相談概要 | [氏名] N・T [相談建物所在地]熊本県上天草市 [職業] 公務員 [年齢] 30 [男性] on [構造] − [引渡し年月日] 西暦 年 月 日 [何階建て] 1 [延べ面積m2] [延べ面積坪] 30 [工事請負金額] 0 [設計監理料] 0 [様態] − [施工者] − [設計者を選んだのは] − [監理者を選んだのは] − [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] - [確認申請の為の委任しましたか?] - [確認申請書お持ちですか?] - [検査済証は有りますか?] − [設計図面は何枚もらいましたか?] [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 7〜8 [床面積] − [施工者名] なし [販売会社名] なし [設計者名] I・T [監理者名] |
相談内容 | [現象] 設計士との交渉記録を以下に箇条書きする 以後、依頼主→◎ 設計士→■とする 記 I氏の紹介により設計士と会ってみた ■過去の経歴を話す(何の資料も提示せず、老人ホーム・小学校・ビジターセンターの話だけだった) ◎I氏の紹介だったのでそれでも信用することとした。 ◎私は木造で家を建てるつもりだと話した。 ■模型を作ってもってきた。(鉄筋とコンクリート造り) ◎最初に話しをした内容(木造で建てる)が活かされていない。 ・鉄骨とコンクリート造りは気に入らなかったが間取りは気に入った。 ・模型の間取りで木造にできないか? ◎■はできないことはないが金額的も変わらないし、設計が難しいとのことだった。(何が難しいのか?それをするのが設計士ではないのか?と感じた) ■木造も鉄筋コンクリートもたいして金額に差がないと言った。 ・木造と鉄筋コンクリート造りの坪単価等の比較説明がなかった。(■の名刺には建築積算技術者のようなものがかいてあったので分かると判断したので聞いたのだが・・・) ◎模型の造りでいくらぐらいになりますかね? ■模型の造りで予算的に22,000千円ぐらいですかね ◎無理と回答する ■はじめに予算を聞いたり坪単価で話をすると、それに捕らわれて自由に作れなくなる。 予想で2,000千円くらいと考えていました。 公務員なんだから頑張りましょうよ。(公務員なら金がどれだけでもあるような言い方に怒りを覚えた。I氏の紹介だったので堪えた。) ◎何もかも含めたところで15,000千円ぐらいを考えていると話す。 ■そのぐらいの予算ではまず家は立ちませんよ。だったら別の間取りにしてみましょう。 (依頼主の要望に応えるのが設計士の仕事では?と疑問に思う。) ◎最初の模型の間取りで木造でできませんか? ■できないことはありませんが22,000千円からそんなに安くはならないし、金額的に変わらないなら鉄骨とコンクリート造りをお勧めします。 ・間取り的に厳しい。(壁が増えるため)とのこと ◎木造で建てたい。地元の大工に頼みたいと考えている。できないことはないというなら、できるということですよね? ■だったら別のプランにしましょう ◎設計監理料金はいくらぐらいか聞いた ■依頼の金額の話は自分の仕事を見て決めてほしい。自分がどれだけできるのか◎に見てもらわないと分からないでしょうから。(支払う金額は◎が決めてもいいような言い方に感じた) ◎それならばと思い、とりあえずどのような設計ができるのか様子を見ることにした。 ■別のプランを書いてきた(気に入らない) ◎ここをああしたい、こうしたいと話す ■これは無理。ここもしないほうがいいと思う。(間取りの◎の要望希望箇所について指摘→理由の説明等さっぱりない。誠意も感じられない) ・■が自分の考えたプラン等を◎に変更されるのが嫌だ、という感じが伝わってき始めた(誰の家を誰が建てるんだという怒り) しばらく連絡が途絶える。その理由として「奥様がモデルハウスのような間取りや勝手を希望されていたので、■が提案する家はそういうプランではないことを気付いてもらうため、連絡をわざとしなかった」ということ。(説明すればよいものをあえてしない)設計士に侮辱されたような気になる。時間のロス。■が提案したい家が記載してある本(生活感のない家が掲載)を見せられ、こういう感じですよといわれるが、◎の望んでいるものとは全く違うと感じた。 プランの打ち合わせについては1回/月 ◎家にて行い、Fax、メールでのやり取りで変更希望箇所等の打ち合わせを行ってきた(電話は掛けても通じることは少なく、数日後に掛かってきたりしていた。