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一般社団法人建築よろず相談支援機構

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No. 1051 外壁のアスファルトフェルトについて

 相談概要 [氏名]S.H
[相談建物予定地]佐賀県三養基郡
[職業] 会社員
[年齢] 56
[男性] on
[構造] 木造(2X4工法)
[引渡し年月日] 西暦 2006年6月  日
[何階建て] 総2
[延べ面積m2]
[延べ面積坪] 42
[工事請負金額] 約3千
[設計監理料] 40
[様態] 注文建築
[施工者] 地場中小ハウスメーカー;地域的な中小産業
 相談内容 [家づくりの相談内容]
2*4工法で次世代省エネ住宅第U地域仕様の高断熱高気密の注文住宅を九州北部で検討中の者です。以下の提案を工務店の方から受けていますが、疑問に思っています。

壁の構造合板の外側に通常は防水透湿シートを張りますが、アスファルトフェルトを使用するとのことです。この工務店でも以前は防水透湿シートを使いっていたが、釘打ち部からの漏水による断熱層への濡れがあるのでアスファルトフェルトに切り替えたとのことです。透湿性のないアスファルトフェルトが外側にあり、断熱材の内側には防湿シートを張るので、2層の間にある湿気の逃げ場がほとんどなくなるのではと心配しています。

これでは壁内木材への悪影響も心配です。この工務店では20年近く2*4の経験を持ち、自信を持って提案されています。このまま工務店提案で行くべきか悩んでいます。
 yorozuの感想 回答者の方々の氏名が公開されている点が非常によいと思います。
且つ、複数の回答が期待できる点も好ましいと思います。回答の内容も適切なものが多く、検索機能もあり助かっています。
アドバイザー 
山口 雅克 解説員の山口です。

 私のところからそう遠くないところで、よく耳にするハウスメーカーですね。
 次世代省エネの高断熱高気密を検討中とのことですが、住宅金融普及協会の仕様書(一般に言う公庫仕様)では、この工法は外壁の内側や開口部と断熱性能に子細な仕様が定めてあります。

 造作工事の項目などに外壁の外側に関しての仕様がありますが、防水透湿シートとアスファルトフェルト430は同等に扱ってあります。アスファルトルーフィングであれば通気の問題も発生しますが、アスファルトフェルトであれば心配は無用です。透湿性がない訳ではありません。

 ただ、防水透湿シートで漏水があったからといってアスファルトフェルトに切り替えたとのことですが、施工状況は同じことではないかと思います。施行要領は同じですし、どちらかと言えば防水透湿シートの方に優秀な商品が出回っていますので、個人的には優秀な防水透湿シートをお薦めします。

 余計なことかもしれませんが、この予定地で次世代省エネの高断熱高気密仕様が必要なのかなと思っています。福岡・佐賀地方としてはこの辺りは雪が降りやすいところですが積雪が2、3日あるようなところではありません。高気密はやめて軒を深くする等されてもいいのではないでしょうか。

 高断熱はされてもかまいませんし、天井だけでなく屋根にも断熱材を入れることをお薦めします。夏場の室温はかなり違ってきます。
 コメンテーター 
藤井 修 今のように防水透湿シートが一般的で無いころは外壁にはほとんどアスファルトフェルトを施工していました。山口解説員の指摘どおり心配はありません。
 事務局から 
  荻原 幸雄 防水透湿シートはアスファルトフェルトよりも通気が何十倍もの性能があるので内部結露防止に使用されだしました。ただ、これにも欠点があり、アスファルトフェルトよりも密着性がないこと、釘の周りが紙を抜くようなものなので隙間ができてしまうということです。

アスファルトフェルトはアスファルトがこの釘に密着するので釘からの漏水は少なくなります。
防水透湿シート+通気層があれば直接この隙間から侵入することはなうなりますので、この不安は解消されます。工務店の説明も間違いというものではなく、防水透湿シートは実績も少なく、密着性もないのでまだ不安があるものだと思います。理論では防水透湿シートだと思いますが採用されたのは近年で30年も建つ建築がアスファルトフェルト実績から判断することも理解できます。

性能を発揮させるには費用がかかります。
個人的にはモルタルの場合は密着度からアスファルトフェルトのが相性はよいでしょう。しかし、内部結露の問題もあるのでその裏には通気層を設け、その内側は防水透湿シートにすれば完璧です。
しかし、この方法は費用もかかるので、適材適所に判断されるべきものです。
相談者お礼状 
 相談者お礼状 お疲れさまです。質問をさせて頂いたS・Hです。
早速のご回答有り難うございます。
回答の内容も適切で助かりました。
回答内容は以下の事と理解しています。
防水透湿シートを使用する事が百点満点ではなさそうで、アスファルトフェルトにもそれなりの長所と短所がある事が分かりました。
もう一度工務店と話をしてみますが、どちらの採用もあり得るとのスタンスで臨もうと思っています。
 日本での住宅建設はまだまだ成長段階で、しかもその変化が激しいように思います。
その時点で良いと思われる工法を採用する事しかないように思われます。
建て主としてはある種の不安が付きまといますが仕方がないでしょう。
今後ともご指導をお願い致します。  
                                           敬具
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