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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1055 共用敷地を提供する覚書付の建売住宅で

 相談概要 [氏名] I・K
[相談内容:] 近隣のトラブル
[相談建物所在地] 神奈川県横浜市
[職業] 会社員
[年齢] 39
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦 1999年 5月  日
[公庫は使わない] on
[性能保証は使っていない] on
[何階建て] 2
[延べ面積m2] 80
[延べ面積坪] 22
[工事請負金額] 4180
[設計監理料] 0
[様態] 建売り住宅
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
[設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。
[監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。
[確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。
[確認申請の為の委任しましたか?] してない。
[確認申請書お持ちですか?] 有る。
[検査済証は有りますか?] 有る。
[設計図面は何枚もらいましたか?] 1
[工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 1
[床面積] 90m2以下
[施工者名] S設計
[販売会社名] Y住販株式会社
[設計者名]
[監理者名]
 相談内容 [現象]
自動車等の出し入れがしやすいようにと、4軒が共用敷地を提供する覚書付のフリープランの建売住宅を購入したのですが、引っ越して半年程過ぎた頃から隣家が自分の土地を主張して、共用の敷地に車をはみ出して停めるようになり、自分の車の出し入れがしずらくなっていました。(他の家は車の出し入れに影響はないので何も言いません。)

それでも何とかなっていたのですが、この度、家を売却する事となり、契約も済んでいるのですが、隣家に引越しをする旨を伝え、次に住む方がセダン等の車だったら、少しは車を後ろに下げるようお願いをしに行きました。そうしたら、その後から当方の家の南側に側面付のカーポートを付けるような依頼を業者にしていました。日当たりを遮る事になります。(南側が隣家の駐車場兼通路となっています。)また、さらにひどく隣家の車を前に出して、境界を越えて駐車している状態です。とても車の出し入れができる状態ではありませんが、ケンカはしたくないので、しばらく様子を見ている状態です。売買契約を結んだ後に隣家のいやがらせとしか思えない駐車がひどくなってしまいどうすればいいのか困っています。

[業者の見解]
当方の南側が隣家の駐車場兼通路となっており、隣家は奥まっているので、車を2台停めています。不動産屋の担当者の方が何度か当方に来た時は、たまたま車が停まっていませんでしたし、今ほどひどい停め方はしていませんでした。担当者の方には、隣家は車を2台停めている旨は伝えていますが、「大丈夫でしょう」と言ってはいるものの、実際に停めているのを見ておりません。売買契約を結ばれた方も同じです。実際にカーポートが付いてから担当者の方に話した方がいいのではと考えているので、販売会社の方の見解と対応はまだ何もないです。

[相談内容]
覚書を交わしている共用敷地について、隣家とどういった話し合いをしていけばいいのか。隣家の方は感情的な方のように思えるので、第三者の方に間に入って話を進めた方がいいと考えているのですが、不動産屋の方で対応できるのか、やはり弁護士の方を依頼した方がいいのか、とにかく今の隣家の車の停め方を見る度、嫌な思いをしており、次の方にも申し訳なく思うので、なんとか解決したいのです。
 yorozuの感想 今までの相談例も載っていてしっかりしたHPなので相談しても安心かなと思いました。建築に関しての相談が多いようですが、近隣問題も扱っているようですし、稀な問題かとは思いますがぜひ回答をお願いします。
アドバイザー 
清水 煬二 解説委員の清水です。

K.I さんの良心的な考え方にホッとすると同時に、何とか平穏に解決できることを願って止みません。
購入したときの不動産会社と、今回売りの仲介をしている不動産会社とは同一会社でしょうか?そうであれば、 なお良いのですがそうでなくても、もう一度ハッキリ不動産会社に伝えるべきです。
万一、今回の契約者が自分の車を駐車できることが契約の前提条件であり、現状の説明をハッキリ受けていれば契約しなかったということで、契約解除を入居後でも申し出てくるかもしれません。
弁護士を立ててくるかもしれませんし、そこまでいかなくても騙されたとK.I さんを恨むかもしれません。
いずれの場合でも、良心的なK.I さんにとっては心が痛むでしょうし、もっとハッキリ言っていれば良かったと後悔することになるでしょう。

