相談概要 | [氏名] U.H [相談建物予定地] 東京都目黒区 [職業] 会社員 [年齢] 37 [男性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦 年 月 日 [何階建て] 3 [延べ面積m2] 98 [延べ面積坪] [工事請負金額] 6000 [設計監理料] 0 [様態] 建売り住宅 [施工者] 地場大手ハウスメーカー;地域的な大手産業 |
相談内容 | [家づくりの相談内容] 都内で三戸並んでいる、一番西側の建売住宅の購入を考えておりますが、以下3点について、売主からあらかじめ指摘されまし た。公庫の融資は受けられないが、都市銀の融資は受けられる程度の違反とのことですが、入居後、遵法から本人負担で改築の必要が生じる等のトラブルが起こる可能性はないのでしょうか? 1.設計当初、駐輪場としていた箇所を地面を掘り、駐車場にした。その結果GLが下がり、下がったGLを基準に高さを測ると建物が境界を約10CM程度オーバーしてしまう。 2.同時に分譲した、隣接する東側建物への日照を考慮せず、3階屋根が切られていない。東側隣人もこの点は承諾しているとの事。 隣人が変わった場合も、法律を盾に改築を求めるようなことはないと言っていますが本当でしょうか?(但し自分が建て直しをする場合は、法律に沿った建物を建てる必要があると言われました) 3.準防火地域で、窓ガラスに網が張っていない。 以上、宜しくお願いします。 |
yorozuの感想 | HP自体は問題ない(使いにくいことはない)と思います |
アドバイザー | |
星 裕之 | 解説員の星です。 大きな欠陥建築であっても確認申請書と登記上の面積に説明できないような差がない限り、銀行融資は可能です。それゆえ欠陥建築の温床となりがちなので、銀行融資にも完了検査を義務ずけるよう行政からの要望はでているようですが、いまだ実現に至ってません。 項目1に関しては集団規定違反ですから設計者・施工者・所有者の良識が問われます。 項目2に関しては斜線規定違反なのか、それとも良識に基づくものなのかはわかりませんが、末代に渡り問題がないとはいえないでしょう。 項目3については明らかな防火規定違反です。火災保険の算定の際には不利な結果が出る可能性もあるでしょう。ガラスさえ不適合であるなら、壁がきちんとした耐火構造になっているのか疑問です。 目に見えるところで、きちんとした施工ができていないようでは、隠れた部分に相当の瑕疵がある可能性も考えられます。建売住宅、特に3階建てはたくさんの問題点があり、多くの地域で中間検査・完了検査を受けることがきめられています。今回は構造に関する中間検査もうけていないであろう物件です。君子危うき近寄らずというのが得策ではないかと思います。 |
津村 泰夫 | 大阪の津村と申します。 東京での事情はよくわかりませんが、違法建築物に融資をする都銀もひどいところですね。 国土交通省は平成15年2月に銀行協会宛に完了検査のない建物に融資をしないよう通達を出しています。 http://www.builder-net.com/jssnews/extra/2003/20030226.html 関西の不動産業者の話しでは、中古住宅で違法建築物はローンが付かないため買い手が付かず困っていると言っておりました。また確認検査会社の話しによりますと「完成検査済み証のない建物は、価値は7割しかない」とはっきり述べてました。違法建築を入手するのであればそれらのことを納得して買うことでしょう。斜線制限違反を指摘されやむなく切り取った家を見たこともあります。影になった家が承諾しているということはないでしょう。法的に日陰が許容されている商業地域でもマンションの日陰になるということで訴訟を起こし、私が現在鑑定をしている地域があるくらいです。 どうしても取得を考えておられるのであれば、違法部分をすべて洗い出し確認し、今後の不利な条件を考慮してください。私が違法建築であることを確認したことにより、党より立候補を取り消された議員候補者もいます。ずっと後ろめたい気持ちで過ごさねばならないでしょう。 |
コメンテーター | |
関口 啓介 | このような違反建築物で6000万円もする事に驚きました。東京は凄いところですね。 1、は駐輪場をなんとか駐車場へしたいと言う苦悩が見えるのですが、10cm以上埋めれば物理的には合法になるのでしょうか。少なくとも合法にしたものとして建物をご判断頂いた方が良いと思います。 2、準防火地域にあるにも関わらず延焼ラインにある窓ガラスが「防火設備」網入りガラス等になっていないものは合法に直す事が前提で考えてみてください。 ここで、問題になるのはいくら現在露呈されている違法部分を合法化しても、星さんが言われるように隠蔽部分の欠陥の可能性と、中間検査、完了検査を受けていないという事です。完成後において遡って中間検査は受ける事はできません。また、当初からそれら検査を受けないつもりで進められた工事ですから、どのような不具合・手抜き・欠陥が潜んでいるかわかりません。そこに、津村さんが言われる「検査済証のない建物の価値は7割」に繋がる原因があるわけです。 私たちは住まいの設計に関わりながら、敷地内で住宅は完結されるものではなく、近隣や地域コミュニティとの連関で成り立つと考えております。また、それは言い換えると建物の在り様が、近隣地域との関係を規定する部分があるとの事です。違法で我さえ良ければと建てられた建物に住む事で、あなた達家族の近隣地域での立ち位置が決まる部分があるとお考え下さい。 住まいを手に入れるのは人生の中で一大事業です。建築よろず相談にご相談頂いたの も何かの縁です。これをきっかけにじっくりと住まい造りにのぞまれては如何でしょうか。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 違法が意図的なのか?どうかは知りませんが、当然、いろいろ問題があります。 1)資産価値は間違いなく下がります。将来売買するときは当然のことです。 2)違法を平気でする施工者に良心はありません。構造など平気で手抜きしていると断言できます。 3)近隣から法的な是正の改築を迫られた場合には承知で購入したあなたに全責任がきます。不動屋さんはだから違法を告知しているのです。告知して購入した場合に不動屋さんには責任がありません。 以上の点から構造的な手抜きの可能性が飛びぬけて高く、あなたの家族が大地震の時に倒壊して命を失った場合にも、あなた方の親の責任になる。一生後悔しませんか? そんなとんでもない家を誰も購入しなければ、建てる側も違法をしなくなります。 違法の建築物を購入するということは、自分達家族の問題だけでなく、社会的な責任もあるということになりますので、充分考慮してください。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | |
その後 |
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