こちらが電話をとらない場合は■から掛けなおすことはなく◎から掛けるという連絡体制だった。要望メールは送信しても何の返事も来なかった。初めて来たメールは設計を断った後の請求メールしかない。《簡単な打ち合わせはFaxまたは メールでやりましょうとの◎■の話合いのうえだった》)◎やはり最初のプランの間取りがいいのでそれで話を進めましょう。(最初から木造で建てたいと話を打ち合わせで話をしていた)木造でできないことは無いということだったので、県産材のプレゼント応募も視野に入れた上で進めましょうと伝える。→その後の連絡説明は何もなかった ■分かりました。変更がある場合はFaxまたはメールでお願いします。 ◎デッキの部分を削って後はそのままの間取りでお願いします。 ■じゃあこれで話を進めます。 (どのような流れになるのか■が実施設計に入るつもりであるなら、一言◎に説明をすべきではなかったのか?) ◎約3週間、連絡が無いので◎から電話する。 ■ある程度図面ができたので持ってきます。(今までの打ち合わせ連絡・待ち合わせ時間にも毎回遅れるなどルーズな■なのでまたちょっとした間取りにも時間がかかったのだと思っていた)■直前になってパソコンのデータが壊れたので、来週まで待っていてください。 ◎約1週間後、連絡が無いので電話する ■まだ完全ではないのでもう少し待っていてください。(約1週間後連絡がある) ■パソコンで見せます。■のミスでデータが壊れていた。(最初につくってきた模型同様に鉄骨とコンクリートで設計をしている) ◎ちょっと待ってください(木造で建てるというのは大前提) ■最初のプランで行きたいと言われたものですから・・・。鉄骨とコンクリートでいいと思ったものですから・・鉄骨とコンクリートで設計しています。(一番重要な《木造にする》所を■の単独の判断で決定している。依頼主の◎に確認をとってしかるべきところであるにもかかわらず。) ◎それだと予算内ではできないではないですか? ■初めから言っていますが、◎の予算では家一軒建ちませんよ。ローコスト住宅を手がけるということはかなりの労力を使うし、ローコストとなると設計監理料も少なくなるわけで、自分で自分の首を絞めるようなものです。テレビなどでローコスト住宅を取材されていますが、そうそう出来るものはいないし、九州または熊本でできるものは一人もいないでしょう。設計士としては自信を持って作品を提供するわけで、それを仕事としているものですから、それなりの報酬はいただきたい。私は2,000千円いただきたいのですが、I さんの紹介でもあるので最低でも1,800千円ぐらいは、いただきたいと考えています。◎ のおっしゃる予算をはじめから聞いていれば、この仕事は請けていなかったでしょう。 ◎木造で建てたいという意向に反し、鉄骨でいいと思ったという設計士■にこの人に依頼していては自分の建てたい家はできないと判断したため、この日の打合せで一旦ストッ プ、「こちらから連絡するまで、そのままにしておいて下さい」と伝え、帰ってもらう。 ◎ほかの設計事務所に相談メール(上記:記録)を送ってみた。 「依頼主とは十分な打合せをし、依頼主の要望を受け入れ、住みやすく満足できるプランを考えるのが設計士」という回答を数件いただく。 前記のような大小様々な不満も爆発し、設計依頼を断ることとした ◎依頼を断りますと電話を入れる ■実施設計に入る前の基本設計だったら金額は発生しませんでしたが、もうすでに実施設計が70%程できているので、ある程度の金額は請求するつもりです。実施設計に入って から2〜3週間あったのに断るつもりだったら電話1本ですんだじゃないですか(実施設計に入りますとの説明などはなく、鉄骨とコンクリートで実施設計が進んでいるとは思いもしなかった) ◎実施設計に入っていたのを始めて知った。どこまでが基本設計・ここからが実施設計という説明を■から受けていない。 (請求どおり払うつもりなど無かったが)とりあえず今まで掛かった経費明細をメールで送ってください。 ■ 今週土曜日までにはメールで送ります。 2週間後 ◎請求はまだでしょうか?と電話をする ■今、立て込んでいるものですから2・3日中に送ります 2週間後 請求 以上 この、設計依頼を一旦ストップさせた時から断るまで、また断ってから請求がくるまでの期間に■が実施設計?7割ができましたとまで仕上げることもできなくは無い。 (頼んだ内容と違う内容で勝手に実施設計7割できましたのでお金をください。