝ちです。
また、施工としても建物周りは基礎下を掘るので、土を埋戻すので、転圧不足になり、建物の基礎と土間はどうしても隙間ができることは多いものです。
しかしながら施工時に転圧をしっかりすることで、このような亀裂や沈下は防ぐことができます。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 畔上さま
藤井さま
荻原さま

先日、ご相談したKKと申します。
つたない質問に対して、とても丁寧にコメントいただき感激しております。

土間のクラックについては、建物に直接関係しないようで、安心致しました。(建物自体には、今のところ気になる点は生じておりません)
今後は、まず建売業者に連絡をとって、保証の範囲内で何ができるのかを確認してみたいと思います。それで納得がいかなかった場合に、また次の手段を考えようと思っております。

このたびは、お忙しいなかにも関わらずお時間をさいてご対応いただき大変ありがとうございました。
 その後  
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