相談概要 | [氏名] KY [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 神奈川県鎌倉市 [職業] 主婦 [年齢] 32 [女性] on [構造] 木造(2X4工法) [引渡し年月日] 西暦 2002 年 10 月 15 日 [公庫は使わない] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 115.52 [延べ面積坪] [工事請負金額] 1864.8440 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 32 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 4 [施工者名] MSH [販売会社名] 同上 [設計者名] OT [監理者名] 同上 |
相談内容 | [現象] 我が家は日当たり、風通しの良い高台に建つ、築3年の注文住宅です。 2階、ベランダに出る為の勝手口(東南東)の、靴ずりが腐りました。 ドアには2層ガラスがハメ殺しでついている。最近約10ヶ月は無事だが、築半年から度々、ガラス下部から雨漏りがする。 そのドアは、1階の勝手口にもついていて、雨漏りを何度も繰り返している。 (1階のドアの靴摺りも腐ってぶよぶよです。) ドアは輸入品の木製。住宅メーカーから渡されたカタログから選び、光が欲しかったので選んだ。カタログ・契約書には木製とは一切書かれていない。靴ずりが木だと知った時、現場監督に聞くと、某防腐剤入り塗料を1年に1度塗っていれば問題無いと言われ、1年に2回塗っていた。 部材を選ぶ時に、窓は木製の3層サッシにした。その後劣化するのを承知で選んだ、と言った誓約書を書かされた。 ドアについての契約書 外部建具(サッシ、銅製ドア等) 保証内容*反り、建付不良、作動不良、部品の故障 保証期間*2年 免責*作動に影響を及ぼさない反り、雨・日照りによる玄関ドア外側の変色、退色 建築の相談窓口に予約を入れた。場合によっては有料で見てもらう事も考えている。 我が家の考え 言われたとおり手入れして、3年で腐る部材を使うことも理解できないが、現場を見に来ないでアルミドアを工賃や交通費まで払うなんて納得いかない。 [業者の見解] 雨漏りについて 築半年で雨漏りしたので、ドアの交換を要請、が、窓枠をコーキングすれば平気と言い、雨漏りする度にコーキングするイタチごっこ。コーキング材がガラスにこびりついていたり、仕上がりが汚い。 住宅メーカーの対応の悪さ 雨漏りの連絡をすると、こちらが催促しない限り、一切連絡をよこさない。どうにか日時が決まると、4、5時間遅刻して来る。クレームをつけたが、『うちは運送会社じゃないんだ、時間通りに行くために夜中に起きろと言うのか』と、住宅メーカーの専務。建ててすぐに、手抜き工事が発覚、何度もトラブっている。 住宅メーカー専務の意見(録音してある) 靴ずりだけ直すことが出来ないため、アルミドアに枠ごと交換(見積もりは、ドア11万円。施工費2万2千円。諸経費3万円。現状ドア処分代1万円。計17万2千円)。 上記に書いた誓約書があるため、一切の保証をしない、だからこれだけの金額が掛かる。(確かに書いたが、それにはドアという言葉は出て来ないし、木製ドアなんて説明は受けていないと言うと、ドアもその部類に入っていると言う)。木は3年ぐらいでも腐る。最初から木製のなんかにしなきゃよかったんだ。開口部の保証は無い。と言ったり、ドアの雨漏りについての保証が書かれていないと言えば、保証はある。と言ったりで、意見がチグハグしている。雨漏りは台風や横殴りの雨で漏った場合は免責になる。それはどこの住宅メーカーでも一緒。私たちではK(当方)さんと話をするのがキツい。手に負えない。弁護士を用意しても良い。Kさんが弁護士を雇うなら、 弁護士同士で解決したい。これ以上、Kさんの声を聞きたくない。 メンテナンス担当の人は、一度も見に来ていないのに、靴ずりだけ取ることは出来ないから、アルミのドアと交換だ、と言った。見積もりは、靴ずりが腐ったと連絡をして3週間後にアルミドアのカタログコピーと一緒に送られてきた。 