相談概要 | [氏名] A.T. [相談内容] 注文住宅の瑕疵 [居住住所] 神奈川県横浜市泉区 [相談建物所在地] 神奈川県横浜市泉区 [職業] 大学職員 [年齢] 39 [女性] on [構造] 木造(在来工法) [引渡し年月日] 西暦2005年11月30日 [公庫使用] on [性能保証は使っていない] on [何階建て] 2 [延べ面積m2] 156.58 [延べ面積坪] 47.27 [工事請負金額] 3300 [設計監理料] 0 [様態] 注文建築 [施工者] 建設会社 [設計者を選んだのは] 自分では選んでいない。 [監理者を選んだのは] 自分で選んでいない。 [確認申請書は本来建築主が出すと説明を?] 受けた。 [18確認申請の為の委任しましたか?] してない。 [確認申請書お持ちですか?] 有る。 [検査済証は有りますか?] 有る。 [設計図面は何枚もらいましたか?] 12 [工事着工まで設計の打ち合わせは何回しましたか?] 2 [施工者名] T建設株式会社 [販売会社名] T建設株式会社 [設計者名] S.T. [監理者名] T建設株式会社一級建築士事務所登録 |
相談内容 | [現象] 新築1年後には外壁と塀にひび割れが生じた。外壁は何もない状態から業者の人が1人で2日間きただけでつくられてしまった。また洋室と和室の窓の下の土台のような部分に亀裂が生じている。住宅街で、特に交通量が激しい場所でもなく、また過酷な天候の場所でもなく、普通に3、4年住んでいるだけで、なぜこのようなことになるのか腑に落ちない。 [業者の見解] 在来工法で1年後に亀裂が発生したが、これ以上は拡大しないという説明だったが、だんだんひどくなった。クラックはモルタルの乾燥亀裂で筋交いのバランスが悪いといった軸組筋違に拠るものではない。構造にたいしてはT建設が責任を持つと初めに言っていたが、営業の人は真っ先に逃げてしまい、今では外回りだけきれいにするとしか言わない。請負約款第34条の仲裁合意書を出さない。また、5年間(?)元請けが保存するはずの設計図面を見せない。父の設計図面と請負業者の図面が異なっていたようで、住宅金融公庫(?)の中間検査の際に筋交いの厚みが異なるなど誤りを父が指摘したようだが、図面を直さないままに建ててしまったようである。 [相談内容] 新築して1、2年で壁や土台のような外に亀裂が生じるのは明らかに瑕疵だと思う。特に壁は南側ではなく日光が照りつける場所ではないし、耐震構造といわれたのに大きな亀裂が見えるのは不安である。近隣でほぼ同時期に立てた家で、私どものようなクラックが入っている家は見たことがない。T建設は時間を引き延ばすばかりで、調査して原因が何かを明らかにもしてくれないので、何がクラックの原因と考えられ、どうすればよいのかアドバイスいただきたい。よろしくお願い申し上げます。 塀と外壁 外壁クラック補修跡 基礎開口部亀裂 |
yorozuの感想 | 素人は泣き寝入りをするしかないのかと困っていたところ、信頼できそうなHPだと思い、アクセスいたしました。 |
アドバイザー | |
山口 雅克 | 写真から基礎の不同沈下ではないかと推測しがちですが、そうと判断するには不明な点が多々ありますので専門家に現状と設計図を見てもらうのがいいでしょう。 基礎のクラックに分かりやすいようにペンなどで書込みをされたのでしょうか、壁のクラックの位置もわかりますが設計に折り込まれていた伸縮目地などはなかったのでしょうか。お父様が設計された図面と建設会社の図面はどのように違うのでしょうか。 実際に使われた外壁の材料や工法の検討と基礎クラックの性状などをじっくりと見 てみる必要があると思います。 |
