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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1062 同分譲内の同じ工務店の施工に不安

 相談概要 [氏名] S.H
[相談建物予定地] 兵庫県神戸市
[職業] 公務員
[年齢] 30
[男性] on
[構造] 木造(その他)
[引渡し年月日] 西暦  2006  年  4月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証を使用] on
[何階建て] 3
[延べ面積m2] 104.34
[延べ面積坪] 31.56
[工事請負金額] 4460
[設計監理料] 0
[様態] 建築条件付建売住宅(売建住宅)
[施工者] 大工(工務店)
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。
[確認申請書お持ちですか?] 無い。
[検査済証は有りますか?] どういうものか知らない。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 2
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 5
[施工者名] B.S
[販売会社名] R.S
[設計者名] C
[監理者名] 同上
 相談内容 [家づくりの相談内容]
初めまして。現在間取り変更可能の建売住宅(売建て)を契約しました。その現場はA号地、B号地、C号地という3棟ありまして、そのなかのA号地を購入しました。私どものA号地は、打ち合わせも途中で着工も12月中旬の予定なのですが、ただいま建築中のC号地を見て、気になったことがありますので相談させていただきます。

@工法は、木造パネル壁工法になります。金物を使った3階建てです。そのパネルに
ついてですが、構造用パネル4級 9ミリなのですが、強度的に十分なのか?また、どう
いった利点があるのか?
Aそのパネルが間柱の間についていなところがあります。たとえば窓枠の四方などで。それは、いいのか、どうか?工法としては、クロス→プラスターボード15ミリ厚→断熱材75ミリ→4級パネル→ウォーターガードU→外壁サイディングとなります。その部分にパネルがはまっていない箇所がいくつかありました。
B3階建ての養生が十分でない。玄関ドアも開けっ放し
C資材が土の上に、ブルーシートもかけずに置きっ放し
D現場は、ごみだらけ
E断熱材は、壁75mm屋根100mmで十分なのか
F各階の天井には、断熱材は、必要なのか?

以上です。
失礼な質問の仕方になってしまい申し訳ありません。私は、このC号地を建てた工務店が私たちの家も建てるのかとおもうととても不安です。どうぞ、適切な見解をよろしくお願いいたします。
 yorozuの感想 とっても参考になり、ほぼ毎日のようにいろいろ検索しながら拝見させていただいています。これからもお世話になるつもりです。
アドバイザー 
橋本 頼幸 大阪の解説員の橋本です。

ご質問についてお答えします。

(1)について
構造用合板(パネル)はいろいろな種類があります。その種類によって構造耐力上必要な耐力壁として認められる倍率が異なります。9mmで十分かどうかは全体の配置量やバランス(構造計画)によりますので、一概には言えません。木造三階建てであれば確認申請時に構造計算書が必要になりますので、必ずあるはずです。その構造計算書や構造図面で正しいのかどうかの確認が必要です。
利点ですが、主な理由は9mmは12mmのパネルより安いといったところでしょうか。
仕上げや建具などの納まりから12mmでは都合悪いところがあるのかもしれませんが、真意は設計者に確認しないと分かりません。

(2)について
具体的にイメージが共有できませんが、パネルの釘打ちの方法は国交省告示などで釘の種類と間隔が細かく設定されています。その基準を満たしていれば問題ないと考えられます。

(3)について
これは施工者の裁量ですので、何とも言えません。S.Hさんからきっちりと相手業者に伝えるほか無いでしょう。

(4)について
断熱材は壁75mmで、屋根100mmで十分か? 各階天井断熱材は必要か?
断熱材が十分かどうかというのは、S.Hさんがその住宅にどのような断熱性能を求めているかによって異なります。「これで十分」という基準や法令はありません。ただし、公庫融資を受けておられるようであればその基準によって様々な決まりがあります。また、断熱材の種類(グラスウールなのかスチレンフォームなのか)などによっても必要な厚さは異なります。いずれにしても、壁75mm、屋根100mm(床は不明)であれば一般的には問題ない程度だと思われます。
各階断熱材の施工の意図ですが、真意は施工者に確認が必要だと思いますが、階下に音が伝わらないように考慮して施工することがあります。必要かどうかは、断熱材の厚さ同様、S.Hさんがどのような性能を求めるかによります。