一度も様子を見に来ないでドアの交換と言われても納得出来ないと言った所、専務は、一度メンテナンス専門の人間をよこすと言った。来週来ることになっている。 [相談内容] 1*この問題が片付くまで、問題のドアは晴れた日に開けて、腐った靴ずりの部分を乾燥させるようにしています。が、表面がパカパカしている状態なんですが、これ以上悪化させないようにするには、その上から防腐塗料を塗ったほうが良いですか? 2*靴ずりは、本当にそこだけ取り外せないのでしょうか?(写真を送ります) 3*先日、某相談窓口にいった時、5年前に開口部を含む、外側の保証10年の義務という法律が出来たたことを知りました。靴ずりが腐ったことと、ハメ殺しのガラス部分の雨漏りは、この法律で保護される部分なのでしょうか? 4*以前、住宅に関わる電話相談では、靴ずりも含めてドア=開口部、10年保証が義務なのだから、その契約は無効になるといわれましたが、我が家は一応、木製窓は劣化し易いのを承知で注文しました、という誓約書に判を押してしまいました。どう思われますか? 5*我が家が判を押した誓約書通り、住宅メーカーのいいなりになるしかありませんか? 6*靴ずりが取り外せて、修理出来た場合、またガラス部分からの雨漏りが起こるかもしれません。やはりアルミのドアに変えた方が良いのでしょうか?また、住宅メーカーの提示する金額を払う必要があるのでしょうか? 7*木製のペアガラスや、トリプルガラス、木製ドアを使っているメーカーで、雨漏りや靴ずりのトラブルは起こっているのでしょうか?そういった部材を使っている家は沢山ありますが、どこでも起こるトラブルでしょうか?起こった場合、一般的には どう修理をするのでしょうか? 8*台風や、横殴りの雨の場合は免責になると、住宅メーカーの専務は言いましたが、 台風、横殴りの雨、軽い打ち雨でも雨漏りするドア、窓やドアから雨漏りなんて、聞いた事がありません。本当に、どの会社でも免責なんですか? 9*住宅メーカーで我が家を担当した営業マン、現場監督、建ててから直しに来た大工云々、皆辞めています。何かあると上記にある専務とのやりとりになるのですが、一方的に話すだけで全く話を聞こうとせず、何度言っても遅刻、社長が来るということで待っていても、全く来ないこともあるいい加減な会社で、本当に迷惑していますが、専務から我が家のトラブルは手に負えないと、はっきり言われました。私もこの家を建ててから、毎日不安で辛い思いをしています。そんな相手と折り合いをつけるには、どう話を進めていくのが良いと思われますか? 10*裁判になった場合、勝つ見込みはありますか? |
yorozuの感想 | こちらを見つけた時、全身の毛穴が開きました。やっと見つけた!そんな気分でした。客商売とは思えない対応の住宅メーカーで建ててしまってから、毎日不安で不安でいてもたってもいられなかったのですが、こちらをみつけ、何か突破口が出来たような気分になりました。皆様、プロとして仕事を持つ傍ら、このように一般の方の相談にのっている、というのはやはりプロ意識がしっかりしているのでしょうね。ただ、あまりパソコンいじりが上手くない私の目から見ると、ちょっと見難い、目的のものを探し難いような気がします。 |
アドバイザー | |
清水 煬二 | 解説委員の清水です。 全くひどい業者です。結論からいうと、どういう誓約書を書いていても、その業者には法律的に責任があります。雨漏れについて10年間の保証義務が有効であるからです。費用の負担も、もちろん必要ありません。台風時などの天災に属する場合は、免責が認められますが、程度によります。 写真ではピントがボケていてよくわかりませんが、文面からすると今回のケースでは、建て主側に責任はなく業者責任は免れないと、私は思います。対応の文面内容からすると、現在はその業者には誠意のかけらも感じられませんね。湘南地区の2×4工法でデザインが有名な業者で、同じような トラブル内容のケースがありました。最初は業者は文句を言っていましたが、最終的にはバルコニーへ出る木製ドアを取り替えました。相手に責任があると自信をもって クレームを社長宛てにしてみて下さい。 ご本人からハッキリ言ってもダメなら、役所に行って直接電話してもらうとか、弁護士さんに内容証明を書いてもらって送るなどしないと舐められたまま、ずるずるといくことになるでしょう。 |