清水 煬二 | モルタルの収縮クラックの範囲かどうかを考える方法の1つに、モルタルを塗った面の全体の幅とクラックの幅の合計を比較する方法もあります。この考え方はクラックがひどい場合だけですし、1箇所の幅との兼ね合いにもよりますので、これが完全な判定方法ではありません。基礎のクラックは写真で見えますが、外壁などのクラックは既に補修されていますので、どの程度の幅だったのかがわかりません。その基礎のクラックも、コンクリートではなく、化粧のモルタルだけのクラックなのか、基礎コンクリートまで達しているクラックなのかを確認する必要があります。また、基礎のコンクリートのクラックはこの場所1箇所だけなのか、他にもあるのかも確認してください。 外壁の窓の上下のクラックに関しては、筋交いの無い場所ですので、合板の継ぎ目のクラックかもしれません。外壁を2日間で造ったというのは、どこからどこまでを2日間で造ったのかがわかりませんが、モルタル塗りから外壁の吹き付け塗装のことをおっしゃっているなら、問題ですし、日当たりの悪い外壁面にクラックが生じても当然でしょう。柱や筋交いの状態から、外壁合板を張ったのが2日間なら、これが問題とはいえませんが、外壁合板の釘の打ち方が悪かったためにクラックが入ることは良くあります。 また筋交いの不足などによりクラックが生じることはもちろんあります。中間検査で指摘したということですから、その後どうなったのかを確認すべきですね。また、工事中の写真なども撮っていれば、確認するときに良いのですが、お持ちではないのでしょうか? 仲裁に応じないのであれば、裁判ということが考えられますが、対応してくれなくてもT建設に対していきなり裁判ではなく、内容証明で疑問点や対応に対する回答をいついつまでに頂けなければ、裁判しますよ、と通達すれば動きが変わる可能性が高いでしょう。弁護士さんに依頼して代理人署名なら、さらに対応は変わるかと思います。でも、実際に裁判するには他に手が無くてどうしようもない場合の最後の最後の手段ですから、よく考えてからにしてください。 また、設計されて中間検査にも立ち会って誤りを指摘したお父は、建築に詳しい方であれば、事情が許されるのであれば、前面に出て頂くと良いですが、無理でしょうか。 |
コメンテーター | |
津村 泰夫 | 引渡し年月日が西暦2005年12月6日となっておりますが、間違いないでしょうか。 モルタル面のクラックの原因として乾燥収縮があります。左官面で作業性を重視すると水を混ぜる量が多くなり、水が多いとクラックを生じる率が高くなります。そのためクラックを生じても良いように目地を入れたりしますが、写真を見る限り目地は見られません。 補修状況が見た目に良くありませんので、再度吹付けしてもらうことをおすすめします。 吹付け材のうち弾性系の材料であればやや伸縮がありますので、クラックが目立たないと思います。ただし現状のような親水性はありません。 クラックの程度、原因を調査し、修復方法を検討し、清水解説員が述べたような方向ですすまれてはいかがでしょう。 |
事務局から | |
荻原 幸雄 | 外壁の下地の種別、工法などが不明なので、正確な解説は難しいのでその辺を施工者に確認する必要があります。 その内容によって正確な解説ができることと思います。 1)昔からのモルタル下地の場合は下塗りと上塗りの施工期間は1週間以上は必要です。 2)最近では養生期間の短い樹脂モルタルが利用されていますが、この場合は下地等の複合的な工法で施工されると下塗り上塗りは同じ日か翌日で施工できます。 今回の相談は2)であると思います。そうですと、養生期間の問題ではないかもしれません。 その仮定でご返事しますと、 モルタルの調合の問題。 下地の反りによる問題。(外壁下地材料等による乾燥により反る) 構造そのものの問題。(基礎、柱、梁、などの構造的な歪み) モルタル施工時の天候の問題。(雨天、強烈な日射等) などが考えられます。 この範囲で再度確認し、もし適切な説明がない場合は第三者の建築士に 調査してもらうことも考えないといけないかもしれません。 |
相談者お礼状 | |
相談者お礼状 | お忙しい中、ご丁寧なご回答を賜り、誠にありがとうございました。 どうやら住宅金融公庫の基準と建築基準法の区別により、行政機関の管轄が異なるようですので、関係諸機関の協力を得ながら、元請のT社と内容証明郵便のやり取りをしようと存じております。 苦学した昭和ひとけた生まれの生真面目な父には頑張ってもらおうと思っております。 また、ご報告させていただきます。 取り急ぎ、お礼まで。 ありがとうございました。 |
その後 |
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