相談概要 | [氏名] U.H [相談建物予定地] 長野県木曽郡 [職業] 非常勤講師 [年齢] 43 [女性] on [構造] わからない [引渡し年月日] 西暦2008年 月 日 |
相談内容 | [家づくりの相談内容] もしかしたら,別のコーナーからの質問かもしれませんが・・・.よくわからなかったので,こちらから失礼します.現在は,まだ何の契約も交わしておりません. (現在の状況):K村の保養地の中に家を建てたいと考えております.現在売りに出されている土地の中に気に入ったものが在り,売主さんにも承諾いただいております.当面は週末だけの生活の場とし,将来的にはそこに住みたいと思っております. (家族の状況):夫と2人暮らしです.お互い趣味といっても読書くらいです. (相談の背景):現在雑誌や書籍を購入して,家を立てるとはどういうことかを考え始めたところです.夫はゴール(引越し日時)を決めて,メーカーに依頼することを主張しております.その理由は選択肢を狭くして,合理的に建築するためです.どんな家を建てるかよりも,どう暮らすかが大事だからランニングで家に手を入れれば良いと考えております.しかし,私は,どう暮らすかを考えたときに,ハウスメーカーさんの提案するプランにしっくりきません.(とはいえ,具体的にどう暮らしたいかを明確に答えられません) (質問):?このような状況からでも相談を受けてくださる窓口はありますか? あるとしたら,どこでしょう? ?上記のような希望の住まいを創っていくことを得意とする方は,名古屋周辺にいらっ しゃいますか? ?土地の購入や,建築契約の前にすることはありますか? (因みに土地は売主さんと直接交渉になっており,不動産屋さんが関わっていないのです. 土地を含めて相談するにはどのような専門職の方に相談したらよいのでしょう?) 以上ですが.わかりにくいかも知れません. よろしくお願いします. |
yorozuの感想 | 相談の検索がうまくできませんでした.(私の技術かも?).よろしくお願いします. |
アドバイザー | |
藤井 修 | 解説員の藤井です。 新しく住まいを求めるならば周りの環境が一番の決め手で建築はその次と思います。 しかし生活は建築の中でする訳ですから自分の好みや自分に取っての快適さが反映されたものの方が決まったものに自分を合わせるよりも豊かなものになると思います。 決められたプランの中から選択するのは確かに選択肢が少ない分だけ楽なのかもしれません。だけど周りの環境や漠然とした将来の展望などいろいろな話の中から建築のプランを提案していくのが建築士の基本的な仕事ですからある程度の手間を覚悟して設計事務所に依頼する事をお勧めします。 ゼロからの計画が愛着あるものを作り出すと思います。 また、土地の購入前にすることは何かとのご質問ですが基本的に建物が建つ敷地なのか、水道、下水(浄化槽)は利用可能なのかなどなど専門家(設計事務所・設計士など)に相談され方がよろしいと思います。 |
氏原 毅士 | 解説員の氏原です。 相談は今流行の田舎暮らしですね。都会の便利な所に軸足を置いて週末は別荘地(田舎で)静かに暮す。・・理想的なリタイア後の生活観としてたくさんの専門誌まで発刊されているようです。が、問題は少なく有りません。 建築的には、土地は別荘(保養)地として分譲されたものか、また地元の山林や農地を購入されるのかです。 農地は農家しか買えませんし、山林なら接道があるか(私道は不可)。 水や、電気が引けるのか、また汚水処理は自己処理か、放流か。等です。 浄化槽設置の場合、週末利用だけでは汚水処理できず地元に迷惑をかける事になります。 工事や維持管理など物理的なことは費用負担さえ出来れば何とかなりますが最も大切なのは、週末だけの勝手な移住で「地元の社会に溶け込み、暮らせるか」でしょう。 住み着いてしまうなら自治会や、近隣の付き合い(田舎は複雑で多い)がこなせますが週末なら、たとえば川の一斉清掃、地元神社の祭礼、冠婚葬祭など全てで不義理をすることになり、田舎暮らしを断念し元の家に戻ると言うケースが多いようです。 