と振り込め詐欺のような事を言われても、こちらは払うつもりは無い。) 以上の記録のなかで特記すべきことがなかった打ち合わせは省略している。 上記交渉記録をもって行政書士に相談した。→ ◎が■に対する金銭の支払い義務は発生しない。 結論、他の設計事務所に以上のような請求ケースを相談したところ設計事務所としてお金は貰わないし貰えない。依頼主の木造で建てると言う考えを完全に無視し、金額的に変わらないからという理由で依頼主に確認もせず鉄骨とコンクリートで設計をし、何割できましたので、お金くださいと言うことは設計士としておかしいのではないのか?請求書が来たのも◎が、いくらぐらいの請求かメールで送ってくれと言ったからでしょう。とのことでした。私は詐欺ではないかと感じています。 支払い金額は0円です。請求書を送ってくださいといったのも、上記のような内容で■はどのくらいの仕事をしたと思っているのか知りたかったのです。◎は■の仕事の進め方・結果を見て、いろんな方に相談し金額を決めさせていただきました。 I氏によろしくお伝えください。私は毎日職場で顔をあわせます。 連絡が遅くなり申し訳ありません。 以上の内容を請求メール到着後に、設計士にメールで送った。 設計士が裁判所で決着をつけたいと 2.業者、若しくは・・・見解と対応は?の欄記入内容のメールを送ってきた。 [業者の見解] 依頼を断る電話をした際、請求書をメールで送ってくださいと言ったら請求書がメールで着信。送信後には電話など設計士からは掛かってこない。 記 -------------------------------------------------- 務料計算書 業務の明細を、とのことでしたので設計の進捗状況から計算します。 計算のベースは以下のとおりです。 建設予算 :\ 15,000,000-( 予算 ) 設計監理料:\ 1,400,000-( 設計 : 監理 = 7 : 3 = 980,000 : 420,000 )進捗率 : 70% ( 設計の進捗率 ) よって 業務料 : 980,000 × 70% = 686,000 以上の計算となります、全ての数値は最小限に抑えたもので計算しております。 私は丸々¥686,000-戴きたいのですが、請求金額は下記と致します。 ¥ 450,000- お振込み口座 ××銀行 ××支店 普通 000000000 某建築設計 ---------------------------------------------- 以上が請求メール 払うつもりは無いと1.現象に書いた内容をメールで設計士に送ったら下記内容がメール で着信。 記 ----------------------------------------------- 私は、物事なにによらず 「善意の人同士」 の話だと思っております。短期間ではあっても、誠実さをもって、事に当たってきたつもりですので大変残念です。 近日中に正式の請求書をお送りします、それを持ってお互いに裁判所で話し合いで決着しましょう。 11月中には手続をしたいと、思っております。 ----------------------------------------------- 以上いずれもメールのみので設計士からは電話はない。設計士から電話もないのでこちらもメールで対応している。 [相談内容] 上記現象,業者の見解に記入したケースでも支払いはしなければならないのでしょうか? 契約書は、交わしていませんのでありません。 結局、平成17年2月〜7月まで打ち合わせを7〜8回したのに私には何も、残りませんでした。残ったのは打ち合わせの際の間取り図、数枚と怒りでした。あっても実際何の役にも立ちません。これでは平成17年中に建てる予定だった家は建築できません・・・。まさか設計士がこんな仕事をするとは思いもしなかった。 建築業界では、設計士が設計し、これは実施設計ですと言うものは、依頼主が望むものと違うものでも実施設計になる世界なのですか?最終確認をして実施設計に入るということを説明しなくても良いのですか?設計の仕事では、ここまでは無料でこれ以上は有料ですよ。という説明はしないのがあたりまえなのですか? 支払いをするしないを裁判所で話し合う必要があるのでしょうか?私は払いたくないのですが。 請求のメールを送って電話も掛けてこないのになにが誠実か?と思うのですが・・・。誠実と言えばなんでも誠実になるのか?と思うのですが? このままでは、設計士不信になりそうです・・・。 |
