相談概要 | [氏名] I.K [相談内容:] その他 [相談建物所在地] 静岡市駿河区 [職業] 会社員 [年齢] 32 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦2006年 12月20日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 50.5 [工事請負金額] 2800 [設計監理料] 212 [様態] 注文建築 [施工者] 地場中小ハウスメーカー [設計者を選んだのは] 自分で選んだ。 [監理者を選んだのは] 自分で選んだ。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 50 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 20 [施工者名] [販売会社名] [設計者名] K氏 [監理者名] K氏 |
相談内容 | [現象] 建築家に設計を依頼し、競争入札で地元の工務店に工事を請け負わせています。 増築工事をしています。 現在親夫婦が住む母屋(2階建)の隣地に息子夫婦の家(2階建)を建設中で母屋と新築の間は通路(二階建)でつなぐようにしています。 かなり両者が接近した形になり母屋の屋根一階部分が新築と干渉するとのことで契約時に一階部分の母屋の屋根改築についても契約してあります。 実際工事が始まり上棟にきたとき、二階部分も干渉するので母屋の二階の屋根も一部削るとの話になりました。現在工事は着々と進んでいるのですが、ここに来て工事業者(地元工務店)から二階屋根の改築工事代金の支払いを頼まれています。 当方としては、物件の立地や干渉の具合は当然設計時または現場での測量時にわかっているはずなので、設計・または施工ミスではないかとの疑いを持っています。また工事請負契約外の工事が発生するのであれば事前に施主に対して見積り等を提示して追加契約すべきなのではないかとも考えております。 現在金額等の具体的な提示は無いのですが、そもそも工事途中で予期せぬ不都合が生じて追加工事が発生する場合施主側に工事代金の支払い義務は発生するのでしょうか? 今回の場合、先にも述べましたが増築工事で母屋と新築が接近していて干渉することは事前にわかっていました。その干渉の度合いに予想を超えるものがあったということですが、これはやむをえないものなのでしょうか?設計時や事前の測量時に問題を把握することは不可能なのでしょうか? [業者の見解] 工事代金を追加で支払う必要があるとのこと |
yorozuの感想 | 本を購入し大変参考になっています。 |
アドバイザー | |
堀住 勝雄 | 解説員の堀住です 工事契約はどのようにされているのでしょうか。契約約款を読み返して下さい。工事中に予期せぬ不都合が生じて追加工事が発生した場合の費用、とのことですが一般に使われている契約約款では「両者協議の上」ということになっているものと思います。監理を依頼されているようですが監理業務内容の一つとして「工事請負契約に技術的に協力する業務」がて入っている筈です。監理者を含めよく話し合って下さい。 |
清水 煬二 | 解説員の清水です その建築家の方には設計だけを依頼したのでしょうか?それとも監理まででしょうか?設計図書の枚数や打ち合わせ回数からしますと、一般的には充分な打ち合わせと設計がなされたと思われます。工事監理者名が設計者名と同じということは、監理も依頼したということでしょう。ですが、I.Kさんの今回のお話の中に設計監理者のコメントや説明が出てこないのはなぜでしょう。設計だけを頼んだつもりなのでしょうか。 設計図書にも請負契約書の見積もりにもないものは、別途費用が掛かることになるでしょうが、今回の場合は監理をしているその建築家の方を経由するとか、協議に加わってもらう必要があると思います。別途費用については、おっしゃる通り工務店が見積もりを出すべきです。見積もりもないまま出せと言われても、内容と金額、少なくとも概算がわからなければ返事できないのは、当然だと思います。その見積もりに対して、妥当かどうかの設計監理者の意見は当然聞けると思います。 増改築では、既存部分の解体や、やり直し部分の工事内容が事前に確定できない場合があります。解体して既存の状態を確認しないと確定しない場合です。わかりやすい例では土台や柱などの腐りから、すじかいや金物の有無、梁補強の方法なども該当する場合があります。既存部分の取り合いについても考えられます。工事業者と工事を行うことの確定をしてから、一部剥がして確認するとか、工事の進行状況のなかの解体で確定することもあります。 こういったことを曖昧にしたまま業者の見積もり依頼すると、工事費用の見積もりが、どの程度まで考えるかでかなり金額が変わり、施主に有利になることもあれば不利になることもあります。金額や工事内容によって途中でもめることもあります。そのため最初から別途費用とし、工事内容がハッキリ確定次第、見積もりを出してもらって、妥当な金額であれば金額確定するという手法を私も行うことがありますが、あらかじめ施主に説明してもらい理解してもらっています。今回のご相談の別途費用のケースも有り得ます。 「設計時や事前の測量時に問題を把握することは不可能なのでしょうか?」ということに関しては、予想を越えるものがあったというコメントですから、「設計・または施工ミスではないか」または妥当なのかということは、それまでの経緯ややりとり、取り決めや詳しい内容が文面ではわかりませんので第三者には、ここでは判断できません。設計監理の方が一番わかるはずですし、その方に前面に出てきて詳しい説明をしてもらえないのでしょうか。 |