こんな煩わしい事から逃げ出すために田舎へ行くというのなら「止めませんか」としか言いようがありません。 田舎に都会の便利さ(設備・装備)など持ち込んで、何百年に渉って守られてきた環境だけを享受するという別荘は建てないほうが良いと思います。 テレビの「ダッシュ村」は特異稀な環境で成り立っています。いきなり飛び込んで、土・日はこちらで生活しますので宜しくと挨拶して回っても受け入れられるものでは無いと思います。 なぜ、相談から外れた回答をしたかというと、私自身が大阪を離れ、岡山か岐阜か?等で土地を物色し移住を考えているからです。 今、土地は地道に探すと言うことで先ずは大型モーターホーム(キャンピング車では ありません)を購入し動き回っています。 ウチの飼い犬は13歳、両親3名も健在で84歳から79歳になります。田舎に連れて行くわけにはいきません。 U・Hさんは43歳と言うことですから自分たち夫婦だけでなく周りの身内から一つずつ問題を解決しなければ、「田舎暮らし」は不可能です。 |
コメンテーター | |
善養寺 幸子 | コメンテーターの善養寺です。 田舎暮らしを望んで家を建てたいという拘りがあるなら、それを楽しんで協力してくれる建築家の方はいると思います。建築家はハウスメーカーとは違い、個人のパーソナリティで設計をしていますので、同様の趣味の方と出会えたら、一生の楽しいお付き合いとなるのではないでしょうか?田舎暮らしという暮らし方に拘りがあるのなら、むしろハウスメーカーの営業マンより、建築家の方がその拘りを共感して提案してくれると思います。 ただ、その購入されるところは、保養地と書かれていますが、別荘地のような区画整理された分譲地なのでしょうか?それで、景観もなにも関係のない状況で都会と変わらないのであれば、ハウスメーカーでも良いかも知れません。そうではない。土着の街並みや、自然の中に建てるのであれば、その田舎の風景に馴染んだ物にすることが、近隣の方々に受け入れられるためにも必要かも知れません。 ただ、氏原解説員も心配するように、田舎暮らしの覚悟ができているのかも重要だと思います。暮らしが大事と言いながら、家づくりは面倒だから、選択肢を減らし考えないようにハウスメーカーという、その感覚で、暮らしの方へ思考が働くとは思えません。 所詮、人間なんて同一の行動様式で動いていますから、家づくりに思考が働かない人は暮らしに思考などないといえます。ご主人、本当に田舎暮らしを望んでいるのでしょうか?何を建てるにいても建築は安くない買い物ですから、その高い買い物で大事な物を失ってしまっては意味がないので、週末住宅であれば、尚のこと、慌てず、じっくり検討して、楽しみながら無理せずゆっくり進めて行ってはどうでしょう? 建築家と出会うところは、色々あります。先ず、色んな方と会って、話しをして、気に入った方を見つけるところから始めてみたらいかがでしょう。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 合理的ということも時代の流れとして理解できますが、お考えの通り、家とは人生そのものと同義語なのです。 どう生きるかと同じように、どう住まうか?これこそが、家のテーゼです。 あなたの行き方はこの中のどれかを選択しなさい。といわれて「はい」とうなずき、その通りにするでしょうか? ないと思います。もし、そこに疑問を感じないで、合理的選択だけで、解決できると信じる人は「家」という喜びをその後は感じないで暮らすでしょう。 人間を包む家そのものが、あなたに与える影響は何よりも大きいと思っています。 家は「あなたの求める家」を一緒に探してくれる専門の設計者を探すことが大切なことなのです。 必ず、そのような人がいます。あなたが好きな人とであった運命があったように・・・・。 がんばってください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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