コメンテーター | |
堀住 勝雄 | しゃれたデザインで一見豪華、その割に安価な輸入部材は購買意欲をそそります。 しかし多湿な日本で使用するのは大きなリスクを伴います。また日本の実情に合わせた施工にもそれなりに技術が必要と思います。推測すると、業者はこの建具に問題があり責任を持って納められないことを承知していた、しかしK様の強いご希望により仕方なく誓約書付きで施工したのではありませんか。 A1,腐食部分に浸透するタイプの防腐剤を注入すれば多少は効果はあるでしょう。 A2,写真ではよく解りませんが、たぶん根本的対策はできないと思われます。 A3,4,「特別に建築主の指示によって行った部分については責任の範囲外である。」と業者は反論するでしょう。製品に問題があることの説明は聞いていますか。 A5,言いなりになるか戦うかはK様が決断することです。 A6,アルミとは限りませんが何らかの対策を考えないと建物に大きなダメージが予想されます。別の「技術力のある」業者から見積を取られることをお勧めします。 A7,木製サッシは一種類だけではありません、技術力と良心のある業者はそのような危ない製品は使わないし、使うからにはそれなりの対策を考えて採用すると思います。またネガティブな情報は表に出しませんからどのように修理しているかは解りません。 A8,通常の施工であれば免責ではありません。 A9,。カタログで部材を寄せ集めれば住宅が出来る訳ではありません。この会社に修理する技術力があるとは思えません。弁護士さんや調停委員に入ってもらうべきでしょう、当事者同士で話し合うレベルを超えていると思います。 A10,勝つ見込みはあります、しかしかなりの経済的負担や数年間の時間を覚悟して下さい。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | ハウスメーカーの功罪として大きな問題点が出た部分だと思います。 イギリススタイル、アメルカンスタイル、なんとかスタイルもどきのデザイン。 一見、こころがそそられますね。憧れの海外生活。あこがれの街並み。 しかし、それらはそこの風土で培われた技術と環境があります。 湿度、気温、地震有無、台風の有無、降雨量、季節の変化、地元で取れる気候に馴染んだ材料。だから地球にはいろいろな建物が存在するのです。 日本では日本の環境に馴染んだ材料や工法が編み出されていました。 それをいともたやすく、輸入し、建築する。問題が長期的に起こりうる土壌がそこにあるのです。異種のものを日本の環境に馴染ませるには相当の技術的、思考的、実験的判断が必要になります。 現実はこの実験的判断は実は皆様の家でされていることになります。 一般論はそれくらいにして覚書は効力がありますが、その捉え方で認識が違っていたということになります。 その差が今回の問題を引き起こしてたということですが、その辺は話し合いで解決できると思います。 訴訟は手間や費用を考えると、取替えるのと費用効果は同じでしょう。 先ずは話し合い、次に内容証明による文章での話し合い。 無理ならば建設紛争審査会に席を移しての話し合い。という流れになります。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 早速の解答、ありがとうございます。 皆様に本職の合間を縫って相談にのっていただき、こちらのサイトを見つけて本当に良かったと思います。私以外にも沢山の方が苦しんでおられる。相談をボランティアで受けていただける、というだけで、心救われる方は沢山居ると思います。これからもお体をお大事に、住む人が安心して暮らせる家を作って欲しいと思います。 なお、建築士相談(面談)で、完成済み証が無いこと、工事監理者・設計者を知らないこと、保証内容に問題があることなど、ドア以外の問題点を指摘されました。もう私たちの手には負えないので、この後は弁護士への相談を考えております。この問題の決着がつきましたら、改めて報告させていただきます。 今回は丁寧な解説、本当にありがとうございました。 |
その後 |
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