yorozuの感想 | 今回初めての相談なのですが、まだ相談後の内容が分かりませんので何とも言えないのですが・・・相談解説が来ないかもしれないというのは残念です。 本当に相談に解説がくるのならすばらしいホームページだと思います。 ぜひ続けてください。もっとたくさんの人に知ってもらったほうがいいと思います。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | 解説員の山口です。 このままでは、設計士不信になりそうです・・・。とおっしゃっていますが既にお互いが不信感をもって相対しているところですね。 経緯はおよそ想像がつきますが、お互いがここと言う時にハッキリと言いたいことを言わずに、お互いに相手に期待をしながら遠慮もしながら進めて行った結果が今回の事態を招いてしまったということです。 建築士は業務に着手する前に色々なことを御客様に説明や提示をしなければなりません。信頼関係が深い時は省略してもトラブルにはなりませんが、お互いの相性が合わなかったりすると微妙な温度差を生じることがあります。微熱であれば良くなるのは早いのですが、今回のように疑心暗鬼になった時にはハッキリと冷却期間をとるべきでしたね。 そうは言っても済んでしまったことですので、解決の糸口を探ってみましょう。 建築士は、設計業務着手前に設計監理料の仕組みや業務範囲、工事の流れ、支払い時期などを説明しなければなりません。その辺りがうやむやで、施主の了解を得ずにに実施設計に着手したことは設計者に手落ちがあたと考えていいでしょう。 一方、払いたくないのに「経費明細をメールで送ってください」と言ったことに関しては少しなら払ってもいいと勘違いされたかもしれませんね。 このくらいの事で裁判になるのは双方とも得策ではありませんので、ここは一つ設計者を紹介してくださったIさんに間に入っていただき骨を折ってもらうのがいいのではないでしょうか。 金銭の絡む民事的な相談に関しては、メールでのアドバイスでは限界がありますのでこのくらいにさせていただきます。 |
コメンテーター | |
藤井 修 | 相談を要約すると、 <知り合いに紹介された設計者に口頭で設計を依頼したが、設計者は計画内容の変更を求めたにも関わらず実施設計を進めた。 約半年の打ち合わせ期間が無駄になった。 途中で解約をした結果、設計料を請求されたが設計者が勝手に進めた設計なので納得が出来ない。>と言うことですね。 設計の依頼をされた以上、納得のいかない設計でも打ち合わせを重ねた作業に対してはある程度の支払いが発生すると思います。 山口解説員の言うように紹介者を介してよく話し合いをされたらどうでしょうか。 結果どうしても結論が出ないようでしたら、法的な解決になると思います。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 出足ですでに設計者の正確な責任説明が欠けていたのではないかと思います。 「木造も鉄筋コンクリートもたいして金額に差がない」ということはなく一般的には安い順に在来木造→鉄骨増→鉄筋コンクリート造→数奇屋造りとなります。 木造といってもピンからキリまでですが、今回の相談の場合は普通の木造だと想定します。 この設計者は木造は苦手か?好きではないのかもしれませんね。 この時点で破談すべきだったと思います。 設計者と建築主はパートナーシップを持って家を構築すべきもので、そもそも意志の疎通が取れない人と設計契約などすべきでもありません。また、設計者も自分の得意な分野でないのならば受注すべきではありません。 両者ともに時間もお金も無駄になります。 請求内容についての妥当性は当事者でないと不明なところですが、妥当と思われる費用を支払えばよいと思います。 設計者が納得できなければ訴訟になると思いますが、通常は設計者も建築主と相性が悪いと感じていた筈なのに無理に設計を進めた責任もあると思うからです。 わたしは設計者と建築主は相性が合わなければお見合いと同様に早いうちに破談すべきだと思っています。でないと、いい家などできません。 気持ちが両者高ぶってこそ、寝るのも勿体ないくらいに設計に打ち込めるものです。 そうでないと事務的な処理となって折角のオーダー建築が台無しになります。 破談に対する慰謝料の問題だと思いますが、双方、気持ちよく別れられるようにうまく進めてください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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