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一般社団法人建築よろず相談支援機構

TEL. 0422-24-8768

〒181-0001 東京都三鷹市井の頭3丁目12番11号

よろずWEB相談HEADLINE

No. 1081 コンクリート打設時に雨が降った。

 相談概要 [相談内容] 注文住宅の瑕疵
[相談建物所在地] 愛知県名古屋市守山区
[職業] 会社員
[年齢] 35
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦 2006年6月  日
[公庫使用] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 27
[工事請負金額] 2760(土地付き)
[設計監理料] 0
[様態] 注文建築
[施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] −
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。
[18確認申請の為の委任しましたか?] した。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] −
[設計図面は何枚もらいましたか?] 5
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 9
[施工者名] S
[販売会社名] S
[設計者名] H
 相談内容 [現象]
・2月14日にベタ基礎のベース部のコンクリート(厚さ150、27-8-25普)の打設実施。(打設時間までは、監督から知らされていなかった。)
・当日、夕刻より、雨が降る予報となっていた。(監督も、職人も雨は、認識している。)
・打設は、午後1時より2時間程度で実施し、打設終了から30分前より雨が降り出してきた。雨は、午後7時くらいまでは、降っていた。
・打設後そのまま養生もせず、終了していた。(監督が養生をしなくても良いと職人に指示している。)
・仕事がおわって、午後9時30分に現場を見に行くと、打設面に6割くらい、水たまりになっていた。(写真参照)
・雨量については、隣が、ブルーシート養生されているので写真を参照。
・打設表面は、モルタル分が流され、あばたというか、かなり粗面になっています。
(写真参照)
・表面を指で押さえると、めり込むまではいかないが、軟らかい状態であった。

[業者の見解]
1.雨が降っても、打設後なので強度には問題ない。
2.表面の粗面は、表面的な物で、清掃すれば良いと言っている。
1.2.については、監督自身の見解である。(定休日なので上司には相談していない状況である。) 2月16日の夜に業者(責任者)と打ち合わせ予定。

[相談内容]

1、かなり感情的になってしまっていますが、打ち直しを要求は妥当でしょうか?
2、強度は、確保出来るのでしょうか?また、強度の確認方法があるでしょうか?妥当な方法がありますか?
3、表面の荒くなってしまっている箇所の、補修方法を、具体的に教授して頂きたい。(おそらく表面が乾けば、指でこすっただけでポロポロと細骨材がとれてくると予想しているのですが。)
4、今後、業者と長くつきあっていかなければならないが、こんな事態にならないためには、どういった対策をとっていいけば良いか、具体的に教授いただきたい。(監督とは、何回も打ち合わせ入念な打ち合わせを行ってきたが、こんな事になってしまって、後工程の建て方がかなり心配です。やめてしまいたい位です。)










 yorozuの感想 いつも、大変参考にさせて頂いております。まさか自分が、相談者になってしまうとは思ってもいませんでした。
アドバイザー 
関口 啓介 名古屋の関口と申します。

2月14日は確かに予報に反して雨が降り始めました。
降雨時のコンクリート打設は望ましくはありません。できるならば避けたいところですが、夕立等防ぎ難い降雨も当然有り得ます。
コンクリート強度に著しい影響を及ぼす恐れのある時は、打設中止を含めて、何らかの対応が必要となります。

集中豪雨や台風であれば打設中止や延期は勿論ですが、大雨等でなければ打設を中止するのも難しい問題があります。
シート養生等がなされる事が望ましいとは思われますが、2月14日の降雨がコンクリート強度に何らかの影響を与えたでしょうが、著しい影響を与えたかどうかは定かではありません。

ちなみに、ダムなどのコンクリート打設は2o/時の降雨量で打設規制があるようです
が、2月14日の降雨量は
http://weather.yahoo.co.jp/weather/jp/past/23/5110/detail.html?c=2006&m=2&d=
14では0mmになっています。確かにこの日は確かに雨が降った記憶がありますがこの記録では0oです。

また、寒い時期での打設なので温度補正もなされている(+6.0N/mm2)と思われるので、所定の設計強度は、おそらく発現するのではないかと思われます。ご心配であれば、現場で非破壊による試験と、採取したものを破壊する試験がありますので、行われてみては如何でしょうか。その場合所定の材齢(28日)を待たなければなりません。

表面の雨粒による目粗しは、ご心配であればモルタル補修を行われると良いでしょう。
文中27-8-25普とありますが、スランプが8だったのでしょうか。建築ではあまり考えられにくいので18の記述違いと思われますが如何でしょうか。

監理者がわからないようですが、確認申請書記述の監理者に一度ご相談下さい。相談にものってもらえない監理者であれば事実上不在と思わざるを得ません。
今後の心配もありますので、きちんとした監理者を建築主の責任において立てられる事をお勧めします。
 コメンテーター 
笠原 歩 コメンテーターの笠原です。

現場の養生に、問題があったようですね。
おそらく、関口解説員の記述の通り設計強度は発現すると思われます。なぜなら通常納品されるコンクリートの強度は温度補正等も含めて、設計図書より大きな強度の物が発注されるからです。どうしても納得出来ないのであれば試験をしてみて下さい。
強度よりも、表面が荒れた事による「かぶり厚さ」の不足の方が心配です。現場の状態をよく見て、モルタル等で補修して下さい。

確認申請書は建築主のものです。必ず受け取りましょう。もし施工業者の都合で「完了まで預かる」とのことでしたら少なくともコピーは貰っておきましょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 工事監理者が不在であることが原因にあります。監督の采配だけで進んでいることに問題が内存していると思います。

さて、私たちも工事監理者として雨天の場合は当然、中止の指示をだすのですが、これが曇りの場合でも地域的に雨が降ることもあります。
人が笠を差さない程度であれば問題はないですが、塗れてしまう状況だと影響はあります。
特に雨を混ぜることはご法度ではありますが、これも程度によります。

曇りが局部的な小雨の場合現場での地域がどうなのか?前日は寝れない時もあります。
早朝に空を見上げて最終的判断をすることもしばしばあります。
それくらい気をつけることです。

曇りの日は先ず、ブルーシートを現場に用意させます。
現在の状況では、どのように打設したのか施工状況は仮定の話になりますので、コンクリート強度確認する必要があります。
それが設計強度以上であれば問題はないので、ご依頼してください。

打設後の雨は今回のように打設時に雨が降っている場合は影響が表面に出る場合もあります。打設後で1時間程度過ぎた後は問題はありません。
今回は前者なので、上部もシュミットハンマーなどで、強度を確認する必要があるでしょう。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 この度は、各先生様には、見解を頂き、ありがとうございます。
打設コンクリートのスランプは、18でした。記述ミスです。
その後、業者の部長と現場で立会い、以下の見解と対応を示していただきました。

見解
1.表面数oの硬化不良となっている。
2.強度に関しては、表面を除いて、十分確保できていると考える。

対応
1.表面を金ブラシで削り、ウォータージェットで、ホコリなどを洗い流す。(モルタル補修は、かぶりが十分確保できているので行わない)
2.コンクリート表面の強度に関して、シュミットハンマーにて強度確認を行う。
3.打ち継ぎ面は、打設前に清掃し、水で湿らしてから打設を行う。

というような、対応を頂きました。

 私も、この程度まで対応していただけるということで納得しようと思っております。
ただ、工事管理上、後工程において、こういったことがまた発生するのではという不安は残っております。
沢山、ご助言いただきありがとうございました。
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