いきなり弁護士を間に立てると隣地の方は、自身が悪いことをしているとを潜在的には感じているはずですから、 逆にますます感情的になるかもしれません。まず不動産会社にもう一度説明し相談して、 買主に現状をハッキリ伝えてもらうか、不動産会社から隣地の方に説得してもらう方が優先でしょう。

また、カーポートは建ペイ率上、違反になる場合もありますから、その点も不動産会社に確認してもらい、 場合によっては工事をする前に担当者から指摘してもらっても良いかもしれません。
同時に過去の経緯と覚え書きから、弁護士さんに法的な効力や争った場合はどうなるか、対応方法などを相談して把握しておくことが必要です。不動産会社の顧問弁護士に詳しく確認してもらってもよいでしょうし、 ご自身で役所や弁護士会の無料相談か、有料相談(1時間1万円程度のようです)を行ってもその価値はあると思います。

最悪のケースは、弁護士さんを立てて隣家と裁判ということも考えられますし、今回の契約を相手から解除されることも考えられます。
その場合、隣家とトラブル状態で生活しなければならないかもしれません。隣家がどのような対応をしてくるかは、 相手によって異なるので事前に特定まではできません。 大変だと思いますが何とか結果良しで解決できるよう、がんばってみてください。
 コメンテーター 
藤井 修  やはり最初は覚書に基づいて、隣地の人への申し入れを購入時の不動産会社にお願いすべきです。
また売却した場合に覚書は売却先の人には有効にならないかもしれませんので相手先の出方を見て、清水解説員の言うように第三者の判断に任せるのが良いと思います。
相手が自分本位の方ならば直接の話し合いは避けたほうが懸命のようです。
 事務局から 
  荻原 幸雄 私的な見解ですが、当方が土地から立ち会う場合もあるのですが、このような共用としてのスペースのところは何れこのような問題ができることが明白なので、勧めていません。
日本人は土地に執着します。共用としても共用としなくても済む方には共用の意味を見出さないから今回のように所有権を主張しだします。共用は販売戦略として4戸のどれかが車が進入できずらい場合の最終手段なので、共用でないと車の出入に支障をきたす場合は共用でなくなる高い方は死活問題になります。

このような土地は共用の覚え書きを解除しても問題ない方と問題が出来る方の利権関係が出やすくなるものです。
今回は案の定、隣地が暴挙にでているようです。覚書があっても、既成事実をつくり放置されると覚書の効力がなくなることもあるので、その手を使い出したと思います。当初は全ての住戸が覚書を知っていますが、貴方が引っ越すと聞いたとたんに、新しい住人に既製事実を構築するためにカーポートの設置を考えたのでしょう。

このような人物は残念ながら多くおります。己の利権のみ追う人物です。情けない大人だと思います。
私見ですが、そもそも、苦肉の策で生み出した覚書の共用が壊される危機にあるのですから、販売会社が責任を持って交渉すべきであると思います。それが売主責任であると思います。

一般の方は認識が低いのですが、カーポートも建築物です。一定の基準で建築面積や容積面積に加算されるのですが、今回の敷地だと違法になる可能性もあるので、それを主張することも権利としてできます。
このことを不動屋さんに確認し、違法性があれば工事着工した場合に行政に確認してもらうことが大切です。

先ずは不動屋さんに対応してもらいましょう。
勿論、この共用が共用としての意味を満たないのであれば、貴方も買主から契約解除ということもあります。
至急、対応してみてください。

貴方の高貴な対応に応援したいと思います。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 ご意見、ご助言ありがとうございました。とりあえず、不動産の方にお話してみます。
自分たちが考えている以上に大変な事態になってしまっているのかもしれないと再認識しました。
また、詳しい結果は後ほどメールいたします。
 その後  
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