最後に、確認申請書類を受け取っておられないとのことですが、S.Hさんの疑問を解消するためにも、原本もしくはコピーを受け取られたらどうでしょうか?
公庫や住宅性能保証付であれば矩計図(かなばかりず)といった断面を詳細に書いた図面があるはずですので、それらを確認すれば多くの疑問は解消されると思います。また、(1)でも述べましたとおり、構造計算書と構造図面を確認されることをお勧めします。また、構造計算書や構造図面は非常に専門的なので、S.Hさんから工事中の建物の監理者に説明を求めるか、もしくは第三者の専門家にチェックを依頼されてはどうでしょうか?
 コメンテーター 
清水 煬二 コメンテーターの清水です。

これは建築条件付といっても実質は建売ということでしょうから、それに対して高品質を求めること自体に無理があります。値段は安く、設計も監理も工事も業者側で行うのですからコストダウンを優先して、見えなくなる本当の品質は、後廻しにされがちです。

現在騒がれている構造計算書偽造問題も、設計も監理も工事も業者側が実質的に行っているのです。もっといえば民間検査機関も業者側から選ばれてお金をもらって成り立っているわけです。
この構図に対して消費者が住宅に高品質を求めるのであればノーと言わなければなりませんが、安易に建売、建築条件付き、工務店直接、ハウスメーカーを選び設計も監理も工事もすべて任せています。

もちろん、建売も建築条件付も安くて良いでしょうし、ハウスメーカーも任せておけば良いので楽で良いでしょう。そのメリットを重視する方もいるわけで、否定するわけではありません。ですが、必ずメリットもあればデメリットもあります。それを承知の上で選ぶべきです。メリットばかりということはありません。
さらに言えば、住宅に品質を求めるのであれば第三者の設計事務所に施主が直接依頼して充分な設計と監理をお願いし、工事業者に専門家として指示してもらうことです。

建売を請け負っている工事業者にすれば、叩かれ続けてこの安過ぎる値段で現場の掃除なんかしていられるか…という気持ちでいるはずです。仮に清掃を強要しても手間が掛かる分、工事の手抜きをするかもしれません。それを素人の施主は見抜けるでしょうか?
ちょっと厳しいコメントで申し訳ありませんが、TVなどで知ったかぶりをしたいい加減な素人コメンテーターの的外れな解説が多く残念に思っています。

合板の厚みは9ミリあれば、厚さには問題はありません。問題があるとすれば釘の間隔やその打ち方、打つ場所にあります。すなわち職人の工事次第ということになります。これをチェックすることが正しい構造強度を保つための品質確保のひとつにつながります。
窓枠の四方にパネルがないという意味が文面からは不明ですが、窓の上下にパネルがないということは考えられますし、窓の左右になくても構造計画によっては成り立つでしょうから、良いか悪いかは文面からは判断できません。

ボード15ミリ、断熱材75ミリもその数字自体には、なんら問題はありません。断熱性を求めるには、橋本解説員のコメントにあるように厚さだけでなく、材料により性能も異なります。実際には工事方法で家全体の断熱性能はかなり変わりますので、本当に問題にすべきは工事方法でしょう。
各階の天井に断熱材を吸音の意味で入れる場合と、防火上必要なため入れている場合があります。前者の意味では入れなくても問題にはなりません。

ご相談の内容を拝見していると、工事業者の雑な現場を見て、個々の仕様についてもこれで良いのかというよう不信感が出ているようです。工事前ならば、売主に事前に要望や不安を伝えて、正式な回答をもらっておくほうが良いでしょうし、設計図書や工事中の現場を専門家に確認してもらうと良いでしょう。
 事務局から 
  荻原 幸雄 疑問に思った点は工事監理者に聞くことです。
先ずは設計図の説明を設計者に受ける。その後、それを監理する人間に何を監理してくれるのかを確認する。
これをしなければ、安心した家は手に入りません。
遠慮なく聞くことです。高い買い物なのですから。

建築は疑問に思うところが多いのですが、それとても一般に方の見方と専門の見方は違います。もっと深いものですので、設計者、監理(監督ではありません)に直接お逢いして、どの人が設計して監理してくれるのか、を確認することです。
顔の見える家づくり目指してください。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 返事が返ってきたメールを見たときとてもうれしかったです。とにかく事業主と設計士に遠慮なく聞いてみることが大切ですね。まだまだ不安は一杯ですし、これからも増えていきそうですが、その不安も楽しみながら家づくりをしていきたいと思います。とにかく後悔しないようにだけします。また、その後の進行状況をお知らせしたいと思います。本当にありがとうございました。  
 その後  
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