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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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よろずWEB相談HEADLINE

No. 1125 材料を間違えて短い材を補強したが・・・

 相談概要 [氏名] S.T
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 栃木県さくら市
[職業] 会社員
[年齢] 36
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦2006年11月15日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 36
[工事請負金額] 1600
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 10
[施工者名] 株式会社K
[販売会社名] 株式会社K
[設計者名] Y.K
[監理者名]
 相談内容 [現象]
お盆休み前に基礎工事が終わり、型枠が外れたので見に行った所、本来あるはずの階段下のトイレ下に排水が無く隣の収納下に排水用パイプがあったので連休明けに営業担当へ指摘すると「監督に確認し、金曜に行くので見てくる」との返事を受けつつ、その後の報告が無かったので「問題ないのかな…」と不安も無かったのです。

上棟日の8月19日に現場へ見に行くとほとんど工事が済んで残るは屋根部分のみとゆう状態だったので離れたところから見ているとクレーンで吊り上げた2F屋根の梁が短く、束のあるところまで届いておらず、その状態から10分後、吊り上げた梁を下へ下ろしたので「吊り上げる材料を間違えたのか?」と思っていましたが…なんと!先程の梁に色の違う角材が付け足されて吊り上げられたのです。

その日はこう言うものなのかと不安を抱えつつ、翌週に担当者へ前回の排水の件を聞いた所、まだ確認しておらず今週必ず見に行くと言い出したので「上棟時の梁も短く繋ぎ合わせた角材なのか?」と問いただした所、そんな馬鹿なと言わんばかりの応対で排水と梁を週末までに確認しておくと約束をし、連絡を待ってみると指摘した2点のミスを認めた上で提案をしてきました。


[業者の見解]
まず排水については「2Fトイレからのパイプがすぐ近くを通る為、基礎の上で繋げてしまうので基礎に穴を開けずに済む。

またサイフォン現象を防ぐ為、繋いだところにバイパスを設け空気を逃がすようにした」と既に工事を終わらしての報告で、梁については「工場で180mm短く加工してしまい、大工が長年の経験で上棟当日に束も増やし補強したと」と説明してくれたが中学生の技術工作程度にしか見れず、担当と監督に問い詰めると大工から監督には報告が無く、私から指摘が無ければ分からなかったというお粗末な状態で、今後をどうするのか確認すると「構造専門の設計士に頼み、木材や金具で補強し、屋根の重みを分散できるように講じる」との提案を持ちかけられましたが、指摘しなければほったらかし的な対応に信用が置けず、第三者の建築士の方に見て確認してもらうことと梁の交換を要求したところ、「公庫等の建築基準にも今回の様なときは、こうゆう補強対策を講じれば良い」的なものがあるので瑕疵にもあたらず、梁の交換には応じない返事と「第三者の言うとうりに工事をやらせるなら完成後の保障はしない。

第三者の方に保障してもらってください」と責任丸投げな回答を言い出す始末でしたので私も頭にきて「土地付きで2500万もする買い物をしているのはメーカーを信用し、建物が気に入ったからなのに信用無いことしているのはどっちなんだ!工場のミスなら工場から謝りに来るなり、上司が謝罪に来るなり誠意が見えないので信用無いから第三者に見てもらうようにしたい」と言い返していました。
後日、今後の対応報告とゆうことで打ち合わせをした所、対応案が決定しないので工事を一度止めさせてもらう。と言い出し、
対応案
@前回説明のとおりの補強して強度も確認た上で進める。
Aリビングが吹き抜けなので梁を内側から交換する。ただし、今までに無かった工事なので大工の安全を考えると避けたい。との事でした。


[相談内容]
梁を内側から交換する事は本当に可能なのでしょうか?
屋根を外して梁を交換することは受けてもらえないのでしょうか?
私としてもメーカーへの信用喪失状態の為、交換してもらえば梁については納得できるのですが、内側からというのは無理があるような気がします。(素人の浅知恵ですが)今回のことは瑕疵に当たらないのでしょうか?
前回の打ち合わせ時に住宅の保障検査会社の方が立ち会ってくれ「補強した新しい図面を作成してもらえば、何かあっても保障します」と言ってくれました。