コメンテーター | |
関口 啓介 | 堀住解説員、清水解説員の言う通り、設計・監理者が間に入って、話し合いを、進めるべきと思われます。 設計ミス、または施工ミスかの判断はこの相談上ではわかりかねます。 通常のレベルにおいて、明らかな設計、施工の落ち度があればミスと判断されると思われますが、それを立証するのはよっぽど誰もが認めるようなミスでなければ難しいかもしれません。ただ、おっしゃられるように追加費用が発生すると判断された時点で報告があるか、見積りが提出される必要があると思われます。 契約条件や条項がどのようになっているかわかりませんが、ご指摘の通り追加であれ、別途であれ、本契約とは別の工事であれば、契約または工事承認等の手続きを経て工事着工となるべきと考えます。 その契約や承認を得る猶予がなく、すぐに取りかからなければならない場合も、場面としてはありえます。いずれにしても、設計・監理者とともに、施工業者と話し合いをして見てください。設計ミス、施工ミスという責任追及の姿勢ですと逆に事体が硬直する恐れもあります。柔軟に、相手を見据え、認めながら進められると良いかと思われます。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 私の場合は設計だけの業務は受けません。よい家とは設計工事監理が一体にできて初めてよい家になるからです。 多分、依頼された建築家も監理までしていることを前提にお話します。 2階の庇が干渉するか否かは設計の段階でわかることです。 事前のわかる範囲なので設計ミスだと思われます。 しかし、ミスとしても監理業務ではそれに対処しなければなりません。 次に監理者がすることは対処方法とその費用です。 この部分は監理者が貴方に、その原因と対処方法、そして費用を説明するべきことだと思います。 その上で監理者と貴方が協議することになります。 流れが監理者がでてこないのは理解に苦しみます。監理を依頼していないのではないか?という各解説委員の疑念はここにあります。監理を依頼していない場合は監理者はだれなのか?(必ずいなくてはいけません。)確認する必要があります。監理者には不測の事態を含めて対処する立場にあります。 工事業者は請負ですから、明示がなかった仕事は別途工事になりますので責任はありません。しかし、通常は工事業者もスムーズに仕事を終えたいと考えるので費用については協議できる可能性があります。通常はこれを行なうのも工事監理者です。 三者でよく協議してみてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 建築家には設計・監理業務を委託しています。 母屋の配置については確認済証を参考にしたものですが、こちらが実際の配置とずれが生じていたとのことです。 つまり十数年前に建てた母屋に施工ミスがあったようです。 本件の建設途中(測量?)でその事実が判明したようで母屋と新築の干渉度合いが当初の見込みを超えたということです。 建築士からは干渉が発見された段階で二階を工事する必要があるとの話を受けています。 が、費用が追加される可能性や他の解決方法については話はありませんでした。 こちらから工事業者に追加工事依頼することなくいつのまにか追加工事は進んで いたというのが現状です。 よろしくお願いします。 |
その後 | 追加解説を送ります。 設計は現場主義が全てです。 図面などは参考程度と考えておりますし、確認申請図面と現物とは違う場合が多いものです。 設計は先ず、それを必ず実測することから始まります。 設計者はその基本を忘れていたのか?経験不足なのか? のどちらかでしょう。 見込みで設計すべきものではありません。 ですので、設計ミスです。 先に解説しましたように追加工事が発生した時点で建築主に説明すべきですが、これも工事監理者の仕事です。 費用の発生があるのは当たり前で、それを事前に説明すべきでした。 これも工事監理者としての怠慢です。 施工者も建築主の確認を取らずに進めたのは請負契約外の承認が建築主にない以上、工事を進めた落ち度がありますが、これも工事監理者が黙認して進めたならば工事施工者の怠慢ではなく工事監理者の怠慢になります。2階の屋根の解体はしないで、工事の屋根の変更などの部分的な対応で解決できなかったでしょうか?それならば追加工事は発生しなかったと思います。 いずれにしても設計事務所に責任があることになります。 頑張ってください。 |
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