相談概要 | [氏名]K.T [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [相談建物所在地] 神奈川県高座郡 [職業] 会社員」 [年齢] [男性] [構造] 木造(2X4工法) [引渡し年月日] 西暦2006年3月 日 [公庫は使わない] on [性能保証を使用] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 45 [工事請負金額] 2700 [設計監理料] 70 [様態] 注文建築 [施工者] 大手ハウスメーカー [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けていない。 [18確認申請の為の委任しましたか?] 覚えていない。 [確認申請書お持ちですか?] 無い。 [検査済証は有りますか?] 無い。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 8 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 20 [施工者名]T・L [販売会社名]M・H [設計者名]O [監理者名]O |
相談内容 | [現象] 基礎の立ち上り部分でポルトランドセメントを打設した直後または最中だと思われますが激しい雨が降りました。(翌日まで降り続きました)作業を最後まで見届けていませんが最悪打設中に雨が降り始めたと思います。翌日に現場を見に行ってみると養生シート等は一切無く打設面がむき出しのまま放置されていました。 10日後に型枠を外してみると気泡痕が数えきれないほどあり、また上面には小石みたいなものが見えています。コンクリートの品質や強度に影響がないかとても心配です。 また立ち上り部分の配筋が中央からずれて、外枠より3センチのところにあるものもあります。 宜しくお願いします。 [業者の見解] 1.コンクリート強度については全く問題なしとの回答。 2.養生シートをしなかったのは施工者の判断。 3.気泡痕は許容範囲。 4.配筋ズレについては社内規定で4センチとなっている。よって基礎自体をモルタルで施工し基礎自体に厚みをもたせることにより幅4センチを確保する。 [相談内容] コンクリートの強度測定をしたほうがいいですか?(第三者) 配筋のズレについてはモルタルで厚みをもたせれば建築基準的にはクリアされるのでしょうか? |
yorozuの感想 | 非常に参考になり心強いHPだと思います。 |
アドバイザー | |
大内 彰 | 大内解説員 この工事は酷いです。降雨中のコンクリート打設、打設後の養生も一切なしというのは出来上がりについて議論する以前のレベルです。 写真を見ると表面に小石の形状が見えますがセメントペーストが流れてしまってはいないようですが、コンクリート天端をコテで押えることはしていないようです。コンクリートを流し込んで、あまりよく突き固めるということをしていないように推測します。コンクリートの品質を確かめる意味で第3者による確認が必要と思われます。 コンクリートの被り厚不足をモルタルで確保するという方法は基準法では認めていないと思います。基準法によると基礎については6cmの被り厚が必要になります(立ち上がり部分を基礎とみなすか梁とみなすかによって法的な扱いは違ってきますが)。実際上どうなのかというと、打設されたコンクリートが密実であれば表面にモルタルをきっちりと塗れば耐久性上の問題は少ないと思います。 |
清水 煬二 | 解説委員の清水です。 大内解説員と同じような回答内容ですが、コメントさせて頂きます。 コンクリート強度については、心配であればシュミットハンマーという道具で現場のコンクリート圧縮強度を測定できます。ある程度の誤差はありますが、これで大体わかります。しかしながら、衝撃を与えますのでコンクリートが完全に固まってからの方が良いでしょう。 コンクリートの上端は、凹凸がひどくて雨の影響と考えると心配ですが、側面を見るとそれほどの影響は出ていないようにも見えます。気泡に関しては、私は許容範囲だと思います。 コンクリートがある程度固まりだしてからの雨なら、かえってコンクリートには良いことはあるのですが、打設中、又は打設直後に激しい雨が続いたとするならば、当然養生は必要で、それを怠るとコンクリート強度にも影響してきます。 配筋のかぶり厚不足は、正式にはモルタルの後付では認められていないはずです。このかぶり厚は、雨などの水、空気中の炭酸ガスなどで長い年月の間にコンクリートが弱アルカリ性から中性化していき、鉄筋の深さまで届いて鉄筋が錆びないように確保するものです。 一部だけのズレや著しいズレが無ければ、現実的にはモルタルで不足部分を補うことはなされていますし、コンクリート表面に完全に密着させることができればその効果も期待できると思います。しかしながらこれらの写真だけでは、正確な判断は難しいでしょう。 |
コメンテーター | |
藤井 修 | コンクリートの打ち上りの細かい孔はコンクリートに含まれている空気が出る時にできたもので深くなければ問題はないと思われます。 コンクリート天端の豆板はモルタルできちんと仕上げなければなりません。 コンクリート打設後の激しい雨でも養生をしてあればコンクリート強度に問題はないのですが写真では判断がつきません。 大内解説員が言うようにコンクリートの品質を確かめるには第三者による確認が必要と思われます。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 雨が降る可能性がある場合は打設後のシートなどの養生は必須であることです。 コンクリートに対する認識が低いと思われます。 また、表面はペーストが流れた、若しくは、雨により飛ばされたようですね。 木造の基礎だとすると、この上にモルタルで均してという手順になると思われます。 強度的にはどうか?という点ではなんともいえません。 実際に雨がどの程度の時間あたったのか? 打設時に降ったとしたら、どの程度降ったのかを確認検討する必要があります。 わたしが監理者だったら、天候の悪い時は原則中止を指示します。 また、はっきりしない天気の場合は必ず養生シートを現場に搬入させて打設部分から養生をさせて万が一に備えるように指示するでします。 この場合には 1)シュミットハンマーで強度を確認する。 2)上部表面をはつりとり、モルタルで均す。 3)被り不足に関してはモルタルで基礎側面を保護する。 このようなことで対応するように確認ください。 現状からみて監理者が機能していません。 今後が心配ならば第三者の建築士に確認してもらってください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | 先日はご丁寧な内容のメールをいただきましてありがとうございました。 お蔭様でメーカー側に強く訴えた結果やり直しが決定いたしました。 メーカー側のやり直しの判断は下記の通りです。 @雨が降っていたのに養生シートをしなかった。 A立ち上りの鉄筋かぶり厚がメーカー基準の4センチに満たなかった。 結果的にはAが決定的な理由となりました。 また一からやり直しですが、いい勉強になりました。 今回は本当に貴重なご意見ありがとうございました。 |
その後 |
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