保障会社の方は瑕疵には当たらないとも言っていましたが信用できるのでしょうか?
住宅メーカーとの取引先なのでメーカーを悪くは言わないだろうと思っています。
今、建築に携わっている方々の言うことは信用をもてずに疑心暗鬼になっており、他の方に相談といっても知人もおらず困っています。
良きアドバイス、助言を頂きたくご相談お願いいたします。






 yorozuの感想 今まで1人で悩んでいました、いろんなトラブルを抱えている方々のアドバイスを読みつつ、こんなにためになるHPあるんだと励みになりました。
私の同僚も同じハウスメーカーでこれから建築予定になってもいるので不安がっていましたが、私も自分のことで精一杯なのでアドバイスしてやれていませんから、事前に建築よろず相談のHPで下見するよう言ってあげるつもりです。
アドバイザー 
清水 煬二 清水解説委員の回答です。

屋根梁を下から交換するのは、難しいとは思いますがきるということなら交換は可能なのでしょう。

但し、交換はできても 「たるき」と小屋梁とは「たるき」から小屋梁に向かって釘を打つのですが、下からではそれは無理ではないでしょうか。
金物を使って緊結で代用という方法を取ることも可能かもしれませんが、いずれにしろ、事前に具体 的な方法を確認し、それで正しくできるのかどうかを判断してからやってもらった方が良いでしょう。

その判断は、STさんには無理ですし、大工さん任せでも無理ですから、第三者の建築士さんに間に入ってもらうことの了解を、やはり取るべきです。

業者の工事方法を聞いてもらい、その方法では無理ではないかという話し合いになった場合、業者が きちんと反論か実証できなければ業者も従わざるを得ないのではないでしょうか。もちろん、具体的に提案してもらったものが、第三者の建築士が下からでも可能ということになれば、STさんも納得できますね。

補強は可能だと思いますが、部分的で暗い写真からの判断のため断定は難しいですが、現在の補強方法や工事は、拝見した写真からは疑問を感じます。

補強するなら支持材は2階、1階との兼ね合いもありますし、いずれにしろ2×4工法について詳しい建築士さんに現場や図面を見てもらい、手直しの場合でも、工事方法について指導してもらう方が良いと思います。

業者が、「公庫等の建築基準にも今回の様なときは、こうゆう補強対策を講じれば良い」 的なものがあるので瑕疵にもあたらず、梁の交換には応じない返事と「第三者の言うとうりに工事をやらせるなら完成後の保障はしない。第三者の方に保障してもらってください」と述べているとのことですが、私は公庫等の建築基準にそういうものがあるとは、聞いたことも見たこともありません。
本当にそういうものがあるのなら、資料を提出してもらうか、今回の設計監理者である建築士に「こういう補強対策で、公庫等の建築基準にあるので、全く問題なく、瑕疵ではない。
もし間違っていた場合はやり直します」と一筆もらえば、それでも良いでしょう。
設計監理者である建築士に前面に出てきてもらい、正しいと思うならどうどうと主張してもらうべきです。そのために設計監理者です。

その真偽をSTさんが建築士に相談すれば良いのですが、補強方法の第三者への相談さえ認めないのなら、多分、業者ともめます。
支払いをどれだけされているか、長い間入居できなくても大丈夫なのか、といった問題があり逆に不利な立場に追い込まれることもあります。逃げたい相手にこちらの主張を認めさせてどうすれば機嫌よくなってもらうか、その方法まではわかりません。強制的にさせるには、法の手段に訴えれば良いのですが、先程述べたように、結果的に損得を考えるとどうなるかはわかりません。

こういうトラブルからもわかるように、素人の施主が依頼するのなら、スタート時点から工事業者と設計監理者は、まったく別であるべきだというのが、よろずの考え方でもあります。
 コメンテーター 
津村 泰夫  コメンテーターの津村です

担当者のパソコンの調子が悪く、対応遅くなり申し訳ございませんでした。
清水解説員のとおり公庫基準にはそのような改修方法の記載はございません。
私はツーバイフォーは専門ではありませんが、基本的に梁の交換は屋根を撤去しないと出来ないと考えます。
ただ添え木等により補強は可能でしょう。そのような補強でよいかどうかはあなたの考え方と、第三者の構造専門家による判断が必要と思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄  杜撰な設計と工事監理だと思います。現場監督も大工任せの仕事のように思われます。
梁が短いなどとはとんでもないことで、直ぐに、返却、取替えが通常です。
しかし、工事は相当進ん でいるので、結果として問題はないのか?ということだと思われますが、先ず、束を入れたというが、その下の梁はそれに耐えうる設計になっているのか?
つなぎ材のジョイントはしっかり補強できているのか?
これらを調査しないと写真からは判断はつきません。

指摘してからの対応も遅すぎます。補強設計の明確な説明を設計者および工事監理者から書面で回答もらうことをお勧めします。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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