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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1108 数日間雨が続き断熱材が水を含んだ状態

 相談概要 [氏名] N.K
[相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 愛知県安城市
[職業] 会社員
[年齢] 43
[男性] on
[構造] 鉄骨造(ブレース構造)
[引渡し年月日] 西暦2006年9月30日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 130
[延べ面積坪]
[工事請負金額] 2500
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 大手ハウスメーカー
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んだ。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 無い。
[設計図面は何枚もらいましたか?]
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?]
[施工者名] D社
[販売会社名] D社
 相談内容 [現象]
建方完了後(メーカーの建方検査済み)、数日間雨が続き水漏れが心配で あったため建物の中を確認したところ、1F床に水が溜まり、窓枠、蒸着防湿フィルムの表面に水滴がついており、パネルの下部が濡れていた箇所もあったため、心配になりフィルムを剥がし内部の断熱材の状態を確認したところ、断熱材が水を含んだ状態になっていました。

また、2FのALCについても一部濡れた関係で滲みになっている箇所も発見され、木製の柱には、カビが発生していました。メーカーの工事監督には、建方完了後しばらく雨が続きそうだったため、水漏れの心配がないかどうかを確認しておりましたが、まったく心配がないとの回答でした。

[業者の見解]
蒸着防湿フィルムを切り、濡れた断熱材を交換する。

[相談内容]
表面の木製の部材の一部にカビが発生していることから、パネル内部の木製の部材(壁のパネルと断熱材の間に木製の板があり、断熱材と断熱材の間も木製の部材がある)についてもカビが発生している可能性が考えられることから、パネル自体(工場から出荷時は、外壁と断熱材が一体となっている)を交換してもらったほうがよいと考えます。
しかし、パネル自体を交換するとなると、相当大掛かりな改修工事となるため、本当にそこまでメーカーに対して対策を求めるべきなのかどうか思案しております。



 yorozuの感想 現在、大手住宅メーカーにて自宅を建築中ですが、いろいろ不安になることが多数あり、みなさまのご意見が大変参考になりました。
アドバイザー 
久米 能子 久米と申します。
 ご相談のパネルは、そのハウスメーカーさんのオリジナルのものですね。それについて文章でご説明いただいても構造や状況もはっきりとは把握しにくいため、私たちには解説しにくく、推測の上の意見であることをまずご理解の上、読んでくださいますよう、お願いいたします。
 木部のカビについては、通常アルコール処理等によりカビを除去して十分乾燥させれば、カビによる色の変化を完全に戻すことは難しいかもしれませんが、 その後のカビの発生の心配は殆どなくなるはずです。

 また、断熱材についてはその種類にもよりますが、含んだ水分を排出しにくいタイプの断熱材であるのならば、いっそ交換するというメーカーの判断は正しいでしょう。
 けれども、パネルの中に新たな断熱材を押し込む以前に、N.K.さんのご心配のように、パネル内部の見えない部分の木部のカビが除去されていなかったり、乾燥できていなかったりすれば、問題の解決にはなりませんから、それらを確実に確認してから断熱材の施工のしなおしをすることができないのであれば、パネルそのものの取替えもやむないかもしれません。防湿フィルムを切ったあとの補修も完全に行わなければならず、それが可能かどうかの問題もあると思います。
 何れにしろ、パネルの中に水分が残り続けるようなことがないようにしないと、断熱の性能が落ちてしまうでしょう。

 ALCの水濡れについてはご心配は不要だと思います。
 しかし、雨漏りもしていなくて、開口部もふさがれている状態で、水がたまるほどになってしまったということでしょうか。現在の状態は、屋根(防水)・ 外壁まで施工が完了している状態なのですね?その状態で、例え壁の防水(仕上)が未施工であったとしても、そこまで水が浸入してくるのはよほどの酷い吹き降りか何かだったのでしょうか。その原因はわかっておられますか。
 もし、水が入りそうな部分がもともとあって、そこの養生が不足していたために今回のようなことになったのならば、単に施工業者の手当て不足ということになりますが、そうでないのならば、原因もよく確かめて下さい。そちらのほうも大切です。
清水 煬二 解説委員の清水です。

おっしゃる通り、水を含んだ断熱材の交換はもちろんですが、 木部にカビが生えているなら、構造体でない今回の場合でも可能ならば取替えか少なくとも乾燥させて、カビを除去する方が良いでしょう。
今年は工事中の水に対する相談が多いですが、 数年前の台風が連続していたときもそうでした。

内部の断熱材は、外部の防水を行ってから張るべきです。
今回はプレハブメーカーで工程上しかたが無いこともあるでしょう。
防湿フィルムと断熱材、パネルが一体で、 このことは施工不良が少なくメリットがありますが、 中に入ってしまって、防湿フィルムを一度剥がすとなると工場で付けたようにピタッと納まるかどうかは分かりません。
将来パネルの中はカビだらけに、という懸念もありますし、 あなたは完全な乾燥とカビの撤去をメーカーに求められて、 その処理方法は業者に決めてもらったらいかがでしょうか?
 コメンテーター 
木津田 秀雄 コメンテーターの木津田です。

 断熱材を含んだパネルがどのようなものなのかが正確には分かりませんが、断熱材を取り替える事により構造的な劣化がなければ、メーカーの言っているような対処で良いと思います。ALCについては、雨がかりがあっても問題ないでしょう。

 木質部分については、少しの雨で不具合が生じる事はないと考えます。
 パネル部分の断熱材の取り替えについて、構造的な劣化が無い事をきちんと書面にしてもらうなどして補修を行うのが良いと思います。
 事務局から 
  荻原 幸雄  断熱材を交換し、新たな断熱材施工前に滅菌処理を施した上に新しい断熱材を埋設すれば問題はないと思います。
ただ、このような状況になるのは施工会社の現場監督の落ち度だと思います。
マニュアルに断熱材施工前に雨水が浸入しない対策を講じることと記載してあるはずです。
マニュアルがありますので、みせてもらってください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状
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